新しい装具が出来た

 妻の新しい装具が出来た。

 行程は最初に型取りを初めてから3週間とちょっと。

 今回作ってもらった業者は埼玉県内、東武東上線沿線にあるところ。この業者は妻が定期的に通院している病院に出入りしていて以前一度作っている。業者の記録だと平成26年、2014年のことらしい。その装具は1年とちょっとで、妻がベッドから落ちたときにたまたま下にあって破損。それきりになっていた。

 身障者が装具を作るときに公費補助を受ける場合は、確か身障者手帳を使う場合と健康保険による場合の二種類がある。それ以外は全額実費となる。健康保険で作る場合は、医師の証明書(診断書・意見書)と業者で発行する領収書と補装具内訳書をもって保険の窓口(妻の場合は市町村の国保係)へ提出。そうすると7割が戻るということらしい。そうなるとかかっている病院なりに出入りする業者で作るしかないということになる。

 今、常時使っている装具は足首が可動式のものが二つ。固定式のものが二つだ。可動式のものは2017年と2018年に作った。固定式のものはおそらく10年以上、多分妻が退院した頃だから17年くらい前かもしれない。いずれも練馬にある業者で、ここは妻が入院していた国リハに出入りしていた。おそらく固定式のものは健康保険か手帳で作ったのだと思うが、記憶は定かではない。

 この業者の装具は作りも良く、妻も気に入っているのだが、ここで作るとなると医師の診断書などの手順がかなり煩雑になるので、結局実費になる。5~6年前に作った可動式のものも実費扱いで6~7万くらいしたのではないかと。

 今回は、可動式のものと固定式のものの二つを作ることにした。いつも使っている可動式も5~6年経ち、固定式はとんでもなく昔に作ったものだ。妻にとっては立位動作を保ったり、短い距離を歩くために装具は必需品だし、なくては生活がなりたたない。

 以前にも書いたように思うが、装具は複数を交互に使えばけっこう長く使える。しかし業者に言わせると、耐用年数はだいたい1年半から2年というところだ。なので以前作ってから5~6年はちょっと間が空き過ぎでもあった。

 

 装具を可動式、固定式を一つずつ作るとなると、年金生活の老人世帯ではかなりの物入りとなる。なので今回は一つは健康保険適用、一つは実費でということにした。となると病院出入りの業者を選ばざるを得ない。

 

 業者は毎週、火曜日に病院に来る。なので最初にまず通常の通院時に医師に装具を作りたい旨を告げて、診断書を書いてもらう。それから装具業者の来る日に予約を取る。最初に型合わせをしたのが7月4日。それから一週間で、おおまかな装具が出来てくるので、再び病院で仮合わせを行う。これが7月11日。そして18日に納品で引き取ることになったのだが、いざつけてみるとリハビリ靴が履けない。通気用の穴があいていない。

 結局、その日は再調整をしてもらうことにした。ついでに業者には家に寄ってもらって、予備の装具とリハビリ靴を渡した。多分、あった方がいいだろうということでこちらから提案したのだが、最初からそうしていればもっとすんなりいったかもしれない。

 

 そして今日、納品ということで業者には自宅に来てもらった。その場で、可動式、固定式それぞれ実際に履いてみて、妻からOKが出て終了。代金を支払い、補装具内訳書と領収書をもらった。後日これは役所に提出することになる。

 

 今回の装具作製では都合4回業者と対応した。練馬での業者で以前作ったときはたしか二週間で全行程が終わったはずだ。まあ何度も作っているので手馴れているということもあるのだろう。次作るのは自費でもこっちにするかもしれない。でも、今回作ってもらった業者も付き合っていくことになるのだろうとは思う。

 

 妻が片麻痺になったのは2005年のことだ。もう18年近くになる。突然脳梗塞に襲われた。何の兆候もなく、特に成人病的な病気を患ってもいなかった。入院した病院でも調べたし、その後も大きな大学病院で原因は何度も調べてもらったが不明だった。当時、44歳と若く、よく「まだ若いのに」と言われることも多かった。そんな彼女ももう還暦を過ぎた。

 幸いなことに、懸命なリハビリもあり、重い障害があるとはいえ、当初は「良くて車椅子、寝たきりの状態が続く場合もある」と医師から告げられていたのだが、装具をしていれば家の中でのつたい歩きや短い歩行もできるようになった。

 障害は固定されているとはいえ、これから老化により身体機能の低下も考えなくていけなくなる。出来ればあと10年くらいは今の状態でいて欲しいとは、一緒に暮らす自分の密かな希望でもある。

 

 これからも多分装具は定期的に作っていくことになるのだろう。