国際医療センターへ

 11時に医師とのアポをとっていたので、ちょっと早めにとも思い10時に医療センターに向かう。初めて新大久保の駅から歩いたけど、15分近くかかった。
 妻の発症から40日近くをここで過ごしたので、いろいろと感慨深いものがある。前庭の喫煙スペースでどのくらいの時間を過ごしたことか、などなど。
 早々に外来受付を済ませて待合室で呼ばれるのを待ったのだが、なかなか順番にならない。病院では待たされるのが基本だし、まして医療センターではアポ時間はあってもないようなものだから慣れてはいるのだが、今回もすごい時間を待たされた。
 診察室前には電光掲示板に待ち時間とかが表示されるのだが、予約診療11時(臨時診療)の表示の横に5分遅れの表示が出たのが11時半過ぎ。ここの遅れは6倍を目安にするということか。結局13分送れの表示が出た11時45分過ぎにやっと呼び出しのアナウンスがあった。
 主治医のO医師と面談。この先生は人当たり対応がソフト。それでいて的確な指摘もしてくれるし、とにかく信頼がおけるタイプ。この人と話していると、待たされてカリカリしたこっちの心情も解消される。やっぱり人柄って重要だとは思うな。
 国リハからの診療情報提供書と預かってきたCT写真を渡し、早期に形成手術を行いたいというこちらの意向を伝えたところ、状態が安定しているのであれば出来るだけ早くに入院の手配をしましょうとのことだった。時期としては二月三週(13日の週)に入院。手術は毎週、水曜、金曜に行うので早ければその週の金曜に手術。入院期間は二週間〜三週間とのことだった。形成手術で一番心配なのは感染症で、万が一細菌感染があると再度人口骨をはずすことになる。この場合、再形成手術を行えるのは半年くらい後になるという。確率的にはおよそ100人に一人くらいとのことだった。
 国リハのK医師からも、毎年一人くらい形成手術後の感染症で転院する患者がいるという話を聞いていたので、その話もこちらからした。そのうえで国リハの医師からは、頭の表層手術だから、それほどの心配はいらない旨のお話があったと説明すると、O医師は「内科の先生はそんな風におっしゃるけれど、外科医としてはやはり頭の手術なので細心の注意を払っておこないます」と笑いながら答えていた。
 これで二月中旬には医療センターへの転院、再手術という方向が決まった。またバタバタすることになるわけだな。医療センターに入院となるとまた職場を速攻で出て、子どもを迎えに行き、その足で病院に向かう。医療センターに着くのは8時頃。家に帰るのは10時過ぎという生活が始まるわけだ。正直しんどい。でも、まあこれが永遠に続くわけではないのだから、なんとか乗り切っていくしきゃないんだよな。
 医師との面談が終わり会計をすませて最後に入院予約を行ったところ、窓口担当者から入院日の連絡は前々日か前日の午後3時過ぎに行いますという。いくらなんでも前日の3時過ぎで翌日こいはないだろうとも思い、もう少し事前に連絡をいただけないかと食い下がったが、決まりですからの一点ばりだった。こちらにも今入院している病院での転院手続きとかもあるわけなのだからとも思うし、それ以前に入院する側だっていろいろと準備がある。私のように働いているものであれば、当然仕事を休まなくてはならない。前日の3時過ぎに連絡もらって、ハイ、明日休みますは普通なかなかないだろうとも思うわけだ。
 このへんが病院の常識と社会常識の極端なずれだと思うのだが、どうだろう。どこでも病院ってこんなものなのだろうか。それとも医療センターだけの特別な事情なのだろうか。ビジネスライクに考えれば、一週間前に入院日を通知してもらい、前日ないし前々日に最終確認の連絡くらいが普通だと思うのだが。とにかくユーザーフレンドリーじゃないと思う。
 ようはベッドの管理とかの問題だろうし、各患者ごとの医療スケジュールの管理の問題なんだろう。医師や看護師は医療で手一杯なわけなのだから、要は医療事務管理上の問題だと思うのだがどうだろう。医療は患者さんというユーザーがいて、医師や看護師という現場担当が医療サービスを施すわけだ。それを支える事務スタッフの機能が十分でないと、結局こういうユーザーフレンドリーじゃない対応がまかり通るということなんじゃないのかなとも思う。
 大病院の仕組みがどうなっているのか分からないけれど、利用することになるといろいろと不平不満たらたらになってしまう。まあ入院して医療を受けるという点ではきわめて弱い立場だから、小さな声でぶちぶち言うしきゃできないのだけれど。