介護保険認定調査

8月に区分変更したばかりだというのにまたまた介護認定の調査である。調査担当の役所の職員によると、区分変更を行った場合は半年で再認定になるのだという。前回の再認定調査時の担当者による面談調査。ほとんど同じ質問内容である。
半年で状態が良くなる?悪くなる?市の正規職員がわざわざ土曜日に訪問してきて、形式的な調査を行う。なんとなく無駄なような気もしないでもない。そうまでもして介護度を下げさせたいのだろうかと、行政の福祉サービス切捨てへの暗い情熱みたいなものをつい邪推してしまいたくもなってしまう。
介護保険運用を全面的に押し付ける国の行政。自治体は財政難のなかで当然、サービスを、利用を制限する施策を行わざるを得ない。そのために敷居を出来るだけ高くしていく。介護度は出来るだけ低く認定する。介護度の高い人には何度も調査を行い、少しでも介護度を下げるための手がかりでも見つけようとするみたいな感じか。
年に3度も調査を受けると、もう対応としても通り一辺倒になるし、なんとなく行政に対してネガティブな見方、ひねくれた考えをしたくもなってくる。
最後に皮肉でもなんでもなく、ここのところ思っていることを一応相手に話しておく。
妻はもともと仕事をしていた人だ。それが病気のために仕事をすることができなくなった。病院でリハビリをしているときに、退院してからの目標を立てるようにいわれたときに、仕事での社会復帰ができなくなった以上、せめて家庭での仕事、家事等を通じて自立できればということを思った。いわば主婦としてできる範囲での仕事をし、家族のために何かをすることを生甲斐にできればと思った。
片麻痺高次脳機能障害をもった女性が主婦として自立していくために福祉サービスを受けたいと思い、自治体に相談すると、年代、病状から、介護保険でのサービスを受けるようにいわれた。それでそのサービスをいざ受ける段になると、主婦として家事労働を行ううえでの自立支援を受けることは介護保険では難しいという。その理由は同居家族がいるからだという。それでは介護保険以外での自立支援のためのサービスを受けることはできないか問い合わせても、国の方針であくまで介護保険のサービスを受けていただくという。
そんなことで、介護保険を受けるうえでの袋小路的ジレンマをいつも感じている。そのようなことを最後に少しだけ話してみた。きちんと相手に伝わったかどうかはわからない。きて頂いた調査員の方はとても誠実で真摯な方だという印象を持っているから、攻めたてたり、非難めいたことを申し上げているわけでもないのだが、せめてこちらの思いを伝えたいと思っただけだ。