初めてのMRI

今日初めてMRIをとった。
ここ何ヶ月かずっと手足、いや手のしびれが断続的に続いている。手指先端や小指から手首にかけて鈍いしびれが続いている。手のひらを広げたり握ったりして、明らかな運動マヒとかはないのだが気になることには気になる。
妻が若くして脳梗塞になったこともある、家族に脳や神経系の病気がというと、父親が20数年前に脳卒中で亡くなっている。手のしびれは脳神経系の病気を疑うというのもけっこう定説なりつつある。しかもけっこうやばいという話だ。脳梗塞の典型的な自覚症状みたいなこともある。
出来ればどこかで脳の検査を受けておいたほうがいいかなとも思ってはいた。でも脳ドックとなると半日、もしくは一日で軽く片手はかかるという話だ。5万となると少々ためらう部分もある。いくら健康のためとはいってもやはりひく。この手のしびれは実際症状があるので良い機会かなとも思った。
以前妻が頭痛をよく訴えるためふじみ野にある脳神経外科に一度だけ行ったことがある。個人医院なのだがCTだけでなくMRIも設備しているところだ。病院とかでもMRIを持っていないところがざらにあるのに、すごいとは思う。たぶんに相当な借金して設備投資したんだろうなどと勝手に想像していた。でも設備が整った脳神経外科なので、けっこう繁盛している。完全予約制で、アポなしでいくとだいたい2時間くらい待たされる。
今回も妻と二人で予約なしで9時少し前に行ったのだが、診察は早くとも11時過ぎだという。まあ仕方がないかと思い10時まで待ってから、私は床屋へ行き、妻は久々リズムに買い物で時間をつぶさせた。11時少し過ぎに医院に戻って少し待ち、診察を受けたのは11時半頃だったか。妻は頭痛と以前からずっと主張している人口頭蓋がへこんでいること、それの圧迫感で頭痛を感じるのではないかというのが妻の意見なのだが、医者は人口頭蓋については手術した国際医療センターに相談してもらたいというだけ。頭痛についてはしばらく通院して投薬治療をということだった。
そして私は手のしびれを訴え、妻が脳梗塞をしていること、父親が脳卒中で亡くなっていることから、脳の疾患が気になる旨を訴えた。医師は手のしびれはもちろん脳の疾患も疑わなくてはならないが、たいていは頚椎からくるという。いちおう検査のため脳のMRIと頚椎のレントゲンをとるということになった。ただし一番早くても当日の6時過ぎになる。もしくは後日予約をとってという。一瞬考えたが、「今日お願いします」と答えた。
その日は半休をとっていたので昼から出社だ。なんとか定時で仕事を終えれば5分で家に帰り、車で高速使ってぎりぎり6時にふじみ野にこれるかと瞬時に計算する。
会社では今日はMRIをとるから速攻帰ると部下や上司に話した。元気な自分の顔見るのは今日が最後になるかもと軽口を言ってはいた。上司や年長の人は、しびれはたぶん頸でしょうと言う。同じような症状をもつ人が意外と多い。やっぱり年なんだろうね、こういうのは。
帰りがけに少しバタバタしたがそれでも5時半には家に帰った。すぐに出ようと思ったが、夕食の支度もできないし家族で外食になるだろうから、妻と娘も連れていくことにした。高速はけっこうスムーズだったが、下道に出てからちょうど帰宅ラッシュにぶつかったようで6時を少し回った頃に医院に着いた。
初めてのMRIはというと、別になんということもなかった。ヘッドフォンをつけて、そこからはBGMが流れるのだが、それでも「ブォン、ウォン」という音が周囲から盛大に聞こえてきた。まあ多少煩いCTみたいな感じか。ただ時間は思った以上に長く感じられた。ここのところ風邪気味で咳き込むことが多いのだで心配してたのだが、案の定MRIの途中でも咳き込み、技師の方から「我慢して、動かない」と声をかけられた。
MRIと頚椎のレントゲンが終了してすぐに医師の診断となったのだが、とりあえず脳梗塞の痕跡だの兆候だのはなく、また頚椎も特に損傷はないということで、手のしびれに関してはとくに心配はなしでビタミン剤を処方してもらった。これで一安心と思いきや、医師から実はと切り出されて、視神経の奥の部位くらいの内頚動脈にぽつんとしこりのようなものがあるという。まだ血管が伸びているのか、動脈瘤なのかわからない。大きさは1mmくらいだという。もし動脈瘤だとしても1mm程度では特に影響はないという。でも5mmくらいになるとけっこう心配だと。
ちょっと心配になりつつ、「今のところは大丈夫なんですね」と確認をとった。医師は3ヶ月くらいしたらまた診てみましょうという。経過観察というやつ。早い話、動脈瘤の萌芽、あるいは卵みたいなものがあるということでしょう。あちゃ〜、まいったという感じだ。頭の中に軽い時限爆弾を仕組まれてしまったようなものなんだろうな、これって。これが5年後か、あるいは10年後か、もっとずっと先にか、ようはいつか爆発してゲームセットっていうことになるのか。ここで血管詰まって脳梗塞になるか、ここで血管が破裂して脳出血して・・・・・・。1mmのままでなくなってしまうか、大きく成長するか。大きく成長しても何事もなくいられるかもしれない。ようはいつもの人生における蓋然性というやつなんだろうな。
でもなんとなく自分の人生の結末が見えてきたようにも思う。私もたぶん父親と同じように脳疾患でいきなりの死がやってくる、まあそういう人生の終わり方をするのだろうなということだ。出来れば今とか、これから10年くらいはなんとか生きていたいとは思う。せめて子どもの就学年齢が過ぎてからにとか、希望的観測としては思うよ。今自分がどうにかなると、けっこう「わや」なことになりそうだしな。妻と子どもには家とわずかでも小金残せたらとは思う。後は生命保険とかそのくらいか。妻は年金もあるし、子どもが自立すればなんとかなるんじゃないのとか、まあいろいろなことが短時間に頭の中に巡ってくる。
今回のMRI、結果としてはやって良かったとは思う。少なくとも致命的な宣告もなかったし。まあ気をつけていくようにと、そういうことでしょうから。40過ぎて、ローンだの家族の生活だの、仕事の責任とかいろいろ抱えているお父さん、お母さんたちは、早めに一度やっておいたほうがいいと思うよ。1年おきに胃カメラ、肺のCT。3年に一度はMRIみたいな感じかな。こういうのも人生における保険の一つのような気もするかな。
脳動脈瘤 - Wikipedia
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核磁気共鳴画像法 - Wikipedia