桜を見る会の滅茶苦茶な総理答弁

 国会で質疑が続く「桜を見る会」問題と、そこでの安倍総理の滅茶苦茶な答弁には、もう呆れると通り越した部分がある。きちんと報道されれば、この国の総理大臣とされる人物がどんなに劣化した、総理大臣、いや政治家として相応しくないということが明確化されるはずである。しかしテレビではそもそも報道しない。報道してもほんの数分で、総理答弁は切り取られていて、いかにもまともに答弁しているかのような編集が為されている。これが国民を思考不能にさせているのだと思う。

 しかも、テレビニュースの論調はいつまでも「桜を見る会」などという些末なことを取り上げ続ける野党に対して批判的であり、コロナウィルスを中心に問題が山積みの中で、党利党略と政権批判のためにこの些末な問題を執拗に追求するみたいな風になっている。

 あたかも野党の政権批判のために、本来行わなければいけない行政支障が生じているかのような、まさしくレッテル貼りが行われている。政権はとにかく逃げ切りを図ることに腐心している。国会が閉じられれば、この問題の追求は終わり、そうすれば総理の外遊で「やってる感」を演出すればまた支持率が上がるという、この7年続いていることが繰り返される。その先には、安倍総理の4選と悲願の憲法改正がある。

 「桜を見る会」については大きく4つの法律違反の疑義がある。

① 財政法違反

・公的行事たる「桜を見る会」に多数の後援会関係者を招

 待するという、税金の使用目的外使用。

② 公選法違反

・「桜を見る会前夜祭」での飲食饗応

・「桜を見る会」での後援会員飲食接待

③ 政治資金規制法違反

・前夜祭費用の不記載

④ 公文書管理法違反

・名簿等の廃棄

 そのため野党の追求は現役総理による違法、脱法の可能性を問うものであり、これは総て妥当なことだと思う。

 そのうえで今日の朝日朝刊に国会予算委員会での質疑と問題だらけの総理の答弁がうまくまとまった記事が載っていたので引用する。

 

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 一応、朝日の読者で、デジタルの有料会員なので、良記事ということもあり貼っておく。

カーク・ダグラスの死

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 カーク・ダグラスが死んだ。

 103歳、大往生だと思う。ハリウッド黄金期のスターのほぼ最後の一人かもしれない。盟友だったバート・ランカスターは20世紀のうちに亡くなっている。彼と同時代のスターのほとんどが鬼籍に入っているのではないか。活躍した時期は50年代から60年代だ。

 カーク・ダグラスというとあの特徴的な割れた顎が思い出される。あと鍛え抜かれた肉体美の印象も強い。そのへんは『スパルタクス』や『バイキング』の影響もある。そしてなぜかアクション系の俳優という印象も強いが、けっこう演技派でもあったし、そういう映画にも出ている。

 覚えているところでは、『ガラスの動物園』、『探偵物語』、『炎の人ゴッホ』なんかか。しかし、ウィキペディアを見ていると本当に長いキャリアの人だ。そしてこの人の主演映画をかなりの数観ている。それだけ思い入れがある人でもある。

カーク・ダグラス - Wikipedia

 古くは『三人の妻への手紙』『チャンピオン』、『海底二万哩』『OK牧場の決闘』、『ガンヒルの決闘』、『テレマークの要塞』などなど。比較的新しいところでは、なんでこんな役受けたんだろうという『スペース・サタン』、そして『ファイナル・カウント・ダウン』まで。

 本当に芸歴が長い。アクション俳優、肉体派みたいなことで大根と称されることも多いが、けっしてそうではない。しかしオスカーには最後まで縁がなかった。個人的にはゴッホを演じた『炎の人ゴッホ』あたりで主演男優賞に輝いてもよかったのではと思うこともある。

 推測するには、早い時期から独立プロを作って映画制作を始めたり、レッド・パージで干されていたダルトン・トランボに活躍の場を与えたり、才気ある野心的な若手スタンリー・キューブリックを登用するなどのプロデューサー活動が、ハリウッドのメイン・ストリームから嫌われたのかもしれない。

 彼の息子、マイケル・ダグラスもすでに70代と聞く。子どもの頃からカーク・ダグラスの映画を観てた者からすると、なんとなく生暖かい目でマイケルを観ていた時期もあるのだが、息子の方はとおにオスカーを受賞している。

 カーク・ダグラスと同時期に活躍していた主演クラスというと、最初にあげたバート・ランカスターチャールトン・ヘストントニー・カーティス、スティーブ・マックウィーン、ロバート・ミッチャムあたりか。みんな、みんな死んでしまったのだと思う。20世紀は遠くなりにけりだ。

