エスペランサ・スポルディング(Esperanza Spalding)

まずはこの写真から。なんとも愛くるしいアフロヘアのかわい子ちゃんである。

世の中には美しい女性は数多いるだろう、それは知っている。歌の上手い女性も沢山いる。さらにいえば、楽器を見事にこなす女性も大勢いる。こういう世の中であるからして、ベースギターの名手と称せらる女性もいるかもしれない。まあこのへんになるとあんまり聞いたことがないかもしれない。
しかしその三つを兼ね備えた若き女性がいるのである。いやはやなんとも。天は二物を与えずどころの騒ぎではない。まだ20代半場という若さなのに、きっちり三物が備わっているのである。さらにいえば、経歴とかを読んでいる限りではこの人にはさらにインテリジェンスの部分でも半端ないらしいとのこと。ある意味、世の中は本当に不公平極まりないと思う部分もある。
これだけの美人である。少々歌などヘタでも良さそうだし、ましてやベースなど弾けなくたって、かまいやしないだろう。それなのにおそろしく高次元でそれらを開花させているのがこの人、エスペランサ・スポルディングだ。ちなみに日本語表記ではたいていエスペランサとなっているが、Youtubeの動画とかを見ているとどうにもエスペランザと濁っているようにも聞こえるのだが。
今年のグラミー賞の新人賞をとった人なんだそうだが、不覚にもまったく知らなかった。最近のジャズ・シーンなどほとんどわからないから、まあ無理もないけど。たまたま先日、大好きな山本潤子のブログを見ていたら、エスペランザのことに触れていた。そこにあったリンクでとんだYouTubeの画像を見てびっくりしたということで、ほんとここ二、三日の話なのである。
グラミー賞2011 - Junko Yamamoto blog
リンクしてあったのはホワイトハウスで行われたスペシャル・ライブの模様。

もうほんとにビックリである。女性がウッドベースにまとわりつくようにして弾く姿はけっこうエロチックな感もあるが、やや童顔というか、かわい子ちゃん系のエスペランザがやっていると、まったくといっていいほど嫌味な部分もなく、こういうスタイルもありかなとも思わせる。
歌についてはえらく秀でたスタイルみたいなものは確立されてはいないと思う。たぶんそのへんはこれからだろうか。ベース演奏と取り上げる曲についていえば、基本的にはメインストリーム・ジャズの流れに沿いつつも、ややフュージョン系にふった感あり。なかなか小気味良いサウンドだと思う。
ということでさっそくCDを一枚アマゾンで頼んでみると、便利な世の中だね、翌日の今日には届いたりもする。とりあえず選んだのはこの一枚である。

ESPERANZA

ESPERANZA

リーダー二作目のアルバムらしい。まだ流して1回聴いただけだが、なかなかにしっかりとした演奏である。ややラテン=サンバ風にふったアルバムのようだが、メインストリームジャズも随所に展開されている。1曲目にフィーチャーされているのが懐かしいミルトン・ナシメントの「PONTA DE AREIA」なのもちょっと泣かせる。いずれにしても高品質な演奏だ。
本当に通して1回聴いただけの印象なのだが、4曲目の「I adore you」が一番気に入った。ハイテンポなサンバ系の曲だ。途中でベースとのユニゾンでハイテクニックなスキャットを聴かせてくれる。そう、この人はスキャットが売りの一つのようだね。
かってベースとのユニゾンによるスキャットといえば、ライオネル・ハンプトンの名演奏で有名な「スターダスト」でユーモラスなソロを聴かせてくれたスラム・スチュアートなんかを思い出させるのだが、21世紀的進化系はこういう風になるんだなというのが率直な感想。
エスペランザのスキャットは、とにかく心地よく耳に響いてくる。それでいて半端ない馬鹿テクなのである。
とりあえず学習途中なのでこれくらい。彼女の経歴についてはいつものウィキペディアで。
エスペランサ・スポルディング - Wikipedia
先月には来日してブルーノートでライブとかもやっていたらしい。まあもっと早くに彼女のことを知っていても、ブルーノートじゃ行かない、行けないとは思うけど。
ESPERANZA SPALDING - エスペランサ・スポルディング|ARTISTS|BLUE NOTE TOKYO
グラミー賞受賞してすぐに彼女のインタビューとかも朝日に載っていたようだ。
http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY201102250392.html