3回目の外泊

今週は火曜日に病院へ行った後、土曜日まで妻のところへ行けなかった。だいたいのところ仕事が7時過ぎまでありで仕方がないとはいえ、ずっと一日おきには病院へ行っていたので少しだけ妻のことが気がかりでもあった。木曜日と金曜日には7時頃に病棟に電話を入れて仕事がたてこんでいるので、病院へいけません。妻が待っているようだったら行けなくなったと伝えてくださいと電話までいれている。それも恐縮しつつだ。看護師によっては快く対応してくれる人もいるし、なんでそんな取次させるのよ、こっちは忙しいんだからといわんばかりの対応をする方もいる。まあ、考えようによっては確かに看護師の仕事ではないだろうし、夜7時台は看護師の数も少なく、それでいてトイレなどに呼び出されることが多い時間帯だ。ソフトに対応しても実は内心じくじたるものがあるところだろう。
ほとんどの患者がトイレについては介助が必要なので、車椅子で患者はトイレに入るとナースコールをする。看護師はトイレに行き、患者が車椅子から便座に移るのを介助し、衣服を脱がす。で、一旦トイレを出て他の患者の呼び出しなどに対応する。患者は用を済ましたらまたナースコールをする。看護師はトイレに戻り、衣服を着せたり、車椅子への乗り移りを介助する。準夜という夜5時くらいから12時くらいまでの勤務は看護師が3〜4名程度で全患者の面倒をみなくてはならないので、ある意味一番しんどい勤務帯なのではないかと想像する。12時以降のいわゆる夜勤になればたいていの患者は寝ているので呼び出しもめっきり減るはずだし。
土曜日は1時過ぎに国リハに着いた。すぐに準備をして外泊のため妻を連れ出す。前回同様風呂の用具一式も借してもらう。妻は買い物に行きたいというので、三芳のウニクスへ行く。前日も8時過ぎにCDを返しに行き、娘を少しだけゲームセンターで遊ばせたところだ。ここでは娘をゲームセンターで遊ばせ、私は妻を車椅子に乗せて買い物をした。途中ウニクスの裏にあるかなり大掛かりな分譲中の住宅街の中にある公園で妻の杖歩行の訓練を行わせた。50メートルくらいの距離を途中に一度休みを入れて往復する。妻の杖歩行もだいぶん安定してきている。
買い物は夕飯の材料、妻のリクエストでカレーとなめこの味噌汁(へんな組み合わせだとは思うけど)、サラダの材料などを購入。スーパーの隣の薬屋では妻の生理用品を買った。妻はまた生理がはじまったらしい。前回から確かに27〜8日を経過している。安定したサイクルになりつつあるということだ。そうなると次回は退院間際になる計算だ。介助という立場からすれば、妻のこういうことについても頭のどこかで押さえておかなくてはならないということか。生理用品は妻に選ばせてレジには娘に金を持たせて買いにいかせた。なんとなくだが、まだ抵抗があるということ。いずれ事務的にこなしていかざるを得ないのだろうけど、やっぱり大の男が一人で生理用品とかを買うのはやっぱり難しい部分があるよな。
ウニクスのあとはケーキ屋によりショートケーキなどを幾つか購入する。妻は何度もケーキが食べたいと言っているのだが、看護師からはカロリーオーバーになるから食事や間食気をつけてとも言われている。これまでの二回の外泊ではケーキ類は一切与えていなかったのだが、なんとなく少しはいいかなという気にもなっていた。入院生活が長期化して以来、妻はけっこういろいろとあれが食べたい、これが食べたいと口にする割にはけっこう食が細くなっていて、出してもあまり食べないことが多い。せっかくの外泊だから多少のことは目をつぶろうくらいな気持ちだった。
家に着いたのは5時過ぎ。床屋に行きたいのと買い忘れたものがあったので、妻と娘を残して一人で出かける。床屋の後、ジャスト一時間久々にパチンコをやる。ほんのひと時の気分転換のつもり。大海で3000円投資して6連荘の勝利。ノーマルの4で揃い、次に8のマリンリーチで9に転換、確変1回目に6、続いて同じく1回目のリーチで魚群3で揃い、次が7、最後に6で終了。かなり効率のよい気分転換になった。
8時少し前に帰宅して夕食作り初めて9時過ぎに完成。妻を風呂に入れる。借りてきた入浴台、椅子、滑り止めマットはやっぱり必需品だ。3回目などで多少とも慣れてきたせいもあり、けっこう手早く介助することができた。そんなこんなで夕食は10時近くになってしまったけれど、これって我が家の場合いつものこと。ある意味ずっとこんな感じでやってきたわけ。妻も娘もカレーを美味しいを連発しながら食べてくれた。カレーとかシチューとかは簡単に作れて、当たり外れがないから楽といえば楽ではある。
私が料理を作っている間、娘は勉強。妻はテレビを観でいたのだが、そのうちどうしてもやりたいというので和室に山のように溜まっていた洗濯物をたたむ作業をやらせた。けっこう手短にいろいろたたんでくれたのだが、12時過ぎ妻と娘を寝かせてからたたんだものを仕舞おうと見てみると、やっぱり片手で行うためだろう、かなり雑というか無理があったみたいで、結局ほとんどの衣類をもう一度たたみ直した。その中であれっと思ったのが、靴下が片方づつ丸めてあったこと。一足ごとに丸めてたたむやり方は昔、妻が私に教えてくれたたたみ方なのだが、それが見事に片方づつで丸めてあった。なにか少しだけ悲しくなった。結局これが高次脳機能障害とか、注意障害ということなのかもしれないと実感した。衣類を一つずつたたむことに気持ちがいっているため、靴下は二つで一足ということに注意がいかないということなわけだ。こんなささいなことでも妻の病状を再認識させられてしまうわけだ。
洗濯物をたたみ直し、病院から持ち帰った3日分の山のような衣類を洗濯して干したりしていたら、ゆうに1時を回った。すぐに寝てしまおうかと思ったのだが、なんとなく寝つけず久々にDVDを観たりして過ごした。結局床に着いたのは3時をだいぶ回った頃だった。
朝、6時過ぎに娘に起こされた。妻がトイレに行くということだったのだが、慣れもあり寝ぼけていたらしく、後で聞いたら娘に「お前にまかす」と一言いって寝入っていたらしい。娘は、妻を介助してトイレまで着いていったようだ。えらいやっちゃ。8時に私も一度起きて、娘がスイミングに行かすために起こしに行き、また二回にあがって眠ってしまう。これも後で聞いた話だが、妻も目を覚ましていたようで、娘と二人二階にあがったようだ。娘の偉いところは、母親の左足に装具をつけ、階段昇降の介助を行ったという。つくづくスーパー小学三年生という感じで娘を誇らしく思う。その半面、慣れとはいえ寝入って介助をサボったのは反省材料だ。もし妻が転倒でもしていたら、とんでもないことになる。もう少し緊張を保つ必要もありとはつくづく思った。