渋谷周遊

 昨日は朝から都内に出てた。

 まず午前中はお茶の水にある健保の健康管理センターに通院。三か月に一度通っているので、いつものように山ほどの薬をもらってくる。糖尿、肝機能の数値がだいぶ悪くなっている。「とにかく体重を減らすこと」といつもやさしい女医さんが少し厳しい口調でおっしゃる。気をつけます・・・・・・

 午後も同じ健康管理センターの歯科でこちらも定期健診が2時半から。朝から3時過ぎまで何も食べていない状況。治療(歯垢除去とか)終わってから、神保町方面に下る。

 途中でいつも行列ができているうどん屋が、めずらしく行列が出来ていない。まあ3時過ぎだから。勢いで入ってしまったけど、店内はほぼ満席状態。とりあえず「かまたま」を食す。

 味、うどんのこしとか諸々、まあ個人の感想だけどまあまあ美味いけど、行列作ってまでして食べるものかは、はてさて。繰り返しますが個人の感想。

 その後、友人と酒飲み約束していたので渋谷へ出る。

 渋谷はなんというかいつも建築ラッシュというか、街全体がサクラダファミリアみたいというか、カオス的に増殖中である。正直、地下鉄を降りても地上に上がってみないと、どこにいるのか、どこに向かっているのかが判らない。完全なお上りさんである。これでも30数年前には渋谷の会社に勤めていたこともあったのだけど。

 とりあえず地上に出るとそこは宮益坂方面でした。そこから宮下公園方面に行って見ると、宮下公園がない・・・・・・。

 こんなんなってました。

 何年か前にホームレスを排除したみたいな報道があったけど、結局商業施設作ったんだね。一応上階はオープンススペースで公園ぽくなっているみたいだけど。ちょっと中に入ったけど、さほどお洒落感はなかったな。これっているのか。まあ近未来都市渋谷には必要なんでしょうね、きっと。

 ほんでもって神宮前あたりもいろいろと様変わりしている様子。昔々、会社行くのがイヤでイヤで、ウォークマンで大音量の音楽聴きながら、心象風景としては泣きながら通った通勤路がこんなにお洒落になっちゃって。よく覚えているのは、達郎の「2000トンの雨」とか聴きながら立ち止まって空眺めたことととか。

 そしてたしか以前勤めていたとこがあったあたりは多分この辺りだろうか。まあ建物も建て替えられていて面影もなにもないんだけど。まあ30数年前のことだから。

 

 そして渋谷駅の方に戻る。話題の草間彌生もしっかりと見る。

 アートとかお洒落って、こういうものなのか。

 《渋谷》で《ヴィトン》で《草間》である。これが近未来都市における異化効果ってやつなんだろうか。

 草間彌生の業績は凄いと思う。30代でニューヨークのアートシーンで活躍したこと、ポスト抽象表現主義の一端を担ったとか、先駆者だと思う。そして商業的にも成功して93歳の今でもこうやって、存在自体が《クサマ》という作品化されている。

 でも自分の理解では水玉にしろ例の男根にしろ、病的な空間恐怖みたいな部分でしか理解できないところもある。まあいいか。

<渋谷の草間>

 

 その後は約束してた百軒店にあるロック喫茶BYGに。

MUSIC FROM B.Y.G

 この店も学生時代から通っているから、もう40年以上になる。ジャズ喫茶は数多あるけど、ロック喫茶、ロックのレコードを聴きながら酒を飲むというのは割とめずらしかった。百軒店には昔、もう一軒ロック喫茶があった。たしか「ブラックホーク」といっただろうか。ここは賑やかしはダメで、会話しても怒られるような店だった。みんなコーヒー一杯で腕組みしてうつむいてレコードの音に耳を傾ける。ようは求道的なジャズ喫茶のロック版みたいな感じ。ようするに今風にいえばBYGは陽キャラ、ブラックホーク陰キャラみたいな感じか。

 学生時代にはBYG、ブラックホークと半々で行ってたかもしれない。友人と酒飲むときにはBYG、一人の時はブラックホークみたいな感じだったか。

 その日は友人が部下連れてきていたので三人で飲む。友人は来年完全にリタイアするのだとか。すでにリタイアした自分とまもなくリタイアする友人。これから多分20年以上バリバリ働く彼の部下。

 友人はリタイアしたら今は週に一度通っている田舎での畑仕事を存分にやるのだとか。理想の晴耕雨読生活に入るという。

 人それぞれだなと思いつつ、自分は40年働き続けてきて、やっと引きこもる権利を得たんだなと思った。まあ現役世代には申し訳ないけれど。

 久々に良い酒、良い音楽にしこたま酔う。どのくらい酔ったかといえば、三人でバーボンのボトル1本が空くくらいにだ。それでも10時過ぎにもお開きに。都内で飲んだにしても割と早く、日が変わる前に帰宅した。

 拾いものの画像だけどBYGはこんなお店でした。