鶴ヶ島ってこんな町なんですかね

鶴ヶ島市議が無免許運転で摘発されたと新聞地方欄に出ていた。概要はこんな感じ。
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20080202ddlk11040190000c.html

無免許運転:鶴ケ島市議、免許取り消し後に /埼玉
鶴ケ島市の長峰保男市議(72)が1月、免許取り消し処分を受けながら軽トラックを運転していたことが分かった。市議会は5日、臨時議会を開いて辞職勧告決議案を提出する予定。
長峰市議は違反点数の累積などで免停となっていた昨年8月、シートベルト着用義務違反で摘発され、同9月に免許取り消し処分となった。1月29日昼、東武東上線若葉駅近くで軽トラックを運転しているところを別の市議に目撃された。報告を受けた大曽根英明議長が30日に市議会各派代表者会議を開いて本人に確認したところ、「自宅近くの畑に行くため乗ってしまった」と認めた。
長峰市議は99年に初当選。現在3期目で副議長も務めた。同市では昨年8月にも、男性市議が酒気帯び運転で逮捕され辞職した。大曽根議長は「おわびの言葉も見つからない」と話した。【飼手勇介】
毎日新聞 2008年2月2日

さらに東京新聞によると、すでに市議会全員協議会で辞職勧告もされているとのこと。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20080201/CK2008020102084089.html

鶴ケ島市の長峰保男市議(72)が、無免許で軽乗用車を運転していたことが三十一日、分かった。三十日に開かれた各派代表者会議で長峰市議から事情を聴いたところ、「ついつい乗ってしまった」と認めたため、代表者会議などで辞職勧告決議案の提出を検討している。
長峰市議は昨年の十二月定例議会中、「追突事故などで違反点数が加算されて免停になったが、免停中にシートベルト着用義務違反で摘発され、免許取り消しになった」と大曽根英明議長らに申告していたという。最近になって、長峰市議が軽乗用車を運転しているのを同僚議員が目撃し、無免許運転が発覚した。
長峰市議は一九九九年に初当選。現在三期目途中で副議長を務めたこともある。
同市では二〇〇〇年十一月、女性市議が近隣自治体の首長を助手席に乗せて飲酒運転し、当て逃げ事故を起こして辞職。昨年八月にも、男性市議(67)が酒気帯び運転で逮捕され、辞職した。
相次ぐ市議の不祥事に、大曽根議長は「自転車を買って移動手段にしていたので、安心していた。昨年八月の事件を受け、市民の信頼回復に向けて取り組んでいる矢先のことで、腹立たしい」と話した。 (山口哲人)
東京新聞 2008年月1日

さらにいえば長峰市議、この辞職勧告を拒否して「地域振興のために努力していきたい」と言っているらしい。そりゃ現在三期目だから任期満了まで勤めたいだろう。年金でるかでないかは本人にとっても大問題だろうから。しかし同僚市議に目撃されてチクられちゃったというのはなんていうか情けないことですな。
さらに昨年8月の酒気帯び運転の件はネットぐぐっていたら、こういう事件だったようですね。

(2007年8月29日1時30分 読売新聞)
酒気帯び運転で人身事故、埼玉・鶴ヶ島市議を逮捕
埼玉県警西入間署は28日、同県鶴ヶ島市議の農業小川英明(てるあき)容疑者(67)(鶴ヶ島市高倉)を道交法違反(酒気帯び運転)の現行犯で逮捕した。
調べによると、小川容疑者は同日午後8時20分ごろ、酒を飲んで乗用車を運転。駐車場から市道にバックで出ようとしたところ、同県坂戸市の女性(61)の乗用車に衝突した。女性は左太ももを打つ軽傷。
小川容疑者から呼気1リットルあたり0・4ミリ・グラムのアルコールが検出された。

結局のところ、鶴ヶ島市ってようするに田舎だっていう一言でかたずけられちゃうんじゃないですか。事件起こした市議さんの本音が聞こえてきそうな気がします。西原理恵子の漫画『できるかなV3』の中で税務署とのやりとりをまとめた「脱税できるかな」という傑作短編があります。この中で売上2千万に対して経費が画材費32000円の領収書だけなもんで、その32000円に0を一つ書き足し、また一つ書き足ししていくギャグがある。その後の大ゴマで西原が絶叫していうのがこのきめセリフ。
「ずっとこんな調子やったんやあ。はっきりゆうとね 悪質ってやつよ」
そりゃ田舎だもん、農家やっていれば、自分の家から畑出るのに軽トラック使っても、いちいち免許書なんかもって行かないないだろう。たかだか数百メートル公道走っても自分ちの庭みたいなところだから、免停になっていてもとりあえずOKみたいなところだったんだろうな。
飲酒運転にしたって鶴ヶ島の高倉あたりなんて車で行かなくちゃ飲み屋なんか行けないわけで、ある意味ずっと車使って飲みにいってたんだよね。それがつい最近になって急に飲酒運転厳しくなったから、そういう現実の流れについていってなかったということだろう。あるいはあいも変わらず自分だけは大丈夫くらいに思っていたか。
例の九州での飲酒運転追突による橋からの落下二児死亡事件以来、急速に世の中の流れは変化していきている。飲酒運転どころか、ちょっとした酒気帯びですら運転はしない、させないという方向に行きつつある。そうした流れの中で無免許運転等法律違反には厳罰、あるいは社会的にも制裁が加えられるという方向にいきつつあるのだ。
自分自身についていえば、まあ小さな小さな会社の管理職だけど、もし酒気帯びとかで引っ張られたら、やっぱり会社に進退伺いくらいだすことになるのだろうと思う。へたすりゃ退職金もパーかもしれないよな(たいした金額にならないからどうってこともないけど)。民間でも大企業はまずやばい、酒気帯びで事故おこしたら、首になるんじゃないかな。どちらかというと公務員のほうがけっこうそのへん緩かったりもするのだろうか、でも酒気帯び、飲酒あたりはやっぱり一発レッドカードだろうと思う。
で、今回の長峰市議の無免許運転だけど、やっぱり市議っていうのは公職なんだから、とりあえずバレタ以上お辞めになるのが常道だとは思うよ。年金は残念かもしれないけど、これはしょうがないと思う。
しかし総じて思うのだが、鶴ヶ島市は都心から50キロ圏内、けっこう開発とかも進んできている。若葉駅周辺には新しいマンションとかも続々できてきている。当然新住民とかも増えてきているのだろう(自分もその一人か)。ある意味で急激に市街化しつつあるのではという部分もある。そういう変化に地方自治の担い手たちが実はついていっていないというのがなんとなく感じるところだ。この長峰市議なんかにしてもある意味、より狭い地域、部落とでもいうのかな、その利害の代表者みたいな意識しかないんだろうと思うわけだ。
鶴ヶ島市長は自分でブログとかもやっているくらいだから、新しい時代の流れとかもそれなりに意識されている部分もあるのかもしれない。でも飲酒事故だの無免許運転だので市議さんの名前が出てしまう市議会っていうの、なんとも情けないものです。
あと全然関係ないことだけど、鶴ヶ島の表記はケは大文字、小文字どっちなんだろう。一応IMEの変換ではヶなんだけど、鶴ヶ島 市議 無免許で検索しても全然ヒットしなかった。これをヶをケにしたらきちんとヒットした。新聞社のサイトでこれなんだもん。いったいどっちなんだろうって思ってしまうな。