帯状疱疹

 妻の腰や足の痛みはまったく改善されないままである。おまけに右足とお尻の右側に発疹も出来てヒリヒリとした痛みもあるという。デイケアに週三回行っているのだが、そこに常駐する看護師さんからは、帯状疱疹ではないかと言われたという。

 そこで、今日は子どもが土曜日に行った総合病院に連れていくことした。その病院で皮膚科の診察は木曜の午後だけだという。木曜はもともとデイケアやデイサービスもないので都合がいい。ただし、ここのところ妻のことや自分の通院とかで午前休みとかが続いていたので、子どもが運転して連れて行ってくれるのはありがたい。

 それで診察の結果はやっぱり帯状疱疹とのこと。飲み薬一週間分と発疹に塗る薬を処方してもらって帰ってきた。なんでも次に通院する必要はないのだとか。まあ医師の見立てではさほど重症ではないので、薬を飲み続ければ一週間程度で治癒するということらしい。

 最初に子宮筋腫や卵巣の病気を疑い婦人科に通院、次に総合病院の整形外科で背骨や腰骨のレントゲンを撮り、万が一のため脳のCTまで撮り経過観察。三度目の受診でようやく病状が診断されるというのもなんだなと思わない訳でもない。

 とはいえ最初から発疹があればすぐに診断がつくのだろうけど、腰や足の痛みだけではなかなか帯状疱疹にはいきつかないだろうなとは思う。

 帯状疱疹というともう5年近く前に亡くなった知人のことを思い出す。その人はもともと職場の後輩だったのだが、肝臓が悪く最終的には肝硬変で亡くなった、まだ50代半ばだった。その人が最初に入院したのが帯状疱疹だった。確か頭に発疹が出来て一週間くらい入院していたと思う。退院してすぐに酒を飲んだときに、けっこうややこしい病気だということを教えてもらった。

 なので退場発疹というとなんとなく入院みたいなことを考えてしまう。なので一週間分の薬を使い切り、状態がよくなれば再診を受ける必要がないという妻の症状には、なんとも表紙抜けみたいな感じだ。

 まあこれから一週間、とにかくきちんと薬を飲み続け、足と臀部に塗り薬を塗って様子を見なくていけないということ。ちょっと驚いたのは、足の塗り薬と臀部の塗り薬が別々に処方されていること。成分が違うのかなんなのか、まあこれはよくわからないことだけど。

www.saiseikai.or.jp

ESTAの申請

 月末にアメリカに行きことになったのでESTAの申請をネットでやってみた、

 多分、10年前にアメリカに行った時にもそれらしいことしてるのだが、記憶がまったくない。当時に比べてネット環境は飛躍的に改善されているはずなのだが、けっこう入力手続は煩雑だ。まあ外国のサイトということもあるんだろうけど、とにかく勝手が悪い。

 午前中の11時くらいから始めて家族3人分終わったのは12時半過ぎだったか。終わってからいくつか入力ミスがあったことに気がつく。出生地を全員パスポート記載の本籍にしている。おまけに自分とカミさんの分は住所に町名が入っていない。

 すでにカード決済終わってるので修正するには再申請必要とか。ネットで調べると、そこまでは 入国管理でチェックされないみたいな声が多い。とりあえず結果オーライということにしておくことにする。

 ネットでESTAと検索すると、最初にヒットするのはだいたい代行申請業者のもののようで、しらずに入力していると代行手数料を請求されるのだとか。中には悪質な詐欺業者があるようで代行料と申請料を徴収しておいて、申請自体してないなんてことがあるらしい。まあ情弱につけ込んだ詐欺なんだろうが、あれだけ煩雑だとこういう犯罪も出てくるだろうなと思ったりもする。

国立近代美術館へいく

 とうとう1月は一度も美術館へ行くことができなかった。なので今回のMOMATが今年最初の美術館詣でとなる。

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 まず最初に観たのは企画展の窓展。これは昨年12月次いで2回目となる。

 いろいろと楽しい作品も多いのだが、やっぱりマティスの作品に目を奪われてしまう。

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『待つ』

 愛知県美術館所蔵の作品でマティスにしては落ち着いたモノトーン配色の作品。窓枠の下の文様が唯一、マティス的華やかさをワンポイントで主張している。

 試しに単眼鏡的に拡大してみる。マティスの意匠とタッチ、日差しに透けるブラウスなどの表現とかが鮮明になる。

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 文様など装飾的で色彩豊かな表現は控えめだが、人物の造形は省略化され、緩やかな表象へと移行しつつある。モロー に学んだマティスはフランス表現主義と呼ばれることもあるのだと何かで読んだことがあるが、なるほど写実や印象から離れ、画家の個性や感情をキャンバスに表出するそれは確かに表現主義と呼ぶにふさわしいかもしれない。

