介護保険担当者会議

 妻の介護保険の担当者会議で妻が通っているデイケアまで行く。
 もう妻の担当者会議は何回目だろう。とにかく障害者となってからもう10年を経過しているし、介護保険を利用するようになったのは退院して自宅に戻ってからだから9年くらいは経っている勘定になる。もう特になにかをケアマネ、施設、ヘルパー等になにか言うようなこともない。妻の障害は前頭葉、側頭葉にかかる大きな梗塞巣のある脳梗塞からくる方麻痺である。医師の診断は左上肢、左下肢機能全廃。しかも改善される余地はないというもの。それを受け止めるのに本人もまた家族も長い時間が必要だったと思う。そのうえでの10年である。
 障害者となった妻が受けることができる社会資源としての福祉サービスは介護保険だった。45歳で障害者となったというのに、受けることができるのは介護保険なのである。それでも週中の入浴や、機能維持や足の拘縮を防ぐためのリハビリのためデイケアを利用するようになったのだが、利用する施設は妻よりも20〜30も上の老人ばかりである。そういう中で通所し始めたのも介護保険によるサービス以外に利用すべきものがなかったからである。
 今回の担当者会議ではケアマネが新しくなってから初めてだったので(去年変わった)、改めてこちらの立場とか考え方とかを話した。例えば介護保険調査で介護度を下げられた場合。妻は最初に認定された介護度は4だったが、それからしばらくして3に下げれらた。数年はそのまま3が続いたが、ある時介護度は4に下がった。介護保険の利用が増加し、認定調査が厳しくなったといわれた頃である。そこでケアマネを通じて再認定を申請し、3に戻してもらった。それからというもの何回かに1度は介護度が下がる。再認定を申請して戻してもらうを繰り返している。
 ケアマネによっては介護度が3でも2でも、今利用しているサービスは受けられるからと言う人もいたのだが、そのときはこちらの立場をきちんと話した。ようは医師から治らない、改善の余地なしと診断された障害なのである。それを国の都合で介護度を下げられるのは納得できない。きちんと症状が改善されれば、介護度を下げられるようが納得できる。いや治りさえすれば介護保険などこちからか願い下げしたいくらいなのである。でも固定された障害を背負っていかなくてはならない。なので介護度を障害の状態を見ずに下げられるのは納得できないということだ。
 今回も同じようなことを最初に説明した。後は特段受けているサービスについての要望もなしである。いや、利用しているデイケア、デイサービス、ヘルパーみんなよくやっていただいている。恐縮するばかりでもあるのだから。
 しかし介護保険の担当者会議、昨年の暮れに兄のそれにつきあったばかりだ。多くの同年代の者に父母の介護問題が付きまとう頃、自分はずっと妻、兄の介護問題で悪戦苦闘している。