新型コロナウイルス時系列メモ(2020年1月~5月30日)

2019年
12月31日 中国当局からWHO(世界保健機関)へ原因 不明の肺炎の発生が報告
2020年
1月1日 武漢市海鮮市場(華南海鮮城)を閉鎖
1月5日 武漢市衛生健康委員会が感染者5名、うち7人重症と発表
1月9日 新型肺炎に関する初の死亡例が中国で確認
1月12日 ・中国国内の感染者のうち7例が退院、6例が重症
1月13日 ・タイで最初の感染症例を確認
1月16日 ・日本で最初の感染症例を神奈川県で確認
1月19日 ・中国深セン市で1名の感染を確認
      ・韓国で最初の感染症例確認
1月20日 ・中国深セン市(1名)、北京市(2名)で感染者確認
1月22日 ・米国、中国武漢からの渡航者の入国を5つの空港で制限
      ・WHOが緊急会議
      北朝鮮、中国からの観光客の受け入れを全面停止
      ・中国の感染者440名、死者9名
1月23日 ・WHO、緊急事態宣言を見送り
      武漢市閉鎖、空港、鉄道、フェリーなどの交通機関運行停止
      全日空など複数の航空会社が武漢への運航を停止
1月24日 ・台湾、中国大陸全土への団体旅行を中止
      ・日本、中国湖北省武漢含む)への渡航を中止勧告
      フィリッピン武漢からの観光客500人を強制送還
      ・中国の感染者830名、死者25名
1月25日 ・上海ディズニーランド閉鎖
      ・中国政府、海外旅行を事実上禁止決定(1/27より)。ただし禁止になるのは団体旅行で個人旅行は含まれない
1月26日 香港ディズニーランド閉鎖
      ・日本で4例目の感染症確認
1月27日 ・香港、湖北省からの入境を禁止
      ・日本、新型肺炎を「指定感染症」に指定すると発表
      ・中国の感染者2744名、死者80名
1月28日 ・日本、「新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部会議」を立ち上げる
      ・WHOは世界リスクを「高」に訂正
      ・米国国立衛生研究所新型肺炎のワクチン開発に着手
      北朝鮮、中国からの入国者を一ヶ月間隔離措置へ
      ・中国の感染者4515名、死者106名
1月29日 ・日本政府、武漢への民間チャーター機を派遣、206名が帰国
      厚労省健康フォローアップセンター設置
      ・オーストラリア、新型コロナウイルスの培養に成功
      ・英国、ブリティッシュ・エアライズの中国発着便を全便欠航
      ・中国の感染者5974名、死者132名
1月30日 ・日本政府、武漢への民間チャーター機2便目派遣
      ・WHO、2度目の緊急会議
      ・中国の感染者7711名、死者170名
2月1日 ・フィリピンでコロナ感染の男性が死亡、中国以外で初の死者
      武漢からチャーター便で帰国した日本人から新たに3名の感染が確認。うち1名は再検査での感染確認
2月4日 ・クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の清水港寄港中止
2月7日 ・ダイヤモンド・プリンセス号の感染者4名が静岡県の病院に搬送
     アウトブレイクの可能性を訴えた中国人眼科医李文亮氏が新型コロナウイルス感染で死亡
2月8日 武漢市で入院中の日本人男性が死亡
2月10日 ・韓国政府が日本を含む6国・地域への渡航自粛を要請
2月11日 ・WHOが新型コロナウイルスの正式名称を「COVID-19」と命名
      ・中国での死者1000人を突破
2月12日 新型コロナウイルスの影響により世界最大のモバイル機器見本市「モバイル・ワールド・コングレス」中止が決定
2月13日 崎陽軒、ダイヤモンド・プリンセス号にシウマイ弁当を寄付、乗客に届かず。
2月14日 ・アフリカで新型コロナウイルス感染者が確認
2月15日 ・エジプトで初の感染者が確認
2月16日 ・第36回国技館5000人の第九コンサート中止
2月17日 天皇誕生日一般参賀の中止発表
      東京マラソン2020、一般ランナーの参加中止を発表
2月18日 ・米アップル、新型コロナウイルスの影響により1月に行った決算報告の財務見通し無効と発表
2月19日 ・ダイヤモンド・プリンセス号から新型コロナウイルス陰性の乗客の下船を開始(21日まで)
2月20日 ・イランで初の感染者確認
2月21日 ・サンリオ・ピューローランドが臨時休館を発表
2月22日 イスラエルレバノンで初の感染者確認
2月24日 ・日本国内の専門家会議が「今後1~2週間が瀬戸際」との見方を示す
      ・WHOが潜在的パンデミックの可能性を示唆
2月25日 ・日本政府が新型コロナウイルス対策で基本方針を発表
    ① 今後の国内での健康被害を最小限に抑える上で極めて重要な時期
      ② 企業に対して発熱等の症状がみられる職員等への休暇取得の勧奨、テレワークや時差出勤の推進等を強力に呼びかけ
     ③ イベント等の開催は全国一律の自粛要請を行うものではないが、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の検討を改めて検討するように要請
      ・Jリーグが試合の延期発表
      IOCのディック・パウンド委員が東京オリンピック開催判断の期限を5月下旬と言及した
      ・中国の感染者7万8064人、死者2715名
2月26日 ・日本政府が今後2週間のスポーツ・文化イベントの中止や延期を要請
     ・北海道は新型コロナウイルスで全公立小中学校を2月27日から3月4日まで臨時休業とするよう各市町村教育委員会に要請
      ・日本政府が、韓国・大邱市からの入国拒否の方針を固める
      ・韓国の感染者1146人
2月27日 ・日本政府が3月2日から春休みまで、学校等に臨時休業を要請
2月28日 ・北海道の鈴木知事は「緊急事態宣言」を出し、3週間の間週末の外出を控えるように呼びかけた
      東京ディズニーランド東京ディズニーシーユニバーサル・スタジオ・ジャパンが2月29日から3月15日までの休業を発表
      ・WHOは新型コロナウイルスについての危険性評価「高い」から「非常に高い」に引き上げ
2月29日 ・安倍首相が緊急記者会見
       ① 今後1~2週間は国内の感染拡大防止にあらゆる手を尽くすべき
      ② 世界経済の動向も注視し、そのインパクトに見合う経済財政政策を行う
