日記について

 はてなブログはもともとはてなダイアリーとして始めた。

 2004年の11月だから、まもなく20年続けていることになる。

 それまで日記の類はというと、何度かチャレンジしたことはあるがたいてい三日坊主で終わる。学生時代に3年くらいに断片的に続けたことがあるが、それもいつのまにか霧散した。

 2004年頃というと、インタネーットが本格的に利用され、商用サービスがその一環でブログサービスも行い始めた。多くの人がブログを始めた。でも始めてみると、いったい何を書いていいのか、テーマも決まらず、なんとなく身辺雑記だったり、映画や読書の感想だったり、などなどだ。多分、たいていの人が途中でやめてしまったのでは。

 もちろん優秀な書き手は沢山いて、多くの読者、ページビューを獲得して収益をあげ、プロの書き手になった方も多数いるとは思う。でも一般人には実はそれほど書くような内容、コンテンツ的なものは持ち合わせていない。まあそういうものだ。

 自分はというと、ブログなどというだいそれたものをやろうなんて、最初から思っていなかったし、今でもそれは変わっていない。とりあえず身辺雑記、日常の記録をつけてみようとそんなつもりで始めたんだと思う。はてなダイアリーを選んだのも多分そういうことからだったのだと思う。

 とりあえず公開日記のようなものなら、敷居は低いのではということも思った。もっともそうした私的な文章をなにも公開で行うなどというのは露悪趣味ではないかと思ったこともある。まあそれはそのとおりだ。

 でもそのとき考えたのは、文章はとりあえず見られること、読まれることをある程度意識しないといけないのではないかと。まあそんなことだった。さらに、これは何度か書いてきたことではあるけど、その身辺雑記を書くのはある意味日常の記録ということだ。そのときにイメージしたのは無著成恭の『山びこ学校』や生活綴方運動みたいなことだった。

生活綴方運動

生活者としての子供や青年が、自分自身の生活や、そのなかで見たり、聞いたり、感じたり、考えたりしたことを、事実に即して具体的に自分自身のことばで文章に表現すること、またはそのようにして生み出された作品を「生活綴方」といい、こうした作品を生み出す前提における指導、文章表現の過程における指導、作品を集団のなかで検討していく過程での指導、これらをまとめて「生活綴方の仕事」「生活綴方教育」あるいは単に「生活綴方」とよんでいる。この生活綴方の仕事を発展させ、その普及を図ろうとする民間の教育運動が「生活綴方運動」である。ただし、それについてはさまざまな考え方があり、まだ、一致をみるに至っていない。[大槻和夫]

生活綴方運動(せいかつつづりかたうんどう)とは? 意味や使い方 - コトバンク

 自分自身の生活、周囲のことをリアルに綴ることによって社会認識が深まる。多分そういうイメージだった。

 とはいえはてなダイアリーも試行錯誤というか、何を書いていいのか判らないまま、どちらかといえば映画や読書の感想がメインだったようなことだったと思う。それが一変したのは2005年に妻が病気で倒れ身障者になったことだった。その頃はとにかく日々の生活、妻の闘病、リハビリ、そして自分自身は看病や看護、さらに子育てなどに追われる日々だった。もちろん並行して仕事もある。それらをとにかく記録しておこうと思った。たぶんあとからの検証したり、役に立つことがあるのではないかと。

 2005年からの数年間はほとんどそうした記録が綴られていた。実際、後になって読み返すこともあるし、役に立つこともあった。

 妻の障害もほぼほぼ固定されていくにつれ、ある意味では普通の日常を取り戻した。そこからは家族三人での生活、たとえ障害があっても普通の生活を送れるようにと、年に何度も家族旅行をするようになった。妻が元気な頃は、共稼ぎでお互い忙しかったこともあり、ほとんど旅行などしなかったのに。

