都議選

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090712-00000554-san-pol
 予想通りというかなんというか民主の圧勝となったようだね。なんとなく1989年の社会党の躍進を思い出させる。あの時も都議選とそれに続く参議院選挙でそれぞれ社会党が大躍進した。当時の社会党委員長、土井たか子が「山が動いた」と語った時のことだ。
たぶん近い時期に行われる総選挙でも民主党が勝つだろう。いよいよ選挙を通じて初めての政権交代が行われる可能性が高まった。でもその内実は、国民の政治意識は高まっているのかどうか、なんとなく疑問である。4年前の郵政民営化選挙の時と同じように、今や「政権交代」という言葉がなんとなく雰囲気、ブームのような感じで流通しているような気がしてならない。
今回の都議選でも投票率が上がった。政治的アパシー層が前回、郵政民営化という言葉に乗って自民党に投票したように、今や政権交代という言葉、雰囲気に乗って民主党に投票している。たぶん総選挙でも東京に続けとばかりに堰をきったように民主党に票を投じるだろう。
政権交代は成熟した民主主義にあっては普通に行われることである。いよいよもって日本の民主主義も熟成されてきたということかと、そんな思いもあるにはある。でも本当か、国民の政治意識は向上しているのか、そのうえで政党も前近代的な部分を払拭してきているのか、そういうことを考えるとどうにも、???という気持ちになる。
確かに昨今の自民党は人材の底がついたような印象がある。20年前には様々な引き出しがあったようにも思える。多様な人材、党中党としての派閥が融合したり離反したりを繰り返しながら、さながら派閥間での政権移動が政権交代の機能を果たしていたりもした。それが今はない。小泉純一郎が彼の公約の中で唯一果たしたのは「自民党をぶっつぶす」だったのではないかとさえ思う。
小泉は自民党の存在基盤と支持母体との様々なパイプ(利権的関係)をずたずたにした。それが今の自民党政権のダッチロールの要因のすべてなのかもしれないとも思う。
それに対して民主党はどうか。政権を担うだけの蓄積があるのかどうか。わからない。ただ多くの国民がとりあえず今回はやらせてみようかと、そんな気持ちになりつつあるということだ。
政権交代」がブーム、流行言葉の一つとして流通し、それに乗って総選挙が行われる。ブームとしての投票行動、ブームとしての政権交代はあるのかどうか。