3月2日 ・全国の学校で臨時休業開始
      日銀総裁談話「今後の動向を注視、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」
3月4日 ・クルーズ船を含む国内感染者が1000名を超す
3月5日 ・中国、韓国からの入獄者に2週間の待機要請(9日より)
3月6日 PCR検査、公的医療保険適用開始
3月7日 中韓発給済みビザ効力停止
      ・全世界で患者数10万人超え
3月8日 ・大相撲春場所が無観客開催
3月9日 ・専門家会議が現状認識を公表
       ① 爆発的な感染状況には進んでおらず、一定程度持ちこたえている
       ② 感染者数は当面増加傾向、警戒を緩めることはできない
       ③ 北海道の緊急事態宣言に基づく対策の効果を検証、19日をめどに公表
       ・プロ野球開幕の延期決定
       ・イタリア全土で移動制限開始
3月10日 ・日本政府、新型インフルエンザ対策特別措置法改正案を閣議決定
     ・政府、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第2弾発表
① 感染拡大防止策と医療提供体制の整備
     ② 学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応
     ③ 事業活動の縮小や雇用への対応
④ 事態の変化に即応した緊急措置等
      ・「緊急事態宣言」可能にする法案を閣議決定
       ・国内感染者1230名(国内感染520人、クルーズ船696名)
3月11日 ・春の選抜高校野球大会中止決定
     ・ディズニーランド、ディズニーシー、USJ休園期間を延長
      うなぎパイ、生産中止
      トム・ハンクス感染
3月12日 ・WHO、新型コロナウイルスパンデミックと宣言
      ・NYダウ、過去最大の値下がり幅となる2352.60ドルに下落
      アメリカ、イギリスを除く欧州からの入国30日間停止
     NBA中止
3月13日 新型インフルエンザ対策特別緊急措置法改正案が国会で可決。「緊急事態宣言」 が可能に
    ギリシャ国内での聖火リレー中止
3月14日 ・安倍首相が緊急記者会見
    ① ストレス解消に屋外へ
      ② オリンピック予定通り
     アメリカ、国家非常事態宣言
 ・カルフォルニアディズニーランド閉鎖(3月末まで)
3月15日 ・イタリアの感染者21157名、死者1441名
・オーストラリア入国後2週間の隔離措置
3月16日 ・国内感染者1526名(内クルーズ船712名)、死者24名
   ・国外感染者152040名、死者5706名
      ・カナダ入国禁止措置発表
・フロリダウォルト・ディズニー・ワールド、ディズニーランド・パリ閉鎖(3月末まで)
3月17日 ・ドイツ、フランス、スイス、オーストリアルクセンブルクデンマークと事実上の国境封鎖
      ・東京都感染者数12名
3月18日 ・東京都感染者数9名
3月19日 アメリカ、カルフォニア州外出禁止令
     ・2月の訪日客58%減の108万人発表
・東京都感染者数7名
3月20日 ・サッカー協会会長田嶋幸三、新型コロナに感染
・東京都感染者数11名
3月21日 ・東京都感染者数7名
3月22日 アメリカ、ニューヨーク州外出禁止令
・トルコ、日本以外の68ヵ国、地域からの航空便乗り入れ禁止
・東京都感染者数2名
3月23日 ・東京都感染者数16名
3月24日 東京オリンピック延期決定
・東京都感染者数17名
3月25日 ・新型コロナ感染の兆候、嗅覚喪失が確認
      ・小池東京都知事緊急会見「週末の外出自粛要請。解除は4月12日までで判断。
      ・英国チャールズ皇太子感染
      ・米歌手ジャクソン・ブラウン感染
      ・東京都感染者数41名
3月26日 東京オリンピックの日程「三週間」で決定予定
・埼玉県、東京行き自粛要請
阪神藤浪晋太郎選手感染
・ディズニーランド、ディズニーシー、休園期間延長。再開は4月20日以降。 USJ、休園期間さらに延長4月12日まで
・東京都新たな感染者47人
3月27日 ・新型コロナで専門家諮問委が対処方針発表。都道府県はクラスターが発生しやすい「密閉空間、密集場所、密接場面」の3条件がそろう集まりの自粛を求めた(三密)
① 換気の悪い密閉空間
② 多数が集まる密集場所
③ 間近で会話や発声する密接場面
・小池東京都知事会見「週末外出自粛要請、平日は自宅勤務。花見など控て」
大阪府が週末のが委縮自粛要請
  ボリス・ジョンソン英首相がコロナウイルスに感染
・東京都感染者数40名
3月28日 ・安倍首相会見「旅行、運輸、外食、イベントで需要喚起とV字回復を」、緊急事態宣言は回避
・イタリア、死者1万人超
・スペイン、死者1日で最多832人。累計5960人
・台湾、全ての交通拠点で体温チェックを4月1日から
・東京都感染者数63名
3月29日 志村けん死去
・東京都感染者数68名
3月30日 ・小池東京都知事緊急会見「夜の接待飲食店は避けて」感染経路不明の患者増
ヴィッセル神戸酒井高徳選手、感染
・東京都感染者数13名
3月31日 ・脚本家、宮藤官九郎感染
アメリカディズニーランド、無期限閉鎖
・東京都感染者数78名
4月1日 新型コロナウイルス感染症対策本部(25回)
     ① 3月6憶枚超のマスク供給。4月は7憶枚の供給確保の見込
      ② 3月1500万枚のサージカルマスクを全国医療機関に配布、4月はさらに1500枚の配布予定
      ③ 布マスクの利用、1憶枚の確保の目途。全国5000万余世帯に1住所あたり2枚ずつ配布を決定
     ・野球解説者、梨田昌孝感染
アメリカジャズトランペッター、ウォレス・ルーニー新型コロナで死去
・東京都感染者数66名
4月2日 ・東京都感染者数97名
4月3日 ・東京都感染者数89名
4月4日 ・東京都感染者数114名
4月5日 ・米国   感染31万2249人 死者8503人
      スペイン 感染13万759人 死者1万2418人
イタリア 感染12万4632人 死者1万5362人
ドイツ  感染 9万6108人 死者 1446人
フランス 感染 9万 853人  死者 7574人
中国  感染 8万2602人 死者  3333人
・東京都感染者数143名
