パチンコなどを

 2月くらいから都内、池袋の歯医者に通っている。サンシャインシティの中にある歯医者で、ここは40代の頃に通っていたところだ。元々は信濃町にある歯医者で、池袋や新宿、埼玉にも幾つか診療所があるところであり、20代の頃に信濃町でかかって以来なのですでに30数年の付き合いということになる。当時、市ヶ谷に勤めていたことと、確かここの院長が出した本を読んだこととかがきっかけになった。
 去年までは地元、家から歩いて数分の歯医者に通っていた。その歯医者はちょっと難しい親知らずの抜歯などは自分で行わず、大学病院を案内する。うちの子どもは両方の奥歯に親知らずがあり、やはり大学病院を紹介された。大学病院は明海大なのだが、子どもにはこのサンシャインの歯医者を紹介したところ、割と簡単に抜歯してくれたようだ。
 自分も左下にほぼ横に突き出た歯があり、いつか抜こうと思っていた。いざ抜歯となるとやはり大学病院を紹介されたのだが、そのままになってしまい年明けにこのサンシャインの歯科医へ通うことにした。
 抜歯は割と簡単だったのだが、左の上下の奥歯4本がそれぞれ被せ物してあったが、その中が虫歯となっており、根の治療やセラミックの差し歯にするなどで40万以上かかることなった。ほぼ毎週通うはめになっている。
 池袋に毎週行くなんてのは、それこそ埼玉に越してきた頃、当時勤め先は後楽園にあったのだが、それ以来かもしれない。まあ、今でも月に何回かは都内で会議とかがあるので、池袋はけっこうな頻度で出歩いているが、さすがに毎週というのはあんまりないことだ。で、歯医者のあと、日中で家に帰るだけなので、ちょっと寄り道みたいなことで本当に久々パチンコなどをするようになった。
 パチンコは若い頃から随分とやった。20代から40代半ばまでけっこうな頻度でずっとやっていた。もちろん勝つこともあるが、たいていは負ける。よく冗談半分にこれまでパチンコで負けた金額は多分マンション購入の頭金くらいみたいなことを言っていた。ギャンブル中毒の一歩手前までいっていたかもしれない。
 さすがに50を過ぎた頃からほとんどやらなくなった。金銭的には自由になる金は増えたはずなのだが、とにかく時間がない。普通に仕事し、家事をし、妻の介護とかしていると、パチンコなどに興じる時間はまずない。まあ考えてみれば20代から不毛な時間の使い方をしてきたもんだとも思う。あのパチンコに費やした膨大な時間、あれをもっと文化的なことに使っていたら、もっと違った人生があったかもしれない。それを思うと切ない。
 そんなこんなのパチンコなのに、歯医者の帰りにちょくちょく寄るようになっている。たいていは負ける。5回やって2回くらいは1〜2万勝つこともあるが、だいたい1回でそれくらい負ける。
 この日も1万2000円くらいつぎ込んで完全負けパターン。こうなるとほとんど惰性で、最後にもうちょっとやって気持ちよく負けて帰ろうくらいのつもりで(実際は絶対気持ちよくならない)、2階のフロアーで今までやったことのない台でやってみた。サイボーグ009デビルマンが合体したようなマシンで、コピーライト石ノ森章太郎ということになるのか。
 最初1000円やってまったく反応なく、もう1000円やったところで一回揃った。まあ通常の当たりなので、すぐにつぎ込んで終了と思っていたところ、すぐにまた揃ってこれが大当たりとなった。そこからずっと当たりが続き、気がつけば19回連続ということになる。4円の台なので普通に計算すると12万くらいになる計算なのだが、結局は10万と少しみたいなことになった。しかし10万超えなんて15年ぶりくらいだろうか。まあ昔はたいてい負けているが、時々10万超えとか20万超えなんていうのもあるにはあった。でも今回の大勝ちでもさほど感激もなく、まあ淡々としている感じ。これでまたのめり込むなんてこともないとは思う。