案の定、TUTAYA通いが始まっている。といっても週1ペースではあるのだけど。先週、借りたもの。
みんな名盤だな。ルーの2枚はポップ・ジャズの走り、ソウル・ジャズ。昔、こういうのがジャズ喫茶でかかると何人もが席をたったな、R&B系やフュージョン系。チックの『リターン・トゥ・フォーエバー』とかA&MのCTIレーベルとかさ。あと、ジャズ喫茶でリクエストするのがはずかしい入門編名盤なんていうのもあった。ロリンズの『サキコル』とかソニー・クラークの『クール・ストラッティン』とか。まあ、ああういうのは一種のスノッブだったんだろうね。
で、この4枚いいわね。昔はやっぱりなんか敬遠して買わなかった。もとい買えなかった。若い時分は金もなかったし、買えるLPレコード(レコードだよ)も限られていたからなあ。なんかこういう名盤を買うのも気がひけて、その結果聞いたことはあるけど、以外と聞き込んでいないわけ。
ラズウェル・細木の傑作ジャズ・コミックの中で、名盤を初めて買うのが恥ずかしくて、レジでわざわざ「いゃーっもう3枚も聞きつぶしちゃってこれでもう4枚目だよ」といいわけしながら買う場面があった。あの感覚だな。ついでにその次の場面で、こんなこともつぶやく。「サムシンエルスとかもいつかは買わなきゃな〜」わかる、わかるこの感覚。
で、今週借りたもの。
- ホレス・シルバー『ブローイン・ザ・ブルース・ウェイ』
- デユーク・ジョーダン『フライト・トゥ・ジョーダン』
- ハービー・ハンコック『テイキン・オフ』
- そしていわずと知れたキャノンボール・アダレィ『サムシンエルス』
『サムシンエルス』なんかはなんども聞いたけどやっぱり名盤だな。実質的にはマイルスのアルバムっていうのは有名な話だけど、なんていうんだろうアダレィいいじゃん、みたいな感じ。
シルバーの『ブローイン〜』。これは良く聞いたな。ファンキーな元気になるナンバー。ウォークマンが出始めの頃、カセットでこれを毎朝の通勤時に聞いた。なんか高揚してくるんだよね気分が。仕事しはじめの頃だったけど、毎日いやでいやでしかたがなかったんだろうね。
あとの2枚についていえば、実はこれまであんまり聞いてなかった、白状しますと。とくに『テイキン・オフ』なんてちゃんと聞くのは初めてかもしれないな。もちろん聞き流してっていうのは何度もあるんだろうけど。ジョーダンはきちんとハード・バップしてるし、『テイキン・オフ』はハンコックの初のリーダー・アルバムだけど、参加しているデクスター・ゴードンがいいね、豪快で。才能ある天才ハンコックを余裕で盛り上げている感じがする。でも、このアルバムの時って、ハンコックはたぶん十代?やっぱりすごいと思うな。
あと一枚なぜか広瀬香美のベスト盤『ベスト・ラブ・ウィンターズ』なんかも実は借りていたりして。けっこう好きなのよねこの人。これ5年くらい前に250万枚もセールスしたベスト・セラーなんだって。なんたって『ロマンスの神さま』とか『ゲレンデがとけるほど〜』とかおなじみの曲が盛りだくさんだものね。
しかしこの人ももうすぐ四十代に突入らしいね。そりゃ歳とるよな〜、長くやっていれば。