4月6日 ・安倍首相は新型コロナ感染症対策本部会合で、PCR検査の1日の実施数を2万件に増やすと表明
・米歌手、クリスロファー・クロス感染
・東京都感染者数83名
4月7日 ・安倍首相「緊急事態宣言」発出
① 対象は7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)
② 期間は5月6日まで
③ 解除、延長は一定期間経過後、専門家の評価をもとに判断
④ 年封鎖は行わず、経済社会機能は可能な限り維持
⑤ 国民の行動を変え、人と人との接触機会の7~8割削減をめざす
・対象区域の各知事は外出自粛要請や施設の使用停止などの私権の制限を伴う措置が可能になる。
・同時に108兆円の緊急経済対策閣議決定
① 減収世帯への30万円の現金きゅうふ
② 売上が半減した中小・小規模事業者への最大200万円の給付金
※個別補償は行わない方針
・J・K・ローリング、新型コロナウイルスに罹患していたことを発表
・東京都感染者数79名
・英ボリス・ジョンソン首相、新型コロナで容体悪化、集中治療室へ
4月8日 全国知事会「休業損失、国が補償」を提言
・中国武漢、77日ぶり解除
三省堂神保町本店、池袋本店、有楽町店4/8~5/6まで休業
・東京都感染者数144名
4月9日 ・休業要請先、国と東京都が合意
      ・愛知県、特措法に基づく対象区域化を要望
・東京都感染者178名
4月10日 ・東京都休業要請する対象施設を発表
キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、バー、性風俗店、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶、カレオケボックス、競馬投票券発売所、場外車券売り場、ライブハウス、体育館、水泳場、ボウリング場、スポーツクラブ、マー ジャン店、パチンコ店、劇場、ゲームセンター、観覧場、映画館、演芸場、集会場、博物館、美術館、図書館など
※床面積合計100㎡以下は適切な感染防止対策を施した上で営業
※小中高校など(原則として施設の使用停止)
 ※飲食店などの営業時間の短縮(午前5時~午後8時まで)、酒類の提供は午後7時まで
・神奈川県、東京都の休業要請に同調
・国、30万円給付基準統一
・愛知県、独自に緊急事態宣言
・東京都感染者数188名
4月11日 ・安倍首相、緊急事態宣言の出ている7都府県のすべての企業に対して出勤者 7割減要請
・世界の死者10万人を超える
・東京都感染者数197名
4月12日 テレビ朝日アナウンサー富川悠太(43)が新型コロナウイルスに感染
・東京都感染者数166名
4月13日 ・東京都の休業要請に同調4府県(千葉、大阪、兵庫、福岡)
・東京都感染者数91名
4月14日 IMF世界経済見通しとして2020年の世界全体の成長率を前年比3.0%減と発表。
・政府、30万円給付を拡大して世帯主以外の減収も対象に。
  ・東京都感染者数161名
4月15日 ・東京都感染者数127名
    ・韓国国 第21代韓国国会総選挙において与党共に民主党が圧勝。
紀伊國屋新宿本店休業4/15~5/6まで
・タレント石田純一、新型コロナに感染
      ・米サックス奏者、リー・コニッツ新型コロナによる肺炎で死去(92歳)
4月16日 ・緊急事態宣言を全都道府県に拡大
・安倍首相、公明党山口代表との会談を受け、追加の緊急経済対策として「国民一律10万円」を検討
・ 米国、WHOが中国寄りと批判して拠出を停止
・東京都感染者数149名
・国内感染者数9160名、死者数191名
4月17日 ・東京都感染者数201名
・1世帯2枚の布マスク配布が東京都内で始まる
プロ野球、5月中の開幕断念。セパ交流戦中止決定
4月18日 フリーアナウンサー赤江珠緒、新型コロナ感染
・国内感染者数1万人超える
・全国の妊婦に配布した布マスクに不良品があったと発表
4月19日 ・西村経済再生相、地方の臨時交付金を休業の「協力金」につかるよう方針転換
4月20日 ・政府、補正予算案の閣議決定やり直し。事業規模117兆円に
・米国で原油先物価格が暴落。史上初めてマイナス価格へ
4月21日 ・軽症として自宅療養中の埼玉県の50代男性が死亡
オムロン元社長立石義雄氏、新型コロナ感染で死去(80)
4月22日 ・政府の専門家会議委員釜萢敏氏は、受診の目安とされてきた「発熱後4日自宅待機ルール」を「普段受診されない方でも体調が悪い状態が4日続いたら受診してくださいという趣旨」と発言
・長崎に停泊中のイタリアのクルーズ船で集団感染が判明
4月23日 ・タレント岡江久美子新型コロナによる肺炎で死去(63歳)
・俳優和田周、23日新型コロナによる肺炎で死去、81歳
4月24日 ・臨時休校中の幼稚園、小中学校、高校など全体の9割と発表
大阪府が休業要請に応じないパチンコ店の店名公表
4月25日 相撲協会、高田川親方ら6人の力士の感染を発表
4月26日 ・8月予定の高校総体中止
・国内感染者13439人(+210)、死者372人(+12)
4月27日 ・日銀、国際購入の上限撤廃
・英ボリス・ジョンソン首相公務に復帰
・国内感染者13606人(+167)、死者394人(+22)
4月28日 ・国内感染者13890人(+279)、死者413人(+19)
4月29日 ・加藤厚労相参院予算委員会で受診の目安としてきた「発熱後4日間自宅待機ルール」に関して、国民と保健所の誤解だと発言.
4月30日 補正予算成立(総額25兆円規模)
・安倍首相、緊急事態宣言延長の意向を発表。正式には5/4の予定
・米歌手マドンナ(61)新型コロナ陽性と発表
・国内感染者数14306人(+188)、死者457J人(+22)
5月1日 ・専門家会議、外出自粛の継続提言
① 現時点で爆発的な増加は逃れ、新規感染者数は減少傾向
② 大都市圏から人が移動し、地方で感染が拡大
③ 新規感染者が減少しても、医療現場のひっ迫した状況は解消されない
④ 対策は「感染状況が厳しい地域」と「感染者が十分に減った地域」で区分け
⑤ 感染者が減った地域でも「新しい生活様式」-3密の回避、手洗い、テレワークや時差出勤での長丁場の対応が必要
・ロシア首相ミシュチン、新型コロナ感染と発表
・国内感染者数14572人(+266)、死者486人(+29)
5月2日 厚労省、レムデシビル承認へ
・国内感染者数14879人(+307)、死者517(+31)
5月3日 ・大相撲春夏場所中止へ
・国内感染者数15084人(+203)、死者535人(+18)
5月4日 ・安倍首相記者会見、緊急事態宣言を5/31まで延長と発表
