泌尿器科通院とか

 ほぼ一月ぶりの泌尿器科の通院。特に問題なしの定期的な通院。まあこちらも今のところ夜中に尿意で何度も目を覚ますといったこともないし、頻尿といった症状も出ていない。ただし前立腺は肥大したままなので、薬物治療はないのかと聞いてみると、医師は「いい質問だ」という。そのうえで以前までよく用いられていた肥大した前立腺を小さくさせる薬には血栓ができる副作用があるので、今は処方されていないという説明をいただいた。結局は打つ手なしというところか。まあこれ以上肥大しないよう抑止していくしかないということのようで、いつもの薬を処方してもらう。ちなみにこの薬にも調べていくとある種の副作用があり、射精障害があるのだとか。まあ還暦過ぎたくたびれたジイさんなので、そのへんのことは多分スルーなんだと思う。実際、意味ないし。

 待合室で今日は嫌な光景をみた。だいたいにおいて泌尿器科に通院する高齢者はほとんどが診察の前に尿の検査を行う。なので出来るだけ尿を溜めてきてくれと言われる。実際、自分も毎回そうしている。今日、受付で老人が立ったまま、窓口の女性と話しているうちに尿をもらしてしまった。「困ったよ、漏らしちゃったよ」とつぶやくように話す。みるみるうちに足元が濡れていく。窓口のの女性は「ちょっと待ってくださいね」という。しばらくするうちに看護師らしき女性が着て、「あっ、我慢できなかったの。ちょっと待っててね」といってまたどこかへ行ってしまう。

 老人はそのまま立ったまま待ち続ける。普通のスラックスにジャンパーを着ている。70代半ばくらいに見えるが実際のところはよくわからない。漏らした後自分で対処できないで立ちすくしているところをみると、少し認知とかも入っているのかもしれない。それからちょっとして看護師が戻ってきて老人を処置室に連れて行った。そのすぐ後に清掃の女性がやってきて、濡れた床を何度も拭いてから消毒を行っていた。これはもう機械的でてきぱきとした感じ。

 出来ればもう少し早くに老人を処置室かトイレにでも連れて行ってあげても良かったのではないかと思う。窓口の前には順番を待つ患者がたくさんいる。その前で尿を漏らした状態で立っている。認知が入っているとしてもそれなりに羞恥心もあるだろうと思う。そんな老人が少し不憫になったが、その場で自分が何かしてあげられることはないのだろうとは思う。「もっと早くに対応してあげなさい」と声を上げるとか、「おじいさん、大丈夫」と声をかけるとか。

 そこは医院内であり、当然専門家の処置にまかせるべきと理性的に考える部分もある。でも一方では関わりになりたくないという意識もある。そのお年寄りが不憫だとは思うが、見て見ぬふりをする。そうせざるを得ないような部分。

 泌尿器科医院にあっては、多分割と多い出来事なのかもしれない。なので対応もある種機械的なのかもしれない。でも、出来ればこういうのは出来るだけ早めに処置して本人を退避させてあげて欲しいとは思った。

 なにか大昔、小学校のクラスで尿を漏らした子のこととかを思い出してしまった。だいたい毎年、一人くらいそういう子がいて、真っ赤な顔をして泣きべそをかいて座っていた。椅子の足元には水賜りができて、周囲の子どももさすがに囃し立てるでもなくザワザワとしている。それから教師がその子を立たせてトイレに連れて行く。残った子の何人かがモップとかでふき取りの作業をさせられる。

 あのなんともいたたまれない光景。

 多分、老健施設とか、カミさんが行っているデイケアやデイサービスでは、そういうのって日常茶飯事なのかもしれない。でも自分がふだんいる世間にあっては、どうしても非日常的な光景となってしまう。

 医院を後にしてからは、またパチンコ店に寄った。なんか泌尿器科通院の後には必ずパチンコに行くみたいになっている。で、結果はというと30分ちょっとで9000円くらい買った。通院の後のパチンコはここのところでいうと、3勝1敗くらいになるだろうか。