妻の通院につきあう2

 子どもが友だちと二泊三日で旅行に行くという。そのドタバタで起こされる。健保の宿をとって箱根に行くのだとか。卒業までのほとんど最後のモラトリアムを名残惜しんでいるようなというところか。

 前日、婦人科に行った妻に様子を聞いてみると、痛みがひどいという。それで二ヶ月に一度、神経内科に通院している総合病院に行くことにする。ここは予約がないとかなり待たされるので、とにかく痛みがひどい、救急車を呼ぼうかと思ったが自前で車で連れてきたということにした。実際、痛みはかなりシンドイのだというから、あながち嘘でもなんでもない。

 受付で痛みがひどいこと、前日別の婦人科を受診していることなどを説明してしばらく待ってから医師の診察を受ける。腰の痛み、足の痺れ、歩行が辛いことなどを説明。医師はレントゲンとCTの検査をということになる。

 レントゲンは腰と背骨の部分を、 CTは頭ということらしい。レントゲンを撮るときに検査着に着替えるのだが、これが一苦労。妻を椅子に座らせてから上着を脱がせ、ズボンを脱がせ検査着を着せる。こういったことも障害をもつ妻の場合は、いろいろと手順を踏まなくてはならず意外と時間がかかる。まあ10数年介助しているので慣れているといえば慣れているのだけど。

 検査の後はまたしばらくの間待つ。病院というのは、とにかく待たされるところというのを実感する。

 しばらくしてからようやく呼ばれて医師の説明を受ける。ここまでで着いてから1時間半くらいかかっているだろうか。まず足の痺れということで脳の障害が疑われていたようで、脳のCTできっちり調べたようだ。

 もともと右側頭部と前頭葉にかけてかなり大き梗塞巣があり、そのため左側の上肢下肢機能全廃というのが妻の障害である。今回は右足に痺れがあるので、脳の左側を疑われたようなだが、脳の左側頭部にはまったく問題はないという。

 レントゲンを撮った腰骨、背骨についても特に異常はなく、一番可能性を疑われた脊柱管狭窄症も特に問題となることはないという。なので、とりあえずのところは様子見、経過観察ということになる。そして痛みが治らない場合には、整形外科あるいは神経内科の方で精密検査を受けるかどうかということだった。

 そしてこの病院でも痛み止めとしてロキソプロフェンを処方される。しかし癌や脳の障害のような深刻な病気ではないということは一安心なんだが、痛みが続いていて、原因が判らないということも憂鬱にさせる。まあこちらは憂鬱ですむが、妻にとっては痛みという即物的な問題があるのだ。次はどこに診てもらいに行ったらいいのか。