妻の近況

先週も13日、14日の土日に自宅外泊を行っているけど、本人もかなり自宅での生活に自身を深めている様子だ。階段の昇降も一応、私や娘の看視があってだが昇りの際は4点杖、下りの際は手摺を使ってうまくやっている。担当医やOTの先生からは自宅での生活の基本は車椅子と言われているのだが、4点杖や壁や家具への伝い歩きでなんとかなりそうなレベルになりつつある。
発症時の国際医療センターの医師の診断や、国リハでの最初の医師の診断の時に言われた、歩行は難しいこと、車椅子生活になるということからすると、飛躍的な回復とでもいえるのかもしれない。
国リハでも妻への病棟での対応はすでにある種の退院モードに入った感じがある。トイレについて、先週くらいからすべて自分で行うようになっている。4月の初めくらいから、自分でズボンやパンツを下ろして便器に座り、用を足したらナースコールをして看護士を呼ぶ。そのうえで看護士の看視を受けつつ自分で立ち上がってパンツやズボンを上げることを行ってきていた。それが先週くらいからはナースコールの必要なし、トイレに関しては看視なしで一人で行うことの許可もでた。つまりはトイレに関して自立したということだ。
また病棟内での杖歩行練習もこれまでは病棟廊下一周を看護士の看視を受けながら行っていたのだが、やはり先週からは一周を二周に増やした。二周まではなんとかいけるようだが、さすがに三周にすると足があがらなくなるという。妻には入院以来小さなメモノートを渡してあるのだが、最初のうちはほとんど何も書かなかったけれど、ここのところはほとんど毎日数行ずつその日にあったことを書くようにもなった。例えば歩行についても以下のような記述がある。

2006.5.8(月)
ゴールデンウィークも終わり、
また今日から訓練開始。
今日は、病棟の歩行練習で
初めて2周した。
なんとかできた。
2006.5.9(火)
今日は病棟の歩行練習で
3周した。だが、3周目は
足が上がらなくて○○さん(担当看護士)
にダメだと言われた。

そして昨日からは看視なしでの4点杖歩行の許可も出た。これは転倒の危険性や回りのことを注意できるというお墨付きをもらったということだ。さらに今日の昼食からはこれまでずっと食堂で食事をとっていたのだが、ナースステーション前の談話コーナーで食事をとることになった。この場所で食事をとる患者さんは、手足に障害のない方や退院間際の方ばかりだ。まさしく退院モードに突入したということなんだろうな。
その退院日だけど医師からは5月いっぱいといわれている。でも5月31日は水曜なので、できれば6月2日ないし3日にできればとも考えている。3日の土曜日であれば、土日にゆっくりできる。それでもたぶん翌週月曜には最初のヘルパーを迎えることになるので休みを取る必要もあるのだろうなとも思う。とにもかくにも退院秒読み状態に突入したということだな。
思えば昨年の11月からだったから、本当に長い長い入院生活だ。妻もよく頑張ってきたし、よくぞここまで回復してきたとも思う。そして小さい娘のよくこのシビアな状況を受け入れて頑張ってきた。そんなもろもろの感慨もなきにしもというところもある。でも、入院生活の終わりはまんま自宅での介護生活の始まりでもあるわけ。けっして平坦な道程ではないだろうとは思う。でもそれにしても妻の発症からの長い入院生活に一区切りができることを素直に喜びたい。