妻の入院

昨日は妻の入院日。検査入院なのにわざわざ診断がなく、それでもベッド代とかが発生する土曜日に入院させたのは、ひとえに会社を休みたくなかったから。割高なのはわかるがいたしかたあるまい、宮仕えなのだから。休もうと思えば休めたのだろうけど、後で聞くと例えば2日の月曜日は直属の課長が、父親のつきそいで病院行くので休むとかの届けが出ていた。部長と課長がそれぞれつきそいで休むというのもなんだし、結果としては正解だったかなと思う。
でもすんなりとは入院が出来なかった・・・・・。
病院へは当初言われていたとおりに10時から11時までの間に入った。ただけっこうぐずぐずしていたので、多少遅くなり病院に着いたのは10時半をだいぶ回ったくらいだったか。おまけに私が水曜くらいから風邪こじらせていて、けっこうしんどい状況。それでも頑張って車運転して行ったわけ。
まず最初に入院の手続きをするのだが、土曜日だというのにけっこう窓口が混んでいる。土曜日で一般の診断とかはやっていないだろうから、混んでいる窓口はここくらいなんだろう。ある意味、入退院の手続きでごった返し的な感じである。自動受付の機械から受け取ったカードを案内表示で確認すると8番目くらい。まあ大病院でこれだから、いいほうかとも思いひたすら待つ。で、待っている間に当初の予定だった11時をとっくに過ぎる。
ようやく順番になって入院の手続きをする。何通かの書類にサインさせられ、保証金の10万なりを支払っていざ病棟へと思いきや、窓口のお姉さんが電話で病棟と話をしている、なんかこじれている。で説明を受ける段になると「こちらでは詳しい事情はわかりかねますが、4人床のベッドの用意ができていないようです。まもなく担当の医師がご説明にあがりますので」と。なんのこっちゃ、という感じである。
医師がまもなく降りて、当初予定していた4人部屋が現在満杯状態のため、本日の入院だと個室になってしまう。月曜日から検査を予定しているので、出来れば月曜日に外来で来てもらい、検査を受けてもらいそのまま入院の手続きをしてもらえないかという。月曜日には4人部屋の空きが確保できるのかどうかと聞くと、それは現時点ではわからないという。こっちは一応一月近く前に入院の予定を入れているのに、なぜという感じである。ダブル・ブッキングですか、と喉まで言葉出かかるがとりあえず抑える。詳しくはわからないが、退院予定の患者の入院が伸びたとか、救急指定病院でもあるので急患が入ったとか、たぶんその手の理由なのだろう。
医師は申し訳なさそうに説明をしてから、もし本日個室に入院した場合に差額ベッド代の減免があるかどうかを事務方に問い合わせるといってくれる。こっちはわざわざ準備してきたこと、もともと費用が余分にかかる土曜日からの入院にしたのは、月曜日に休みを入れたくなかったことを一応話しておく。まあ言葉悪くいえば、妻の命をこれから人質にとられるのだから、あくまで低姿勢である。でも内心は「ふざけるなよ」的な部分もないではない。
もともと医師から勧められての検査入院である。たぶんしなくてもいい入院かもしれない。それを医師が勧めてくれるから、出来れば今後妻の脳疾患が再発予防の策がとれればいいとも思い、わざわざ費用も相応にかかるだろうけれど、入院を決めたのである。医師にはもし4人部屋の空きが現時点で確定できないのであれば、入院自体をペンディングしてもかまいませんよと腹をくくってみた。確実に部屋がとれた段階で改めて入院の予定を決められますかと話してみる。
医師は来週一週間で検査の予定を入れてあります。検査によっては奥さんのために外国から検査キットを取り寄せたものもあるので、来週からの検査を予定通り行いたいと。外国から取り寄せたキットってなんだろうとも思ったが、そうであれば予定通り本日入院ということでお願いします。1人部屋での費用の減免がどのくらいになるのか想像もできませんが、出来るだけのことはお願いしますと、とりあえず頭を下げる。
そうこうしているうちに医師が席を立って事務と話に行ったみたいで、30分くらいさらに待たされる。気がつけば入退院窓口の部屋は人がほとんどいなくなっている。結局、いつもこうなんだよな。我が家のこういったもろもろがスムーズにいったことはほとんどないのだからと、頭の中でぼやいてみせる。妻は横にいて退屈そうにしている。一緒についてこさせた娘は後ろのソファでひたすらDSに興じている。
しばらくして医師が戻ってくる。予定通り本日入院していただきます。1人部屋での差額代はすべて減免させていただきます。4人部屋に空きが出来次第移っていただきますとのこと。結局、ラッキーということか。妻にとってはそれが
