暑気払いと自社年表

決算で多少の利益も出たので会社主催の暑気払いを行う。きちんとした会場を借りてである。それに会わせて簡単な会社年表をここ数日で仕上げた。年表作りってけっこう楽しいなとも思った。もちろん仕事からの逃避ではないのだが。
年表作りとなると自社の歴史、業界の歴史、社会・国・世界史レベルの歴史を事象別に並列する。こうした並列表記による年表はおそらく岩波の近代日本総合年表が始めたものではないかと思っている。あれは確かに見開き二ページを使って6つの列を設けて、それぞれ政治、経済・産業・技術、社会、学術・教育・思想、芸術、国外となっている。自分の持っているのは第二版3刷で1986年2月となっているが、この年表の編集が正直凄いと思う。
編集者をあえて列挙すると、勝本清一郎、西田長寿、江口朴郎、八杉竜一、山本二郎、遠山茂樹丸山真男隅谷三喜男、安藤良雄、星野芳郎、藤原彰今井清一、内川芳美、山住正己、植手通有、山極晃、三和良一、粟屋憲太郎。当時の岩波文化人、あるいは第一級の学者、文化人を集めたものだとわかる。
初版は1968年、おそらく岩波文化がフロントランナーとして機能していた最後の時期だったのかもしれない、などとも思う。かの出版社はこのあたりからローリングストーンのごとく転げていくのではないかとも。まあ売上的にはもっといい時代もその後にあったかもしれないが、文化を牽引した最後あたりだったかもしれない。
まあいい、話は脱線である。年表の話だ。今日、自分史作りとかの基本として自分史年表を作るということはここ何十年も続いている。かってはブームとして喧伝されたこともあるが、今は多分普通に高齢化社会の文化ツールとしてあるのではないかと思っている。そうだな、たぶん今なら手書きとかでなく、ワープロとかで普通に作成していくのかもしれないし、探せばフリーソフトで年表作成ソフトなんてものもあるかもしれない。
そういった自分史年表を作る際に、いやそれ以前に子ども達が自由研究や集団研究とかやる際には、この『近代日本総合年表』をぜひ参考にして欲しいと思う。ようは自分たちのミニマムな歴史が日本社会の歴史や国際社会の歴史とどう結びついていくかを見開きの年表にすることで理解できていくのだ。そういうのが実は国際化とか世界史的認識に繋がっていくと思ったりもする。
会社の年表から随分と遠い地平に脱線を続けてしまったが、いつか自分史を作るときには当然こういった点を考慮してみたいとか思ったりもする。

近代日本総合年表 第三版

近代日本総合年表 第三版

  • 発売日: 1991/02/25
  • メディア: 単行本