① 緊急事態宣言は31日まで延長。対象は全都道府県
② 13の「特定警戒都道府県」は人との極力8割削減を求める
③ 14日をめどに専門家が地域ごとの感染状況などを分析。可能なら期限前に宣言解除
④ 飲食店などの家賃負担、雇用調整助成金の拡充、アルバイト学生への支援について速やかに追加対策を講ずる
⑤ 商店、文化施設、小規模イベント開催は感染対策を十分に講じた上で再開を認める
※併せてアビガンの5月中の薬事承認を目指す考えを表明
・国内感染者数15261人(+178)、死者556人(+20)
5月5日 ・専門家会議、PCR相談の目安変更へ。重症化しやすい人は風邪症状2日以上の日数をなくし、「37.5度以上」が4日以上としていた発熱の目安も削除を検討
大阪府が休業と外出自粛要請の段階的解除に向けた独自基準を決定
・国内での感染者数15382人(+121)、死者566人(+10)
・世界計、感染者数358万5357人、死者25万1595人
5月7日 ・西村経済担当相、直近1週間感染ゼロを目安に緊急事態宣言解除「17県視野」に
・政府は14日頃に緊急事態宣言解除を専門家に諮る予定
・休業要請26県が緩和
紀伊國屋新宿本店、営業再開
・国内感染者数15586人(+206)、死者590人(+24)
・世界感染者375万4650人、死者26万3861人
5月8日 厚労省PCR相談の目安変更
<これまで> 
① 風邪症状や37.5度以上の発熱4日以上、高齢者、基礎疾患のある人2日程度
② 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
<今後> 
① 息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状がある
② 高齢者や基礎疾患のある人などで、発熱やせきなど軽い風邪症状がある
③ 軽い風邪症状が続く(4日以上の場合は必ず)
・米失業率14.7%戦後最悪
・国内感染者数15676人(+90)、死者606人(+16)
・世界感染者384万7278人、死者26万9598人
5月9日 ・国内感染者数15790人(+114)、死者624人(+18)
・世界感染者数394万866人、死者27万4950人
5月10日 ・西村経済再生相、13の「特定警戒都道府県」を除く34県の多く緊急事態宣言解除を視野に
全日本吹奏楽連盟、今秋予定の全日本吹奏楽コンクールを中止
・国内感染者数1万5860人(+70)、死者633人(+9)
・世界感染者402万6729人、死者27万9345人
5月11日 ・安倍首相、雇用調整助成金の日額上限を1万5千円程度まで引上げを検討
新型コロナウイルス再陽性の感染者全国に35人
・安倍首相、検察庁法改正案、今国会成立の意向を示す
・国内感染者数1万5905人((+45)、死者数657(+24)
・世界の感染者数410万3241人、死者28万2728人
5月12日 ・全国121自治体調査、公立小中高校の休校期間、7割5月末まで。9割超が夏休み短縮の検討
トヨタ2021年3月期決算、営業利益8割減の5千億円となることを発表
・国内感染者数1万6065人(+160)、死者678人(+21)
・世界感染者数417万8346人、死者28万6355人
5月13日 ・大相撲三段目力士勝武士(28)、新型コロナウイルス感染で死去
・上場企業で決算発表した526社、1~3月の純利益8割減
・国内感染者数1万6119人(+55)、死者696人(+18)
・世界感染者数426万2799人、死者29万1981人
5月14日 ・安倍首相記者会見、緊急事態宣言を39県で解除すること発表
① 北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫など8県は緊急事態宣言を継続
② 21日をめどに感染状況を分析し、31日の宣言期限前の解除を検討
③ 解除の39県では各地の県知事が休業要請の継続、解除を判断
④ 39県では引き続き都道府県境をまたぐ移動の自粛、在宅勤務の継続、ウイルスへの警戒を求める
⑤ 27日をめどに第2次補正予算とりまとめを指示
⑥ 雇用調整助成金の日額上限を1万5千円まで特例で引き上げ
大阪府、16日より段階的に休業要請を解除へ
・国内感染者数1万6219人(+100)、死者713人(+17)
・世界感染者数435万26人、死者29万7251人
5月15日 ・東京都、特措法に基づく自粛要請を緩和する指標7項目を公表
①新たな感染者数②感染経路不明の割合③週単位の増加比率④重症患者数⑤入院患者数
PCR検査の陽性率⑦受信相談窓口での相談件数
レナウン、コロナ影響で業績悪化により民事再生手続きへ
IOC、1年延期された東京五輪の追加費用を最大8億ドル(約856億円)負担と決定
・国内感染者数1万6269人(+50)、死者729人(+16)
・世界感染者数444万4670人、死者30万2493人
5月16日 ・国内感染者数1万6329人(+60)、死者748人(+19)
・世界感染者数454万3975人、死者30万7736人
5月17日 ・コロナショックで派遣社員の大量雇い止めとなる「5月危機」迫る
・国内感染者数1万6358人(+29)、死者756人(+8)
・世界感染者数463万7130人、死者31万1843人
5月18日 ・1~3月期のGDP1次速報で前期より0.9%減、年率換算で3.4%減
・政府、検察庁法改正案の成立を断念
・国内感染者数1万6390人(+32)、死者768人(+12)
・世界感染者数471万8215人、死者31万5283人
5月19日 ・米、WHO脱退示唆。]WHOのコロナ対応が中国よりと批判
・国内感染者数1万6420人(+28)、死者773人(+5)
・世界感染者数480万6299人、死者31万8599人
5月20日 夏の高校野球選手権甲子園大会中止、新型コロナ影響を考慮
文科省、新型コロナによる学生への支援で留学生は成績上位の3割程度を対象とする説明
・国内感染者数1万6457人(+37)、死者784人(+11)
・世界感染者数490万1773人、死者32万3413人
5月21日 ・政府、大阪、京都、兵庫の近畿3府県を緊急事態宣言解除を決定
・東京、神奈川、千葉、埼玉、北海道の5都道県は緊急事態宣言継続
・国内感染者数1万6547人(+43)、死者799人(+15)
・世界の感染者数500万人を超える
・国内感染者数1万6547人(+43)、死者799人(+15)
・世界感染者数500万1494人、死者32万8227人

