総選挙のようだ

 参院郵政民営化法案が否決されて衆院解散になって10日くらい経つのか。連日TVや新聞では、自民党の内部抗争を面白おかしく報じてくれる。やれ民営化反対派への刺客だのなんだのと。しかし肝心の郵政民営化法案の中身っていったいどんなものかも実はよくわからんのだな、これが。これってワタシだけ・・・。
 個人的心情としては公的事業は出来るだけ民営化するっていうのには総論賛成ではある。お役所仕事は無理、無駄がありすぎる。しかし郵便とかって、ある意味公的サービスの中では最もスムーズに運営されているんじゃないかとも思うわけ。例えば信書、いわゆる手紙や葉書は全国一律料金だし、ポストに入れさえすればとりあえず安全に届くし。小包とかだと宅配便のほうがより細かいサービスや正確性もあるのだろうが、やはり料金的には割高になるようにも思う。
 郵貯についていえば、ほとんど利用していないからなんともいえないけど、やはり郵便局のどこにでもあるという利便性は捨てがたいものがあるようにも思うな。仕事絡みでいえば、本の直販の場合、代金の支払いは郵便振替の利用頻度が高い。書籍代金の振込み手数料は郵便振替に限ってはうちもちで、銀行の場合は払い込み者負担という形にしている。なぜか払い込み手数料が安いから。こういうのは民営化しても継続されるんだろうけど、将来的にはわからないよな〜。民営化で競争しあうといっても銀行の振込み手数料が安くなる可能性は少ないしなどとも思うわけ。
 ようはね郵政を今、民営化する必要性をあんまり感じないわけだ。郵貯特に財政投融資の巨額な金が問題なら、そこんとこに規制を加えればいいだけじゃないっていうところかな。
 だから、小泉自民党が今度の選挙の争点を郵政民営化一本に絞り、あたかもこれが構造改革の総てのように喧伝してるのは、どうも納得できないわけだ。構造改革っていうのは今の破綻寸前の財政を立て直すってことでしょう。そのために緊縮財政で国民生活をも圧迫するような施策をとるということ。そのための前提として徹底的な行政改革を図るっていうのは、政策としてはけっして目新しいものじゃないわけ。小泉内閣以前だって橋本内閣あたりもかなりつっこんだことを提示したような気もするし、古くは中曽根内閣あたりも手をつけたと記憶している。
 ただしこうしたこれまでの構造改革もこと行政改革についていえば、常に中途半端に頓挫してきた歴史があると思う。だとすると今度の選挙の争点としていえば、ただただ郵政民営化だけをお題目にしている小泉自民党よりも行政改革で3年間10兆円という歳出削減の目標を提示した民主党のほうがよりましなんではないかとも思うわけだ。
 民営化には総論賛成、だけど郵政は優先順位からしたら第一位ではないという気がしてならない。もっと民営化すべきところがいくらでもあるような気がするな〜。