 生活綴り方の内容は、旅行、映画鑑賞、子育て、などがメインになっていった。2015年くらいからは美術館巡りがちょっとした趣味となり、そのことを書く機会も増えた。

 2018年、はてなダイアリーのサービスが翌年の2019年で終了することが発表された。そのタイミングではてなブログにデータ移行し、それから5年続けている。多分、なんとなくというか、今までどおりだらだらと続けていくのではないかとは思っている。

 しかし今書いているのは、日記とはちょっと違うような気がしている。身辺雑記といっても、ほぼほぼ美術館巡りの感想文だ。それも更新の頻度も遅い。美術館に行ってもそのことをまとめるのに一週間近く経っていることも多い。

 2020年に仕事をリタイアしている。暇といえば暇なんだろうが、家事と通信教育をこなすのでけっこうヒーヒーいっている。生活の記録という意味で、気軽にパソコンの前に座ってはてなブログを書くという時間もなかなかない。

 

 そんなことを思っていて、もう少し気軽に文章を簡単に書くツールはないかと思っていた。家でのデスクトップPC、外ではスマホやノートPCなどで書くことができる。メモアプリが一番いいのだろうと思ったりもしている。

 実際、通信教育の学習ではSimple noteを使っている。あれは軽快だし同期も簡単だ。美術館などで解説キャプションをスマホでテキストとして取り込み、メモアプリに貼り付ける。それをSimple noteにコピーする。それだけでスマホでもパソコンでも見たり編集もできる。でもSimple noteはテキストだけで、画像などを貼り付けることができない。

 実際、学習で使うノートではSimple noteですばやくメモを取る。ビデオ授業でもそうだし、テキストがノートをとるのもそうだ。その後で、メモ内容をOnenoteでまとめる。こっちは画像やリンクも簡単に貼り付けることができる。イメージとしてはメモからノートをまとめる、清書するみたいな感じだろうか。

 学習においてはだいたいそういうパターンでSimple noteとOnenoteを併用している。そういうメモアプリ系で日記をつけることはできないだろうか。

 

 そこで試しにGoogle Keepを使ってみることにした。このメモアプリも軽快で複数のパソコンやスマホタブレットでの同期が簡単にできる。画像の貼り付けも簡単だ。

 タイトルを日付と曜日。3月11日なら「20240311 mon」と入力する。たいていスマホで書くのだが、それこそ何時に起きてゴミだしして、妻のインシュリンをうってとか、そういう日常の記録だ。美術館巡りの記録、テレビや映画を観た感想なども。

 ついでにラベルで「日記」と年月の二つを付している。今ならラベルは「202403」だ。そうすれば他のメモとは別に出来るとまあそんなイメージだ。

 本当をいうとキーワードでの検索とかそういう機能があればいいと思ったりもする。はてなブログはキーワード検索で昔の記録もとることができる。2020年にアメリカ旅行に行ったとき、車を成田でどこに止めるかとなった。その前にアメリカへ行ったのは2009年のことだが、「成田 駐車場」で検索すると、きちんと記録が残っていた。ターミナルに一番近い駐車場に事前予約を入れて、身障者割引も使えたことなどもわかった。

 Google keepにもそうした検索機能があるといいのだが、それはちょっと難しいようだ。とはいえあまり見返すとかそういうことではなく、日々の記録、本当にただの記録としてやってみようかと思っている。まあ仕事をしているときに手帳につけていた行動記録みたいなものの延長だ。スケジュール管理もずっとシステム手帳で行っていたけど、仕事を辞める数年前から手帳とGoogleカレンダーを併用するようになった。なんならGoogleカレンダーがメインみたいな感じだったか。

 今の最先端の仕事の現場がどうなっているか判らないけれど、多分かってのアナログに頼っていたものは相当部分IT機器にとって代わられているのかもしれない。たぶんGoogleカレンダーGoogle keepやOnenoteあたりがあれば、それでスケジュール管理や行動記録は全部OKのような気がする。ちょっとした思いつきのようなものはSimple noteを併用とか。

 ということで、2月の半ばからGoogle keepを使って日記をつけている。三日坊主にはならなかった。まもなく一か月経過する。まあどこまで続くかどうか。