2022年にビートルズについて思うこと

 旅行から帰ってきて溜まった三日分の新聞を読んでいる。

 朝日新聞の24日夕刊の2面、3面にビートルズにまつわる記事が載っていた。デジタル版ではいかのようになっている。

革新的、ビートルズの到達点 「リボルバー」新版 プロデューサー、ジャイルズ・マーティンに聞く:朝日新聞デジタル (閲覧:2022年11月27日)

 そうか「リボルバー」のリミックス版が再発売されたというのはなんとなく情報として流れてきていた。そしてこの間、ビートルズのリミックスされた新版はいくつか再発売されている。解散して50年以上たったグループのアルバム、音源がまだ商売になるというのも驚きではあるけれど、まだしばらくこういうのが続くのかもしれない。

 そしてこのリミックスを手掛けているプロデューサーが、もともとのビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティンだという。ジャイズルはたしかビートルズの最初のリミックス・アルバム「ラブ」を父親ジョージと一緒に手掛けたのだったか。自分もそのとき彼の存在を知った。

LOVE (ビートルズのアルバム) - Wikipedia (閲覧:2022年11月27日)

ジャイルズ・マーティン - Wikipedia (閲覧:2022年11月27日)

 そんなジャイルズもすでに53歳である。なんかその事実にちょっとした戸惑いを覚えつつも感慨深くもある。ビートルズと一緒に仕事をしたプロデューサーでありビートルズの兄貴分でもあったジョージ・マーティンの息子がすでに53歳になっており、ビートルズサウンドを同時代に蘇らせるような仕事をしているということ。

 

 同じ紙面の2面にジョン・レノンの長男、ジュリアン・レノンが新譜を出したという記事がある。

父への葛藤、超えて ジュリアン・レノン:朝日新聞デジタル 

(閲覧:2022年11月27日)

 自分と母親シンディを捨てて日本人女性の元に走った父親ジョンに対する葛藤。それを越えて父親への思い新たにしたという。

昨年、ビートルズの解散間際を描いた映画「ゲット・バック」を観て「もう一度父を好きになった。彼がどんな父親だったかを思い出させてくれた。楽しくて、愉快で、頭がよくて、生意気で、皮肉屋で・・・・・・。でももの凄い才能がある人。彼がいなくなる前の良かった思い出を蘇らせてくれた」と語る。

 今年の春にはウクライナ支援のため、初めてジョン「イマジン」を公の場で歌ったという。そして9月にはバラードを中心にした新しアルバム「JUDE」を出した。両親の離婚を心配してポール・マッカートニーがジュリアンを励ますために作った名曲「Hey Jude」の「JUDE」だ。


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 そのジュリアン・レノンも来年で60歳になるという。「父親への葛藤や比較される苦悩を振り去った」という。いささか遅すぎるような気もしないでもないが、42年前に凶弾に倒れ伝説と化した偉大なスーパー・スターを父にもち、同じアーティストの道を選んだ子としてはある意味必然かもしれない。何をしても比較される人生である。

 しかしあのジュリアンが来年には還暦となるという事実。彼が1984年に「トゥー・レイト・フォー・グッドバイ」で音楽シーンに出現したときには、世界中のビートルズファンがなんとも複雑な気持ちで、まるで自分の甥っ子かなにか身内のデビューを見守るような気持ちだったのではないか。少なくと自分はそんな感じがした。

 2022年という年は、例えばジョンが生きていれば82になるという。存命のポール・マッカートニーは80歳、リンゴ・スターは82歳に、そしてヨーコ・オノは89歳。「リボルバー」リミックスさせたジャイルズ・マーティンは53歳になり、ジョンの息子のジュリアン・レノンは来年還暦を迎える。自らの年齢とともに、我々はそういう時代に生きていることを実感させられる。