医師との面談

 今日は一般的には仕事初めの日。なのに前夜の夜更かしの影響でか11時頃まで爆睡こいていた。驚いたのは娘もまたかたわらで同じように爆睡状態。今日からリハビリが始まっているので、リハビリしている妻の姿を見学するつもりでいたのに。慌てて食事をとり病院へ向かったのだが。
 病院も今日が初日らしく窓口も開いていたし診察も行っている模様だ。着いたのは12時半頃だったので妻は昼食途中だった。結局リハビリは見ることができなかったな。今日は、年末に医師から説明があるのでと看護師から言われていたのでこの日を予定していた。1時過ぎに医師に呼ばれて説明を受ける。この病院では一ヶ月に一回、各患者の状況、症例に基づいて医師、担当看護師、理学療法士作業療法士が経過等について話し合いを設けているという。それを受けて毎月、医師から家族は説明を受けるということになっている。その第一回目ということだ。
 医師からは妻の状況については、左半身の片麻痺のことよりも主に注意力障害がひどいということについて説明があった。注意力不足、注意力が散漫になっていること、また空間認識が甘いという。特に空間認識についてはいわゆる反側無視ということだけではなく、左側だけでなく右を含めた全般的な空間認識、構成力が低下しているという。それが注意力障害にも影響しているという。素人には、どうにも分かったような分からないような話なのだが、面会してかたわらにいても、とにかく落ち着きがなく、人と話していてもすぐに車椅子でどこかにいこうとする。テレビにしても一分と観ていられない。そんな状況を目の当たりにしているので、注意力障害についてはけっこう深刻に受けとめてはいたのだが、医師の話ではかなりひどい状況にあるということだった。
 また心理テストでも言語性知能指数VIQは103と常人並なのだが、動作性知能指数PIQが59と極端に低下している。そのうえで全検査IQは82との判定だった。そこで所謂高度脳機能障害ということかと聞くと、高度脳機能障害というときわめて全般的な話になってしまうので、妻の注意力障害はもっと限定的な症状だという。それでは認知症的なものかとは怖くて聞けなかったのだが、医師は当初からの診断として、妻の場合全般的な知能低下を指摘しているのでより顕著な障害、あるいは症状なのかもしれない。
 医師は注意力障害は前頭葉がやられている場合に起きること、空間認識については頭頂葉が影響しているので、やはり大きな梗塞巣が両方に障害をもたらしている可能性を指摘していた。それでも妻の状態が入院当初よりだいぶん落ち着いついてきているので、今後のリハビリで改善される可能性もあるとの話だった。また、私がメモを取るように習慣づけたいなど、注意力障害を改善することについて素人考えながら言ってみたところ、そのへんを含めてリハビリ治療をしているので、家族はあまりいろいろと患者には要求しない方が良いとか、まだリハビリを始めて二週間程度なので、焦らないほうが良いと諭されてしまった。
 ある意味、専門家(プロ)にまかせておけばいいということなのだろう。またリハビリの端緒についたばかりだからというのは、ある意味有難い言葉でもある。でも、いずれ一〜二ヶ月したら退院、自宅での介護生活が現実となるのだから、家族としては焦るなといわれてもそれを言葉通りには受け取れない部分もないわけでもないのだ。難しいところではあるな〜。

・言語性IQ(VIQ)
 一般的には,「言語能力」。場合によっては、「聴覚的な情報処理能力」とされる。言語 性の能力や聴覚−音声処理過程の能力を知識、類似、算数、単語、 理解、数唱などから ら測定して評価する。過去の学習経験を適応して得られた判 断力や習慣などの知的機能 と関係が深いとされる。
・動作性IQ(PIQ)
 一般的には,「非言語能力」。場合によっては、「視覚的な情報処理能力」ととらえる。 動作性能力や視覚運動処理過程の能力を絵画完成、絵画配列、積木模様、組合せ、符号な どの測定から評価される。トータルIQがどんなに測定して得られる。新しい状況に適応す る能力と 関係が深いとされている。