初めての岡田美術館 (4月22日)

 箱根には何度も来ているのだが、岡田美術館はなぜかこれまで一度も来ていない。まあなんでかといえば、一つにはやたらと高い入場料。かなり大規模な施設で5階建て、展示面積は5,000㎡に及ぶことや、所蔵品の中から常時450点くらい展示されているという。それを思うとけっして高いという訳ではないんだろうが。まあ徳島の大塚国際美術館は入場料3300円だけど、それでも10数回は行っているから、けっして入場料の問題だけではないのだけど。まあ大塚国際は延床面積29,412平方メートルで、おそらく国立新美術館(47,960㎡)に次ぐ広さだし、原寸のシスティーナ礼拝堂を見るだけでその価値ありだとは思う。

 とはいえ、せっかく箱根に二泊するのでと行ってみることにした。事前に調べた情報によるとカメラやスマホは事前にロッカーに預けることになっている。実際、その通りで、さらに入場する際にカバン類は金属探知機(空港とかにあるやつ)でチェックを受ける。かなり厳重である。作品保護とか著作権とかそのへんのことなんだろうけど、ここまでやるかという気もしないでもない。いまどきでいえば、作品をSNS等であげた方が口コミ含めて宣伝にもなるだろうに、と思わないでもない。

岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

 フロアは以下のようになっている。

1F 中国陶磁・玉器・韓国陶磁

2F 日本陶磁・和ガラス・複製画喜多川歌麿「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」

3F 日本画・特別展示「花鳥風月 名画で見る日本の四季」

4F 日本絵画・書跡・古代の工芸・韓国の美術

5F 仏教美術

 1Fの中国陶磁からまず圧倒される。凄い展示規模である。これはちょっと凄いなと思いながらもとりあえずザクっと回ってから、次はエレベーターで5階まで向かう。この仏教美術もなかなか見応えがある。なんとなく規模からするとトーハクや九州国立博物館を思い出すような感じだ。それから4Fの日本画、古代の工芸などを観て、いよいよ企画展「花鳥風月名画で見る日本の四季」の3Fに。

 出品リストをもとに作家を適当にリストアップすると順不同でこんな感じである。

鈴木其一、葛飾北斎酒井抱一、森狙仙、狩野元信、速水御舟尾形光琳円山応挙小林古径、土田麦僊、菱田春草横山大観伊藤若冲加山又造、神坂雪佳、田村水鶴、田中一村、歌川豊春、上村松園などなど。

 やはり目玉は83年間所在不明で2015年に発見されたという伊藤若冲の「孔雀鳳凰図」だろうか。まあ若冲は人気があるし、一度は観てみたいとは思うわね。

 あとこれも目玉中の目玉というべき歌麿の「深川の雪」は複製展示だけど、実物展示は7/16~10/3まで行われているとも。

 なかなかボリューミーで、ちょっと観光地の美術館としてはなかなかない規模の良質な作品があるので、たまに訪れていいかなと思った。

 ちなみにこの美術館、これだけの大規模な施設と収蔵品だけに、私設美術館としてはちょっと類を見ないものがある。まあ割と近いけど熱海のMOAの規模に近いものがある。バックはなんだろう、多分宗教かなとちょっとググると運営しているのは、ユニバーサルエンターテインメントという会社で、パチスロ機、パチンコ機ノメーカーである。なんだパチンコの儲けで美術品買い集めたのかという、なんとも微妙なオチがついた。

 まあ原資はどうあれ、美術品に罪はない。入場料2800円でもこれだけの施設とコレクションを維持していくのはかなり大変だとは思う、暴利を貪るとはとても思えない。願わくば長くこの素晴らしい施設とコレクションを維持してもらいたいものだとは思った。

岡田美術館 - Wikipedia