障害状態及び生計維持確認届け

 年金機構より「障害状態及び生計維持確認届け」が送られて来ていたので、カミさんの通院の際に医師に見せると別にリハビリ室で理学療法士から身体動作の確認をするように言われ、本日予約をとった。この届書は2年に1回の届出が義務付けられている。だいたいETCの割引の更新と同じなので、いつもああまたかという感じである。
 それまでは医師のチェックで済んでいたが、前回から別に予約をとって理学療法士のチェックを受けることになっている。もともと所沢の国リハで入院、急性期リハビリを受けていたから、理学療法士作業療法士に関してはいいイメージを持ってはいる。本当に熱心にカミさんのリハビリをやっていただいた記憶がある。
 とはいえ理学療法士作業療法士もピンキリである。今行っている関越病院のそれは質が少し微妙だったりして、正直若干の不信感を持っている。今回もまず、担当する男の理学療法士から、家族は検査の間、待合室で待機するように指示された。そこで前回は立ち会えたこと、なぜ立ち会えないかの理由を尋ねると、他の患者さんとの兼ね合いやプライバシーの問題からで、立ち会えなくなったのは昨年からだという。
 病院側は流れ作業的にやろうとしてたのだろう、他の患者さんのリハビリをやっている横でカミさんの検査を行おうとしたのだろう。そこで家族が立ち会うと、確かに隣でリハビリをしている患者さんからクレームとか出る恐れもあるのだろう。とはいえカミさんの検査にはこれまですべて立ち会っているので、そう簡単に引き下がれない。リハビリ室の責任者の方とも話をして、少し時間をずらして立ち会えるようにしてもらった。
 これだけだと、なんか不当に文句をつけているクレーマーっぽかったのだが、結果としては立ち会ってよかったと思っている。検査は障害で機能を失っている左上肢、右上肢の可動域から、機能のある右までかなり時間をかけるため、1時間以上かかった。
 最後に記入の終わった生計維持確認届けを渡され会計に向かう際に、一応チェックをしていたところ、室内歩行欄が歩くことができるに丸がされている。確かに検査の際に4点杖をついて短い距離を歩くことはできた。しかしそれは装具をつけているから出来るのである。いつも検査の際には以前の生計維持確認届けのコピーも持参しているので、それと比較するとこれまでの届けの室内歩行欄はすべてバツ担っている。それでリハビリ室に戻って担当した理学療法士にこの歩行欄の丸はおかしいのではと質問すると、あっさり「そうですね。この室内歩行は装具なしでの歩行ですから、これは間違いですね」と言って訂正した。内心、「おいおい、ふざけるなよ。こういういい加減なところがあるから立会わざるを得ないんだろう」という思いがこみ上げたが、声に出すのはグッと堪えた。
 しかしこれに気づかずにそのまま年金機構に届ければ、多分障害年金の等級を下げられてもおかしくないのである。今の年金機構、厚労省のやり方は、障害年金でも介護保険でも、すぐに等級を下げる方向で動いている。もしこれで等級が下がれば、関越病院のリハビリ室はそれに対しての責任を取れるのだろうかも思った。
 妻の障害についてはもう何度も書いてきているけど、右側頭部及び前頭葉に及ぶ大きな脳梗塞で、当初はよくて車椅子、多分寝たきりのままと言われた。最初に入院した病院から国リハに転院する際に、最初に訪れた時に国リハの医師は、「こんなに大きな梗塞巣ではまだ動かせないだろう、転院は早すぎるんじゃないか」と言った。それでも受け入れてもらい、最初に3ヶ月、一度前の病院で人口頭蓋骨の埋め込み手術を行い、また国リハに戻ってさらに3ヶ月、最終的には片麻痺、左上肢、左下肢機能全廃、高次脳機能障害による注意障害、とどめに心理療法士からは小学4年生程度の知能とまでいわれ途方にくれながら自宅に連れて帰った記憶もある。 
 それでも倒れた当初は本当に生死に関わる状態だったし、よくて車椅子といわれていたのに、なんとか短い距離であれば、装具をつけて自力で移動出来るようになったのである。障害者年金は国リハの医師から1級相当の障害といわれ、実際その通りに認定された。妻はそれまでずっと仕事を続けてきたのだから、障害者年金の受給は当然のことだと思っている。それを考えると出来の悪い療法士のいい加減な検査や記入ミスでどうにかなったら、それはそれで相当に問題なんじゃないかという思いもある。
 高齢化社会でどの病院のリハビリ室もけっこう混んでいるから、つい流れ作業的になってしまうのだろうが、医学行為を行っていること、各種検査、診断書、届書の記入は正確にお願いしたいと思うところだ。実際、今回の生計維持確認届けを書いてもらうだけで1万円も払うことになっているのだから。