退院前夜

ろくでもない、パートの配置転換を決める会議を終えたのが6時ちょい前。パートの使い回しなど現場にまかせておけばいいのにと思いつつ、上のほうの意向も一応考慮しとかなくてはいけないとかで、必然的に話が長くなる。もう後半部分は強引に話をどんどん進ませていった。「ハイ、これで決定。いいっすね」みたいな感じ。
すぐに会社を出て高速をがんがん走って、娘を迎えに行く。そのまま国リハへ。明日退院なので、とにか荷物類をできるだけ引き上げておこうと思った。衣類を中心にほとんどの荷物を片付けて持ってきてしまえば、明日は妻一人連れてくればいいわけだ。そんな風にに荷造りしていると、通りかかった看護師から、一応下着類の予備を1枚くらい残しておいてください、と声がかかる。「念のためですけど」と。
妻とは電話でこそずっと連絡は取り合っているけど、やけどのことがずっと気になっていた。妻に聞くと毎日消毒してもらい抗生物質を塗ってもらっているという。妻が医者や看護師から聞いた話では、退院後は家の近所で皮膚科の医院で診て貰うようにという。せめて全治どのくらいなのか教えてほしいところなのだが、国リハには所謂皮膚科の専門医がいないのでいたしかたないのだろう。でも現に毎日治療してくれているのだから、どのくらい通院したらよいのかくらい教えてくれてもよさそうにとも思う。
7時半過ぎにナースステーションの前で妻と少しだけ話しをしていたのだが、妻がトイレにいくというのでそのままソファでぼーっとしてしまった。明日で国リハ通いも終了することになるという妙に感慨めいたものもあった。
とにかく12月12日以来、2月に二週間、頭蓋形成手術で医療センターに移ったとはいえ、ほぼ六ヶ月妻はここに入院していた。そして私と娘は週に二回から三回、土日もずっとここに詰めていたわけだ。そこそこに感慨めいた思いにかられてもおかしくいよなとも思った。
そんな風にぼーっとしていると、看護師から「○○さん、そろそろ」の声がかかった。時間は7時45分過ぎ。面会時間はとうに過ぎているということだ。妻がトイレから戻ってきたので「じゃあ、行くよ」と話してエレベーターに乗った。