1日なのか2日なのかはわからないが、出来たばかりの大病院の個室での快適な入院生活ということになるのかもしれない。でもね、こっちの本音として言わせてもらえば、たかだか2週間程度の検査入院の手続きになぜに1時間半以上かかるということである。もう心象風景はブツブツクマさんである。ブツブツ、ブツブツ。
その後、事務系のおねさんが現れて我々を病棟に案内してくれる。ようく名札というかプレートを見てみると、そこにはニチイ学館という文字が。そういえば入退院窓口にいたおねえさんたちもプレートにもその文字があったことを思い出す。なるほど、この病院では窓口や事務方をニチイ学館アウトソーシングしているということか。これは派遣ではなく、おそらく病院事務業務の請負にあたるのだろう。コスト管理はこうあるべきということなんだろうな。独立法人の国立系病院とかも、この方式に学ぶ必要はあるのかもしれないなとも思う。なんでもかんでも公務員ですとういのはもう時代遅れなのだろう。
ただしこれが行過ぎるとすさまじい分業制が生まれるかもしれないな。窓口業務がこっちの会社、事務管理はこっちの会社みたいな感じ。さらに請け負った会社がさらに二次、三次と下請けに出して、結局働いている人たちはたたきにたたかれた派遣さんだったりとか。さらにさらにだ、医療においても、たとえば看護師とかも一括して別会社に請け負って、人出していたりとかもあるかもしれない。いや、ひょっとして医師とかもそういうことがあったりしたらどうなるのだろう。
今でも、あちこちの比較的小さな病院とかだと、大きな病院から週数回みたいな形で医師を派遣してもらっている場合があるだろう。それを大掛かりにして医師のマネージメント会社とか作ってしまったら、どうだろう。医師にはそれ相応の高額な報酬をきちんと払う。税務管理からなにやらまでをきちんと行う。そのうえで30%くらいのマネージメント料をとるとか、そういう方式ね。あるいは医師を社員として雇って、あちこちの病院と契約を結ぶみたいな。例えば○○病院の外科部門は○○会社が一括して請け負っていますみたいな方式。ありかもしれないし、医療行為でそういうのはちょっととか、医師法とかそのへんも含めて難しいとかあるかもしれないのかな。しかし暇だとろくなこと考えない。
病室は快適すぎるくらいの大きさの1人部屋である。妻はたいへん喜んでいて、「これはいいね」を連発している。まあよくて2日、月曜には4人部屋になるだろうから、本当に短い間のことなんだろうが、ちょっとしたホテルみたいな感じである。
それから家族三人で少し遅い昼食を食べに行く。とにかく新しい病院なのでなにからなにまできれいである。食堂は普通のカフェテリア方式。定食のおかずはポテトオムレツだったが、味は今ひとつ。でも600円前後だったから文句は言えないね。
食事から戻ってきてしばらくすると医師がやってきてこれからの検査について詳しい説明をしていただく。医師はそれまで担当してくれていた人とは違う。おそらくこの病院に常勤している医師のようだ。といってこれまでの医師が常勤じゃないのかどうかはわからないけれど。
医師の説明では、検査項目としては脳の血管に造影剤を入れてMRIをとる検査と胃カメラを飲んで食道部分にとどめて心臓を裏側から検査するものが、今回の検査入院での二大検査になるという。説明の後で署名までしたのだが、医師曰くそれほど危険なものではないという。
妻の場合45歳で脳梗塞を発症した。主要因は内頸動脈で血管が詰まり脳梗塞が発症した。その後、留まった血流がいっきに脳に流れ出しクモ膜下出血も起きたということだった。その原因については最後まで不明のままで、しいていえば内頸動脈が若干普通の人よりも細いということだった。
今回の検査入院の発端になったのは、若くして脳梗塞を発症した場合、概ね血栓ができて血管につまる。その場合、血栓ができた原因はたいてい心臓にあるので、心臓の状態をきちんと検査することが再発予防につながるということだった。そういう意味では心臓を裏側から検査するというのが一番の主目的になるということらしい。医師から聞いて検査は、ケイショクドウ超音波検査というものらしい。後でググると感じとしては経食道超音波検査と書くらしい。検査内容はこんな感じになる。
http://www.city.yokohama.jp/me/byouin/nou/bumon/kensa/index03-d08.html