朝日vsNHK

 朝日のNHKの報道番組に対しての政治家の介入の記事、当該の政治家の反論の他、取材を受けたNHK幹部の発言趣旨がまったく逆にとられたうんぬんの反論、はたまたNHK本体からの朝日への公開質問など、メディア間の大きな対立に発展してきている。
 ネットでの掲示板の書き込みとかプログとかをつらつら見ていると問題は、朝日が記事を捏造したのかどうかみたいな論調が増してきている。朝日ピンチっていうところだな。
 事実はどうだっかは別にして(って、別にはできない問題だけど)、NHKの放送内容に保守党政治家が介入すること自体は、昔からずっとあり続けてきたことじゃないの、っていうのが僕の感想。でも、今回は取材過程でひょっとしたら朝日にも勇み足みたいなものがあったのかも、とか思わせる部分もありかな。
 それにしても、現在のネットの書き込みとかを見ると、なんだか草の根保守みたいのが定着しつつあるな〜と感じてしまう。2chなんか見てるともうウヨの巣窟みたいな感じがする。反体制的な論はすべてサヨの妄言呼ばわりだし、なんでもかんでも北朝鮮の謀略みたいな荒っぽい意見が飛び交っている。で、拉致被害者の会はもう絶対不可侵な存在と化している。
 なんか体制側から金が出て、それっぽい書き込みが成されているんじゃないのかなんて妄想にとらわれちゃうな。ネットの世界は、権力の介在しない無秩序の中で成立しているとか、ネットの世界は国家権力の呪縛から逃れているとか、草創期の頃にはよくうたわれたような覚えがある。でも、ネットの力を今実に有効に使っているのは、実は国家権力なんじゃないかと思わせる部分が透けてきたような気がするな。でなければ、あんなにひつこく同じような体制よりの意見が連綿と書き連ねられないような気がする。
 それにしても反体制勢力の衰亡はいかんともしがたいな。ネットは論説としても、プロバガンダとしても有効な道具のはずなんだけど、きちんと利用されていない。そうゆうことに頭回んないのかな。それとも絶対数が減少しちゃって、そんなパワーもないのかな。イメージとしては、オールド左翼ばっかりで、ITみたいなものについていけない面々が残っているって、そんな感じかな。
 まあ、これも時代なんだろうね。ここ20年くらいの閉塞状況ってやつよ。