納豆狂騒曲

1/7日放映の「あるある大辞典」以降、なんか納豆がすごいことになっていて、実際近所のスーパーでも納豆はほとんど完売状態だった。これは3パックで100円未満、特売の時には50円なんていうこともあり、ほぼ毎日妻と娘の朝食の一品にしているうちなんかにはとても由々しき事態でもあったわけ。なかなか手に入らないとはいえ、まあ一過性のことだろうなとは思っていた部分もあるけれど。
実際これまでにも「あるある」に取り上げられてダイエット効果があるとか、健康にいいとなるとけっこう売れ足が速くなることがあったようにも思う。ヨーグルトやらにがりとかそんなのがブームになった記憶がある。でもなあいくらなんでも納豆を一日二食でダイエットはちょっと無理があるんではと思っていたら、案の定捏造疑惑が発覚。これが事実だったらしくて、製作の関西テレビ社長の謝罪やら、昨日の放映中止やら。さらにはこの番組は花王一社がスポンサーなんだけど、これが降板。人気番組ではあったのだが、いよいよもって番組も幕が降りるようだね。
しかしだ、この納豆狂騒曲でおどらされた人々沢山いるんだろうな。まずは納豆メーカーさん。一時は株価もあがったとか。この放送があることは昨年から情報としては流れていたようなので、インサイダー取引疑うっていう話もある。
http://today.reuters.co.jp/news/articlenews.aspx?type=marketsNews&storyID=2007-01-15T001122Z_01_nTK3045016_RTRJONT_0_MnTK3045016-1.xml
捏造発覚となると今度は売り気配なんだろうな。2チャンネルの株板でも覗いてみようかな。
さらには放送により納豆が売れるということで、情報が事前に流れていたため大手スーパーによる納豆買占めみたいな流れもあったらしいとか。いやはや笑えないよな。
http://72.14.235.104/search?q=cache:PVzzVEPth5EJ:news.livedoor.com/article/detail/2977621/+%E7%B4%8D%E8%B1%86%E3%80%80%E6%BC%8F%E6%B4%A9&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=1
でもね、この情報漏洩ってけっこう以前からあったのではないかと実は思っている。いやちょっと頭使えば誰でも考えるもの。番組で取り上げられれば、必ず商品が動くのだから利用しないっていう手はないでしょう。誰だって考えるよね。実はこのへんのところはもっと根が深いのではと疑う部分もある。絶対に商品が動くというお宝情報なんだから、これで小金稼ぐ奴等が沢山いるんじゃないかと。
私が思うに、まず放送局のプロデューサーやらディレクター系、さらに製作プロダクションなどなどには金がばら撒かれているんじゃないかな〜と思う。たぶん元締めは広告代理店あたりかな。ここと製作プロダクションが結託して次になにを取り上げるかの企画を練り、関連企業等にアプローチして小金をせしめる。それを放送局の担当者とかに分配する。へたするとスポンサーあたりにもキックバックされているかもしれない。スポンサーが一社っつうのもちょっと怪しい。花王の宣伝部長は在任中に倉が建ったりして・・・。まあ貧乏人の邪推、僻み的想像力ですよ、これって。
しかしテレビの影響力たるもの恐るべしというところなんでしょうね。でもね結局のところ情けないのは踊らされてしまう視聴者=消費者なんでしょうね。
話は大幅に脱線するのだけれど、出版業界にあっても実はこれに類することってあった。書評というやつね。昔は大新聞の書評の影響力っていうのはそれはそれはすごいものがあった。まあ大新聞といっても早い話、朝日なんだけれど、朝日の書評に取り上げられるとそれこそ、最低でも一回分の重版、まあ20〜30年前のことだけど2000〜3000部は軽くはけたとういことがあったのよね。朝日の書評で火がついて1万以上のベストセラーになった本なんていうのが幾つもあった。だから出版社もいかにして書評にあげてもらうかということで、とにかく新刊書は必ず大新聞の書評担当者に献本していた。今でもこの習慣は続いていると思う。
さらにいえば、出版社の営業にしろ、書店の担当者にしろ、書評に何が取り上げられるかの情報を早めに入手しようと躍起になっていたっけな。書店担当などはとにかく早くに情報仕入れて、商品押さえることが仕事ができるという部分もあった。また、ある程度目利きの利く担当者には情報が入りやすいという部分もあった。
自分の経験ではこの手のことで大失敗もした記憶がある。大昔、書店にいた頃のことだけど、取次から井上靖ノーベル文学賞受賞が内定したという連絡が入った。取次担当は「けっこう鉄板のネタです」とのたまってくれた。それで、すぐに各出版社の文庫系を押さえた。ここまでは誰でもやるのだけど、さらに調子に乗って店頭に「井上靖ノーベル賞内定!」のポップ出してしまった。翌日発表があってからお詫びのポップ出して始末書書いてといろいろあったわけ。その時の実際の受賞者は確かエリアス・カネッティだったかな。とてもとても地味な人だったけど。
今では朝日の書評に載っても、それこそ100やそこら動けば御の字みたいなことになっているから、ある種書籍にとってはとてもとても牧歌的な話でしかないのだけれど。それでもマスメディアにとりあげられるということは、イコール商品が動くということなわけだ。だからこそジャパネットタカダさんにしろ、テレビショッピングにしろそれ専門でそれなりの大きな収益をあげているのだから。
ということで、あまたある情報番組という奴、けっこう疑ってかかった方がいいと思う。取り上げられた商品についていえば、たいてい何かいかがわしい裏がありそうな気もする。けっこうテレビ局の内部では情報番組のスタッフになると潤うみたいなネタがたくさんありそうな気もするのだが、どうなんだろう。