自宅改修についての業者との打ち合わせ

2時に自宅改修について業者と打ち合わせをした。先週のケアマネとの打ち合わせの後で、連絡がありセッティングされたもの。やってきたのは福祉用具貸与業者で、たぶんそこと取引のある工務店の人が同行してきた。最初に入浴関連の商品をカタログを見ながら決めていくことになった。これは他の車椅子や介助ベッドなどの福祉用具のように介護保険を使ってレンタルするものではなく、すべて購入するものらしい。もちろん介護保険による1割負担なのだが、浴槽に取り付ける手摺15000円、バスボード(入浴台)20000円、シャワーチェア13000円、浴槽内に敷く滑り止めマット4000円。最低限必要なものをと考えてはいるのだが、それでもなんかすごいことになっていないかっていう感じだ。
バスボードやシャワーチェア、滑り止めマットは現在も妻が外泊に来るたびに病院から借りてきているので、絶対に必要になる。浴槽の縁に取り付ける着脱可能な手摺は、たまたま業者が在庫を持っていたみたいで持ってきていたので取り付けてもらったのだが、シャワーチェアからバスボードに乗り移る際や、浴槽内で立ち上がる際にけっこう使えそうだということで、購入することにした。これがあれば浴室につけるつもりでいた手摺を一つ省略できそうだ。業者が在庫をもっていたのが、この手摺と滑り止めマットだけだったので、二つともそのまま置いていってもらうことにした。後はすべて取り寄せで、連休明けに持ってくることになった。
自宅改修の方は結果として本当に最低限のものになった。まず和室のフローリングについては、ざっと10万くらいという見積もりだったが、妻が強固に必要ないと主張するのでそのとおりにした。実際フローリングにするとなると、それじゃ和室使用で障子をつけてある窓はどうするとか、押入れはクローゼットにしなくてはとか、もろもろ付帯することがでてくる。業者の話では、フローリングにするのは介護の用をなすということで、介護保険対象になるけれど、それ以外はもろに実費とのこと。でもなあ〜、障子で押入れでフローリングはあんまりだよとも思いつつ、それならば畳にカーペットでもしけばいいかみたいなことになった。
階段の手摺については、両側につけるとなるともともと狭い階段スペースがさらに狭くなり、昇り降り自体に干渉する可能性もあるのでこれもやめることにした。妻には昇りの際には4点杖、降りる際には手摺で慣れてもらう他はない。それ以前に絶対に一人では階段昇降を行わないように約束事を決めて徹底する以外にはないのだろうと思う。でも、妻の性格(以外と人の言うことを聞かない)、病状認識の甘さを考えると、この人は絶対に階段の昇り降りを一人でやりそうで不安でもある。退院後の自宅生活ではとにかく一人でいる時間がけっこうあるので、とにかく約束事をしっかりさせようとも思った。家に帰ってきて玄関あけたとたんに階段下でうずくまる彼女を発見するなんていう最悪の事態だけはとにかく避けたい。
でも、いずれは妻にも自宅生活では、出来るだけ自立してもらいたいと思ってはいるのも事実だ。階段昇降だって一人でやってもらいたいとも考えている。ようは慣れと代用手段の徹底でもあるわけだ。片麻痺で左半身が不随とはいえ、4点杖や壁をうまく伝ってバランスをとりながら階段を昇ったり、下りの際には手摺をうまく使って降りてこれるようになってもらいたい。今現在は介助が必要だとしても、とにかく場数を踏めばなんとかなるのではないかと希望的に思ってもいる。病院のPTの先生と話した時にも、場合によっては尻餅をついた状態で階段を降りたりという手段だってあるとのことだった。とにかく階段昇降がうまく自立できないと、妻はこのままずっと自宅二階での軟禁状態にみたいになってしまうわけだから。
最終的には手摺の設置箇所は二階トイレに一箇所、浴槽の入り口脇に一箇所だけにした。本当に最低限になった。でもこれでいいと思う。いろいろ付けても結局不要だったみたいなこともけっこう多いという話も聞く。介護保険での自宅改修費用は1年で20万だという。実際に生活してみてここにはやっぱり手摺がとか、やっぱり和室をフローリングにみたいなことになったら、来年また考えればいいのではないかとも思った。妻の障害者としての生活はまだはじまったばかりだ。先はずっとずっと長いのだから。