5月22日

・東京都、自粛緩和の3段階のロードマップ発表
ステップ1
博物館、美術館、図書館、体育館、水泳場、ボウリング場
イベント人数50人まで
飲食店の営業時間 朝5時~夜10時まで
ステップ2
自動車教習所、学習塾、劇場、映画館、演芸場、集会場
イベント人数100人まで
飲食店の営業時間 朝5時~夜10時まで
ステップ3
ネットカフェ、漫画喫茶、麻雀店、パチンコ店、ゲームセンター、遊園地
イベント人数1000人まで
飲食店の営業時間 朝5時~夜12時まで
・国内感染者数1万6577人(+30)、死者814人(+15)
・世界感染者数510万7572人、死者33万3032人
5月23日 ・国内感染者数1万6608人(+31)、死者825人(+11)
・世界感染者数521万5253人、死者33万8265人
5月24日 ・政府、5都道府県の緊急事態宣言解除、5/25に判断
・国内感染者数1万6650人(+42)、死者838人(+13)
・世界感染者数531万4625人、死者34万2167人
5月25日 ・政府、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川の5都道県の緊急事態宣言を解除
安倍総理記者会見
① 緊急事態宣言を全国で解除
② 第2次補正予算案を27日に閣議決定
③ 2度目の緊急事態宣言発出の可能性に言及
④ 6月中旬を目途に接触確認アプリを導入
⑤ 9月入学は有力な選択肢の一つ
・国内感染者数1万6671人(+21)、死者852人(+14)
・世界感染者数541万1498人、死者34万5122人
5月26日 ・政府、文化芸術・スポーツ関係者や団体に支援、最大150万円、総額560憶円規模の方針固める
兵庫県加西市新型コロナウイルス対策予算の財源を正規職員から10万円ずつの寄付形式想定
・国内感染者数1万6704人(+33)、死者863人(+11)
・世界感染者数550万8904人、死者34万6508人
5月27日 ・政府は新型コロナウイルス対策を盛り込んだ総額31兆9114憶円の第次補正予算案を閣議決定
・国内感染者数1万6744人(+41)、死者870人(+7)
・世界感染者数559万5091人、死者35万0547人
5月28日 ・米国、コロナ感染死者10万人を超える
・日産、3月期決算赤字6712憶円
・国内感染者数1万6807人(+63)、死者883人(+13)
・世界感染者数569万7334人、死者35万5758人
5月29日 ・政府専門家会議、感染のピークは4月1日頃と公表
・政府、専門家会議の議事録を残していないとした
経産省、緊急経済対策の手続き業務を769億円で民間団体に委託。その大部分を電通に749億円で再委託していた
北九州市で26人の感染者が確認
・国内感染者数1万6882人(+75)、死者890人(+6)
・世界感染者数581万6706人、死者36万437人

ダイアン・シューア

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 ここのところダイアン・シューアのこのアルバムに大ハマりしている。ことの発端はというと例によってYouTubeの周遊していてスティーヴィー・ワンダーのライブを観ていたとき。ケネディ・センター名誉賞での受賞式ライブの動画だったか。この名誉賞、功労のあったビッグ・ネーム、大スターを功労するもので、受賞者をトリビュートして、ゲストアーティストが受賞者の曲を演奏するというショー。

 大統領が臨席する厳かにしてけっこうファンキーなライブが繰り広げられる。ここ最近だと圧倒的にオバマ夫妻臨席というのが多い。直近はどうかというと、アーティスト側からの反対の声が多くトランプは出席しないということらしい。

 でもってダイアン・シューアのパフォーマンスはというとこんな感じである。


Diane Schuur performs at Kennedy Center to Honor Stevie Wonder

 正直ぶっ飛びものの圧巻なパフォーマンス。本当にこの人歌が上手いなと思った。そしてこのジャズ・ボーカリストが盲目ということでスティーヴィー・ワンダーの名誉賞ライブに呼ばれることには、ちょっとだけ違和感を感じた。

 実際のところ、この人はキャリアの中でもレイ・チャールズホセ・フェリシアーノとの共演とかもあったりする。盲目同士の共演みたいな本当にベタな紋切り型の発想なのがとても残念。

 この人は盲目であるとかいう以前に本当に上手な、稀代のボーカリストだと思う。コトバンクによるプロフィールをそのまま引用。

1953.12.10 -

米国歌手,ピアノ奏者。
ワシントン州オーバーン生まれ。
生まれて間もなく失明。9歳の時から歌を、16歳で作詩作曲を始める。マウント・フードコミュニーティ・カレッジで学んだ後、1970年代中頃カントリー&ウェスタン系のシンガーとしてレコードデビューを果たし、TV番組のオーディションにも合格。’79年自己のバンドでモンタレー・ジャズ祭に参加し、’82年ゲッツと共演する機会を得る。デイブ・グルーシン、ラリーローゼンと専属契約し、’87年カウント・ベイシー・オーケストラと共演する。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について

