DAFT PANK「Random Access Memories」

RANDOM ACCESS MEMORIES

RANDOM ACCESS MEMORIES

  • アーティスト:DAFT PUNK
  • 発売日: 2013/05/17
  • メディア: CD
年甲斐もなく流行ものに手を出してみた。
2014年56回グラミー賞を総ナメしたアルバムである。ダフトパンクをその容姿から単なるテクノポップぐらいに思っていたのだが、どうしてどうして良質なポップス、ご機嫌なファンキー・サウンドを聴かせてくれる。
元々フランスのハウス・ミュージックアーティストらしいが、ほぼほぼファンキー・テイスト、少し懐かしいディスコティックなポップスだ。なんていうのだろう、そんな言葉があればユーロ・ファンク、ブルーアイド・ファンクみたいな感じだろうか。
このアルバムの完成度は高い。捨て曲なしだ。1曲目の「Give Life Back to Music」はナイル・ロジャースのカッティング・ギターをフィーチャーしている。軽快なファンキー・ナンバーでありながら、曲調はやや哀愁を込めたセンチメンタルムードを漂わせ、それをヴォイス・エフェクターをかけてテクノっぽく処理する。二重、三重に匠をこらした名曲である。この1曲でリスナーをぐいぐいとこのアルバムの世界に引き込む。
2曲目の「The Game of Love」はスローなナンバーで、よりメロディアスかつ哀調を高めた佳作だ。ファンク、テクノ、センティメンタルなリリシズム、このへんがダフトパンクの音楽性のキーになりそうだ。
そして3曲目はインストルメンタルナンバーの「Giorgio By Moroder」。この曲は80年代のジャズ・フュージョンテイストのナンバー。ちょっとチック・コリアやハンコックを彷彿させるようなエレピソロも聴かせてくれる。
このアルバムに先行してシングルカットされ大ヒットした8曲目「Get Lucky」は時代の寵児ともいうべきファレル・ウィリアムスをフィーチャーし、再びナイル・ロジャースがご機嫌なカッティング・ギターを聴かせてくれる。

きけば1993年デビュー。すでに20年以上のキャリアがあり10枚のアルバムをもつベテラン・ユニットではあるが、リミックスやライブアルバムを除くスタジオ録音アルバムは4枚だけ。寡作だが良質なサウンド・クリエーターといえるだろう。
妙にはまってしまった感がある。しばらくマイブーム的にダフトパンクのアルバムを追いかけていきそうだ。ジジイだがダフトパンクを聴いている。