日光へ行ってきた

妻が健保の保養施設の空き情報を見て予約を入れちゃったので、土、日は日光へ行ってきた。
事前に妻が障害者であることを連絡しておいたので、保養施設では三人で貸切で入れる風呂の用意もしてくれていて、これはとても助かった。そのせいで、夕食前にゆっくり家族三人で入浴ができたし、おまけに翌日の朝も入れた。ただし朝については、自分で湯をはるなどの作業をしなくてはならない。係りの人からは自由に入れるようにしておきますので、朝入るようでしたら自分でお湯はってくださいということだったから。なんだかんだと”さんすけ”仕事が大変だったけど、その分妻はゆったりとした風呂に入れてよかったようだ。
宿関係では、入浴が一番気になっていたのだが、これをクリアできたが有難かった。保養所は入り口ホールから居室。居室から食堂へ、あるいは居室から浴室へとすべて階段の昇り降りが必要になるので車椅子は難しいとは思っていたのだが、妻はなんとか4点杖でクリアできた。
健保の宿は一泊6000円とチープなわりに料理も豪華だし、部屋も綺麗だしということで、これまでにも何度も利用してきた。そのうえである程度身障者の便宜も図ってくれるようなので、これからも利用する機会はあるかなとも思う。もっともここの家族風呂はたしか以前は大浴場として使われていた。それが増築で別に大浴場を新設したため普段は使用していないで、今回のうちみたいに異性の介護者とかが必要な場合に利用しているようだ。だからここ以外の施設でもこういう風呂を用意できるところがあるかどうかはわからない。箱根や伊豆など利用しそうなところはその都度聞いてみる他ないのだろう。
今回の日光での観光としては、江戸村、東照宮華厳の滝中禅寺湖など。行きは東北道から、帰りは金精峠を通って沼田へ出た。
日光江戸村は今回初めて行った。これまでにも日光へ行くたびに行ってみようかどうしようかと逡巡してきた。その度にフリーパス4500円に、「ディズニーランドじゃないんだから、いくらなんでも暴利だろう」ということでとりやめにしてきた。今回は妻がどうしても行きたいというし、おまけに身障者割引で身障者本人と介護者一名が4割引きになるということもあり行ってみた。で、感想はというと、まあ一回いっとけばいいかなというところ。まだ行ってない人はとにかく一度は行ってみるべし。そして皆で不幸になりましょうみたいなところだと思う。
小劇場が幾つも連ねてあり、30分程度の時代劇が観劇できる。やれ「真田雪村の九度山脱出」とか「名月赤木山」とかそういうやつ。それがほとんどすべてという場所だ。イメージとしては京都太秦の映画村よりもこぶりな印象もある。これで4500円はちょっとな〜というのが正直なところ。日光だからこそというところなんだろうな。
バリアフリー対応のテーマパークということで、各劇場には車椅子のまま入れるし、いろいろと便宜を図ってくれてはいる。しかしもともと江戸時代の建物を再現しているのだから、様々な段差がある。まあしょうがないか。一番しんどかったのは「活動写真の里」へ行く時の坂道。今回の旅行では車椅子を押して、幾つか坂を登る機会があったけど、ここが一番しんどかったかな。
東照宮、ここはもうバリアフリーのかけらもなかった。入り口に車椅子を置いて急な石段を登ることを強いられる。それからも階段のオンパレードだ。当初これはもう無理だろうと思ったのだが、妻はどうしても行くと言い、娘も行きたいというので参拝することにした。階段は手摺なしの急な石段なので、4点杖の妻には相当にきつかったのだろうが、なんとか時間をかけて境内のあちこちを観て回ることができた。見回すと車椅子や杖のお年寄りもちらほら見受けられ、何人かの介護者が付いていて、階段では車椅子を担ぐ人、足の不自由なお年寄りを両側から支えて階段の昇り降りをする光景などにも遭遇した。うちの場合は介護者が自分一人だけだから、やっぱりこういう場所は正直しんどいなとも思った。
妻はというと階段の多いこの場所を回れたことでかなりの自信を持ったみたいで、「私ってすごいでしょ」を連発していた。確かに無事にあちこち観て回れた。時間はかかるけれど、慎重に杖歩行していたし、そこそこ安定していたのだと思う。これも回復の証といえるのだろう。でも考えようによっては今回の東照宮はかなり危なかったなとも思う。手摺のない急な石段でもし妻がこけたらどうなっていたか。たぶん介護する私も一緒になって転げ落ちることになっていたんじゃないか。それを思うと空恐ろしい。
こういう石段だと健常者だってこける可能性はある。可能性ということでいえば同じかもしれないのだろうけれど、身障者のこける確率は高いだろう。世界遺産にも登録されているこの場所が身障者に対してあまりにも敷居が高いのはいささか興ざめするところでもある。ちょっと手を加えればいくらでもスロープなどを作ることはできそうなものなのに。歴史的な史跡なので手を加えることができないとでもいうのだろうか。
東照宮は公式ホームページを見ると、晃陽苑というホテルまでやっている。たぶん宗教法人が母体なんだろうが、けっこう多角経営で宿泊、結婚式、会食などにも対応している。観光地日光でも一番人が訪れる場所なんだろうから、こうした商売するのも別にその良し悪しをどうのという気はない。でも出来ればもう少しバリアフリーというかユニバーサル・デザインというか、そのへんのことも考えてもいいんじゃないかという気もする。なんたって「世界遺産」を売りにするのだから。