  1953年生だから今年68歳。もう大御所みたいな存在だね。スタン・ゲッツに見出されたというのは初耳。この人とかをまったく知らないかというとそんなことはなく、多分80年代の後半くらいにちょっとは聴いたことがあると記憶している。ちょうどその頃、新進気鋭女性ボーカリストみたいの流行った時期だった。

 記憶を巡ってみると多分、80年代に新生ブルーノートが復活して新しい若手スターが台頭した。その中で女性ボーカルの新人としてダイアン・リーブスやカサンドラ・ウィルソンがスポットライトを浴び、少し遅れてノラ・ジョーンズとかが出てきた。ちょうどその頃にダイアン・シューアも期待の若手みたいな形で取り上げられたんだと思う。

トーキング・バウト・ユー

トーキング・バウト・ユー

 

  このちょっとお洒落なジャケットのアルバムはよく覚えているし、多分レンタルCD借りて当時だとまだカセットにダビングしてウォークマンとかで聴いたように記憶している。盲目の女性ボーカルとはその時に知ったけど、そういうの別にして歌上手いな、若くてテクニックがある凄い人たちが次々に出てくるなと思ったもんだ。

 しかし、今調べてみるとダイアン・リーブス(1956年生)、カサンドラ・ウィルソン(1955年生)。みんな自分と同世代でやんの。そしてダイアナ・クラール(1964年生)、ノラ・ジョーンズ(1979年生)。この二人はもう完全に21世紀の人で若手も若手という印象だけど、56歳と41歳はもう中堅以上だな。

 ジャズはもう故人となったジャズ・ジャイアントが多いから大変だと思う。もうすでに巨匠の域にあるウィントン・マルサリスだっていまだにトランペット 小僧だと思っている人多いと思うから。

 話を戻そう、このダイアン・シューアのアルバム「PURE SCHUUR」である。1991年発表の作品で、ダイナ・ワシントンへのトリュビュート・アルバムだという。全体的に当時流行ったアダルト・コンテポラリー風のアレンジの中でダイアン・シューアののびやかなボーカルが広がる。収録曲は以下のとおりだ。

01 ノウバディ・ダズ・ミー
02 オール・コート・アップ・イン・ラヴ
03 ディード・アイ・ドゥ
04 縁は異なもの
05 タッチ
06 ベイビー・ユー・ゴット・ホワット・イット・テイクス
08 アイ・クッド・ゲット・ユースト・トゥ・ディス
09 ユー・ドント・リメンバー・ミー
10 ホールド・アウト
11 ウィ・キャン・オンリー・トライ

 1曲目の「ノウバディ・ダズ・ミー」から一気に引き込む。なんかもう聴いているうちに自然に目頭が熱くなってくるようなエモーショナルなボーカルである。


01 Nobody Does Me

 そしてこのアルバムでも自分的には一番のお気に入りの4曲目「WHAT A DIFFERENCE A DAY MAKES(恋は異なもの)」。この曲は1959年にダイナ・ワシントンがヒットさせた曲でもあり、ダイナ・ワシントンへのトリビュート・アルバムの白眉となる曲だ。


What A Difference A Day Makes

 この曲は本当に聴いているうちに目がうるうるとしてくる。どことなく懐かしさを感じさせる曲調。ダイアン・シューアのボーカルは、クールとエモーショナルを同居させ、のびやかに歌い上げる。途中でピアノと彼女のスキャットの掛け合いも見事だ。クールさと重厚さ、時に若い娘の嬌声のような華やかさもありと、この人の声は自由自在だ。この若々しい華やかさは、往年のエラ・フィッツジェラルドにも通じるような気がする。彼女もまた七色に変化するボーカルだった。

 とにかくこのアルバムはあたりだと思う。長く愛聴すると思う。

THE BEST OF SWINGLE SINGERS

G線上のアリア~ベスト・オブ・

G線上のアリア~ベスト・オブ・

 

 これも懐かしいグループだ。アマゾンを周遊してるうちについポチってしまった。

 このベスト盤に収録のうちMJQと共演したものが数曲ある。アルバム「ヴァンドーム広場」だっただろうか。これを自分はかなり早い段階で聴いてる。多分、小学生の頃だと思う。これもまたジャズを聴いていた兄がもっていた33回転のコンパクト盤だったように思う。

 クラシックとジャズの融合みたいな感じで、兄が講釈しながらかけてくれたんだと思うが、「G線上のアリア」「ヴァンドーム」はよく覚えている。ジャズと男女混成コーラスの親和性みたいなものに割と敏感に反応するのは、多分このへんの影響からだと思う。あとでシンガーズ・アンリミテッドを聴いた時にも、スウィングル・シンガーズをよりピュアにした感じみたいにとらえていた。

 今、改めて聴くとMJQとコラボ曲では、ジョン・ルイスのクラシック趣味、ヨーロピアン志向が少々鼻につくかなという部分もあるにはある。ややもすればアーシーで重いトーンのミルト・ジャクソンのヴァイヴがかくも室内楽風になっているのも驚きかもしれない。ミルト・ジャクソンの技術の高さとともにアレンジのジョン・ルイス風がすみずみまで活かされているということだろうか。

 スウィングル・シンガーズはクラシック曲をジャズ風、室内楽風にスキャットで歌い上げる一つのスタイルを確立した稀有なグループである。メンバーを代えながら1962年から1973年までフランスを拠点に第一期の活動があり、さらにイギリスに拠点を変えてから現在に至るも健在だという。

 自分にとってはただただ懐かしいベスト盤でもある。特に「アランフェス」「ヴァンドーム」は久々に聴くだけに、子ども頃に聴いた時のことなどを思い出す部分もある。狭い一室で兄の小さなレコード・プレイヤーで聴いていた頃のことだ。それから50年以上経っている。

 

