医師との面談(5回目)

半休をとり国リハへ。短時間、医師と面談する。医師からは本人の回復状況も順調であることから、先回決めた5月末退院についてのスケジュールを確認したいとのことだった。
「本人、家族、医療スタッフが5月末退院ということで共通の認識を持ってやっていきたい」という。元来こちらもそのつもりであるので、了承した。
身体の回復とは別に注意障害の状況についても聞いてみた。妻の金銭管理が難しいことなどを最近の公衆電話でのお釣りのとり忘れの例などから意見を求めた。医師は注意障害の改善についてはもう少し長いスパンで考えたほうが良いだろうとのこと。入院当初のひどい状況からは飛躍的に良くなっているのだからとも。
こちらからは例の自宅ローンの団信保険の件を相談した。医療相談室のケースワーカーからも医師に相談してみるといいというアドバイスをもらっていることもつけくわえた。医師は、片麻痺、注意障害では経験上、団信保険等の高度障害とは認められないことが多いと消極的な答えだった。駄目もとということであれば、診断書は書きますが障害の固定ということではもう少し後のほうが良いだろうという。退院間際に診断書を作成して保険会社に提出みたいなことでどうだろうかと逆に提案された。
正直一縷の望みを持っていたのでショックはショックだった。医師の言う経験上うんぬんというものいいには国リハという身障者の医療に携わるキャリアからの重みがある。もっとも最初に入院した時に、妻の自立歩行についても「梗塞巣の大きさから歩行は私の経験上では難しいと思います」だった。保険が降りるかどうかも審査する人に大きく左右される部分もあるからなんとも言えないともおっしゃってはいた。そのへんに小さな望みをもっていかざるを得ないのだろう。
今の自宅のローンは私と妻がそれぞれがもっている。それぞれが半端じゃない金額のローンを抱えているわけだ。身障手帳1級相当で申請を行った片麻痺の妻に今後社会復帰への道は難しいだろう。現在の職場への復帰はまず無理だろうし、本人にもそういう意欲はさらさらない。その中で今後の自宅改修等や様々な医療費、療養費の負担がずっと続いていく。介護保険や障害者年金などの社会資源の活用はあるとしてもそれだけで賄えるわけがない。これまで夫婦それぞれの収入を合算して行ってきた家計を私の収入だけでやっていく。
そうとうに難しい状況になっていくのは間違いないだろう。きちんと数字を出すのはなにか怖くてできそうにないけれど、現時点で家を売却してローンを清算してもトントンもしくはマイナスか。今現在であれば若干の蓄えがあるけれど、食いつぶしていくことは間違いないだろう。そうなると早めに自宅を処分してもっと都心から遠いところで中古マンションでも探したほうが良いのではないかなどとも考えてしまう。今の場所に家を買ったのも妻の通勤のことを考えたからだったのだから。
妻がこういう状況になった以上、つねにスタンスとしては先をみて行動するというのが基本だとは思う。ぎりぎりの状態、もはや待ったなしでの二者択一もしくは選択の余地なしみたいなものを出きるだけ避けるようにとも思ってはきた。転院にしろ様々な申請についてもいつも早めに行動してきたつもりでもある。それでも現実がすぐに追いついてくる。家の売却も視野に入れておいたほうがいいのだろうな。