驚くべき回復力(かな?)

 3時頃に医療センターへ行く。妻は午前中CT検査、うまくすれば昼頃から水分を口からとれるという話だったので様子はどうかなと思っていたのだが。
 7Fエレベーターを出るとナースステーション前を車椅子に乗って看護師におしてもらう妻がいた。「あんまり遅いから電話しようと思っていた」という。車椅子には点滴がつるしてあり、妻の左腕にきちんとつながている。抗生物質と痛み止めだとの話だ。
 いくらなんでも手術の翌日だからまだベッドにいるだろうと思っていたのだが、本人に聞くと「さっき車椅子に乗った」。
 看護師の話では、CT検査でも異常はなく、ドレーンもとれている。昼食もおかゆなどを食べたという。驚くほど経過は良好だという。そういえば、前回の手術の時も翌日の夜から食事をとっていた。執刀医からは通常、減圧開頭術の患者さんは嚥下障害等で口から食物をとる例は稀だと話していたっけ。喉の神経をやられていないといえば、それまでのことなのだが素人考えでも、とにかく食事がとれるというのは回復の証拠だと思う。まずは一安心だ。
 妻は車椅子での散歩がしたいと、病棟からエレベーターで降りた1Fや地下の食堂などに行きたいとさかんに言っていたのだが、さすがに手術の翌日ということもあり看護師から遠慮するように言われる。それで妻に今日、明日は病棟内だけと厳命。その後は病棟内をぐるぐると回ったり、談話フロアでテレビを見たりして過ごした。私はやっぱり疲れているのだろう、ソファで小一時間寝入ってしまった。妻と娘はずっとテレビを見ていたようだ。妻が長い時間テレビを見ていられるの回復の証拠なのだろう。以前はテレビをつけても一分ともたず、すぐに別のことを始めてしまっていたから。
 妻の夕食につきあい、8時少し前に病院を出た。
 その後、新宿を少し娘とぶらついた。夕食を新宿の繁華街でとろうとも思ったのだが、帰りのことも考えて池袋に移動。なんとなくほっとしたい部分もあり、駅近くのライオンに入ってビールを飲んだ。娘には大好きな生ハムやらチキン・バスケットやら。娘はDSやりながら時折思い出したように食べ物をパクリする。私はただただボーッっとして父のこと、遥か昔のことなんかを考えていた。