ジルベルト・ウィズ・タレンタイン

ジルベルト・ウィズ・タレンタイン

ジルベルト・ウィズ・タレンタイン

 

  このアルバム・ジャケットには見覚えがあった。16くらいの頃だろうか、当時イージー・リスニング・ジャズに傾倒していた。多分、兄が買ったウェス・モンゴメリーの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を聴いたあたりからだろうと思う。そこでA&Mレコードの新レーベルCTIを知った。たぶん販促品だったのだろうが、CTIのアルバムを集めた小冊子風にパンフレットがあって、それを毎日のようにして見ていた。そこからこれも聴きたい、あれも聴きたいと思い、通い始めたジャズ喫茶でおずおずとリクエストし始めた。

 最初に買ったCTIのアルバムはというと多分デオダートの「ツァラツストラはかく語りき」だったと思う。これはイージー・リスニング・ジャズというよりはフュージョンだったと思う。当時はクロスオーバーとかいってたのだろうか。

 CTIレーベルには売れっ子のアレンジャーがいたと思う。第一に思い浮かぶのは前述の「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」もそうだがドン・セベスキーだ。さらにはストリングの美しいアレンジが秀逸なクラウス・オーガーマンなど。そしてその次くらいのところにデオダートとボブ・ジェームスみたいな風に思っていた。

 しかし、今思うともっともCTI的なアレンジャーは、特にボサノバに関していえば、実はデオダートだったんじゃないかと思ったりもする。それを強く思ったのはアントニオ・カルロス・ジョビンの「潮流」を聴いた時だったか。洗練度とかそのへんを含めても「WAVE」の方が完成度は高いかもしれないが、「潮流」にはブラジルの粗野な雰囲気、サンバ的な要素と売れ線のポップ風味がけっこううまく融合しているように思った。

 そしてこのアルバムである。ウィズ・タレンタインということでスタンリー・タレンタインとのコラボ作品である。で、今普通に思ったのだが、これってスタン・ゲッツに代わるタレンタインということなのか。アストラッド・ジルベルトスタン・ゲッツに見いだされた人でもある。ゲッツがボサノバを、ブラジルのミュージシャンと演奏する、それが「ゲッツ/ジルベルト」である。スタン・ゲッツジョアン・ジルベルトと共演し、そこにアントニオ・カルロス・ジョビンも参加する。そのスタジオに見学に来ていたジョアンの奥さんだったアストラッド・ジルベルトが急遽歌うことになり、録音されたのが大ヒットした「イパネマの娘」である。

 そのためアストラッド・ジルベルトといえばスタン・ゲッツということになる。この二人は映画に出演して、スキー・リゾート・ラウンジで「イパネマの娘」演奏してたりもする。たしか「クレイジー・ジャンボリー」だったと思う。

 アストラッド・ジルベルトスタン・ゲッツに代わる新たなテナー奏者との共演、そんな意味合いもあってのタレンタインなのかもしれない。まあ後付けっぽいといえばそれまで。でも、そういう意味では企画モノなのかもしれない。とはいえ、デオダートのアレンジはアストラッド・ジルベルトの良さ、ウィスパーで頼りなげなボーカルの魅力を十二分に引き出している。しかもきちんとブラジルテイストの中で。

1.Wanting Things(ウォンティング・シングス)
2.Brazilian Tapestry(ブラジリアン・タペストリー)
3.To A Flame (トゥ・ア・フレイム)
4.Solo El Fin (For All We Know)(ふたりの誓い)
5.Zazueira(ザズエイラ)
6.Ponteio(ポンティオ)
7.Traveling Light(トラベリング・ライト)
8.Vera Cruz(ベラ・クルス)
9.Historia De Amor (Love Story)(ある愛の詩
10.When There's A Heartache (There Must Be A Heart)(太陽をつかもう)

  収録曲の中ではアップテンポの2.5.6.7が秀逸。パーカッションはアイアート・モレイラでサンバテイスト満載である。9はフランシス・レイの有名な映画主題歌、10はバート・バカラック作曲で「明日に向かって撃て」の挿入歌だったと記憶している。

女神の見えざる手

女神の見えざる手(字幕版)

女神の見えざる手(字幕版)

  • 発売日: 2018/04/03
  • メディア: Prime Video
 

  なんの予備知識もなしに観たのだが、メチャクチャ面白かった。観終わるまでジェシカ・チャスティンがあの『ゼロ・ダーク・サーティ』のマヤだとも気づかなかったくらい。ここ最近観た映画の中では一番かもしれない。

 お話はワシントンでのロビイストの活動をやや戯画化したもの。銃規制法案を巡って大手ロビー会社の凄腕ロビイストの主人公が、銃規制反対派の仕事を断り、銃規制派の小さなロビー会社に移籍し、知力と時には違法な情報収集を駆使して法案成立に向けて活躍する。銃規制反対派の仕事を請け負った大手ロビー会社は、豊富な資金力を使い主人公の私生活を探り、彼女の違法性を告発する。彼女への聴聞会の最後に、彼女は起死回生の反撃に打って出て・・・・。

 とにかくハイテンポな展開で、2時間10分強の映画を一気にみせる。主人公の敏腕ロビイスト、スローンを筆頭に、登場人物はやや類型的な感じもしないでもないが、主演のジェシカ・チャスティンの圧倒的な演技力がそういう批判をねじ伏せる感じ。あと脇役陣もけっこう頑張っていて、銃規制反対を請け負うロビー会社の社長を演じるマーク・ストロングや、スローンの部下役のインド系美女ググ・バサ=ロー、大手ロビー会社時代のスローンの部下で彼女のスキャンダルを探る役どころ演じるアリソン・ピルもいい雰囲気で好印象。

 銃規制という問題、ワシントン政界でのロビイストたちの暗闘、それらをハイテンポな娯楽作品に仕立て上げた監督はジョン・マッデン。この人は『恋に落ちたシェイクスピア』の監督さんでもある。

 この映画のどんでん返しをどうみるか、ちょっとあざといと思う人は低評価になるかもしれない。とはいえあのラストだけがすべてじゃないというのが自分の見方でもある。あのラストの衝撃みたいなもののリアリティみたいな部分にはケチつけようと思えばどうにもできる。でもそれだけじゃないと自分は思う。

 

ブルートゥース・ヘッドホン

 相も変わらずデジタルガジェット、いわゆる電化小物を買いあさっている。自分の場合、まず5000円という価格が心理的な境界になっている。5000円以下だと躊躇せずポチっとする。超えると逡巡して多分衝動買い的には買わない。次の境界は10000円、それ以上だとかなり必要性なりなんなりを考える。まあそういうものだ。

 でもって、まずここんとこ購入したのがまずこれ。

  なぜにこれをというと、ようは寝転がってヘッドホンで音楽を聴きたくなったから。もちろんiPodはあるし、なんならブルートゥースのイヤホンもある。でもできたらもう少し音のいいヘッドホンで聴きたいと。でも持っているミニコンは前世紀の代物。いまだにホームページが残っているのだが、1998年発売のプレスリリースである。

 この一部では名機といわれるミニコンを中古で購入。ピックアップの交換など何度か修理しながら騙し騙し使ってきている。当然のこと、ブルートゥースなんて機能はない。なのでこれまでは長い有線のヘッドホンを使っていたりするのだが、絡まったりとか使い勝手がよろしくない。そんなこんなここ10数年という感じである。

 でも、現在はテクノロジーの進化により古いミニコンでもトランスミッターを使えばブルートゥースが使える。すでにそれはこれもだいぶ古くなったIpod classic160ギガで実証済みである。外でもブルートゥースのイヤホン使いたくてコンパクトなトランスミッターを買ってみた。

 そして今回買ったのが上記の代物。トランスミッターにもレシーバーにもなるという優れものらしい。とはいえとりあえず使うのはトランスミッターのみ。だいたい10メートル前後までは安定して音飛びもないということらしい。

 そしてこれに合わせて購入したヘッドホンがこれである。

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  ちょうどタイムセール品だったので3000円台で購入できた。まあ完全な中華製だがまずまずの品物である。ペアリングも簡単で音も悪くない。音楽はジャズ、クラシック、ポップス、ロックなどジャンルに関わらず聴くほうだが、あまり音にはこだわる方ではない。Ipodをオーディオにつなげてシャッフルで聴いていて何も違和感覚えないくらいだから、まずオーディオマニアという人々の対極にあると思う。それでもこのヘッドホンでは割とクリアな音質が感じられる。

 ただし若干の圧迫感はあるので長時間聴いていると少し耳が痛くなる。耐え難いというほどではないがちょっとした違和感というところだろうか。とはいえこれで念願のベッドに寝っ転がり、iPadやったり本読んだりしながら音楽を聴くことができる。まあこれまでは普通にスピーカーを通して聴いているので、別にそれでもなんも問題ないのだが、ヘッドホンで聴いていると外部を遮断してある種没頭できる。このへんが強みかなとも思う。

 まあついでに一つもっているのだけどブルートゥースのイヤホンも買ってしまった。こういうやつね。

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大量雇い止め、5月危機

 朝日の記事から。

 派遣社員非正規労働者を雇い止めするためには、更新の30日前に本人に通告しなくてはならない。3ヶ月ごとの更新で新年度の4月からの契約、6ヶ月ごとの更新で1月からの場合、いずれも6月が更新時期となるため、その1ヶ月前ということで「5月危機」ということになる。うちの会社でもパートさんは6ヶ月ごとの契約のため6月に更新となるため、給与の締めの15日の関係でつい先日に更新を行った。まあ業量自体は極端に落ちていないため全員更新した。

 雇い止めについては雇用側の勝手な都合から無闇に行ってはいけないという雇い止め法理が確立している。とはいえ新型コロナによる未曾有の経済危機である。感染症による経済的危機を理由にすれば雇い止めは簡単にできる。実際、売上の8〜9割減という状況も伝わるなかで中小零細には雇用を維持する体力もない状況となってきてもいる。 

 それにしてもだ、「5月危機」とこれから迫るような言い方だが、すでに5月中旬である。今、非正規労働者はおそらく2200万人くらいと想定されている。5%の雇い止めでも100万以上が職を失うことになる。新型コロナによる経済危機の拡大からするととても5%程度にとどまるはずもない。伝えられる状況では非正規だけでなく、正規社員でさえも雇用があぶない状況になりつつあるのである。「5月危機」はさらなる大失業時代の入り口となるのではないかと、そういう予感、いや実感がある。

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は今月末には解除される見込みだが、現在のところ治療薬もない状態であり、いつまた感染拡大となるかはまったく予想できない状態だ。そんな中で自粛によって収縮した消費マインドが宣言解除で一気に拡大するはずもなく、景気が戻るには長い年月が必要になる。その落ち込みは直近の大不況となったリーマン・ショックの比ではなく、発表される報告からは1930年代の世界恐慌を上回るとするものさえある。

 今後、経済状況は最悪な状況に落ち込み、その回復に到るまでには長い長い年月を要する可能性があるのである。そのなかで経済的体力のない層が失業によって経済的困窮状態になっていく、その数が数百万人にものぼる可能性があるのだ。そこから生まれるのは様々な社会不安である。

 戦前の世界恐慌は結局のところ帝国主義の台頭と世界戦争を引き起こした。戦争によって余剰となった失業者は軍需産業と兵役によって吸収されていった。人類は同じ道を歩むのかどうか。感染症による国内の不満を外部に向けるべく、大国アメリカでは中国に対する非難の声が多くなっているという。

 大国同士が全面的な戦争状態になってしまえば、それは即世界の終わりとなる。そんなことは違いにわかっている以上、代理戦争や局地的な紛争による小規模、中規模な戦闘が行われる可能性が高い。世界のどこであれ、戦争が起きてはならないが、もしその局地戦が東アジアで起きることになれば、この国も渦中の中に巻き込まれていく。

 大量雇い止めによる大失業時代の到来。それはまさに地獄への入り口なのかもしれない。