 この緩やかで単純化を希求するような線は、晩年の切り絵による純化された形態表現に繋がっていく。後の抽象表現主義の画家たち、マーク・ロスコウォーホールらがマティスをリスペクトしたというのもうなずける。

 窓展はマティスに尽きるというのが自分の実感なのだが、それは多種多様な窓という切り口による作品を集めたこの企画展に対する冒涜かもしれない。まあこのへんは単純に好みの問題。

 常設展では4階のハイライトの目玉は菱田春草の『雀と鴉』。

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 六曲一双の見事な作品。試みに雀が何匹いるかなどを数えてしまったのはご愛敬。右隻には5匹、左隻には28匹いた。その数には特に意味性はないのだとは思う。同じ4階の逆側にも菱田春草の作品が数展、横山大観の作品が1点展示されていて、朦朧体の表現がよくわかるような陳列がなされていた。

 その他では前回も気になっていた津田青楓の作品に目を奪われる。

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婦人と金絲雀鳥

 津田青楓といえば小林多喜二の虐殺にインスパイアされた『犠牲者』が有名なんだが、こういう正統的な洋画も描いていたことに驚く。調べると洋画草創期に活躍した人で、後には日本画に移行しているいう。そのへんは小杉放庵と似た部分があるか。

 さらに津田青楓は夏目漱石とも親しく、夏目家にもよく出入りしていたようで、多分そこで知り合ったのだろうが、寺田寅彦とも仲が良かったともいう。

 ちなみに代表作『犠牲者』はある時期、歴史家羽仁五郎が所有していたという。ダイエー中内功の腹心でもあり、マルエツの社長なども務めた財界人で美術愛好家にして収集家であった大川栄二は、同郷ということもあり羽仁五郎から自身が所有する絵を見てもらいたいたいと依頼され、葉山の羽仁家を訪れたことが彼の著作の中にあった。

 そのとき、羽仁は津田青楓の『犠牲者』を売りたがっていて、どのくらいの値がつくかを大川に尋ねている。大川の出した値段が羽仁が思っている額とかなり食い違っていたので落胆したということも、大川の記述の中にある。羽仁の尊大さとその落胆ぶりが何か目に浮かぶような気もしないでもない。

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津田青楓『犠牲者』

 この作品には左下に窓が描かれているが、そのせいか作品は窓展のほうに出展されていた。
 その他で気になった作品。

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丸山直文「Garden I』

 筆に水をたっぷり含ませながら絵具を置いて画面に滲みを生じさせる「ステイニング」という技法を多様する画家だという。

 この絵には二つの小さな点がある。よく見るとどうもその点は二人の少年のようで、彼らはボール遊びをしているようなのである。やや俯瞰からボール遊びをする子どもを描く。なにかヴァロットンの『ボール』を想起させるような絵である。

妻の通院につきあう2

 子どもが友だちと二泊三日で旅行に行くという。そのドタバタで起こされる。健保の宿をとって箱根に行くのだとか。卒業までのほとんど最後のモラトリアムを名残惜しんでいるようなというところか。

 前日、婦人科に行った妻に様子を聞いてみると、痛みがひどいという。それで二ヶ月に一度、神経内科に通院している総合病院に行くことにする。ここは予約がないとかなり待たされるので、とにかく痛みがひどい、救急車を呼ぼうかと思ったが自前で車で連れてきたということにした。実際、痛みはかなりシンドイのだというから、あながち嘘でもなんでもない。

 受付で痛みがひどいこと、前日別の婦人科を受診していることなどを説明してしばらく待ってから医師の診察を受ける。腰の痛み、足の痺れ、歩行が辛いことなどを説明。医師はレントゲンとCTの検査をということになる。

 レントゲンは腰と背骨の部分を、 CTは頭ということらしい。レントゲンを撮るときに検査着に着替えるのだが、これが一苦労。妻を椅子に座らせてから上着を脱がせ、ズボンを脱がせ検査着を着せる。こういったことも障害をもつ妻の場合は、いろいろと手順を踏まなくてはならず意外と時間がかかる。まあ10数年介助しているので慣れているといえば慣れているのだけど。

 検査の後はまたしばらくの間待つ。病院というのは、とにかく待たされるところというのを実感する。

 しばらくしてからようやく呼ばれて医師の説明を受ける。ここまでで着いてから1時間半くらいかかっているだろうか。まず足の痺れということで脳の障害が疑われていたようで、脳のCTできっちり調べたようだ。

 もともと右側頭部と前頭葉にかけてかなり大き梗塞巣があり、そのため左側の上肢下肢機能全廃というのが妻の障害である。今回は右足に痺れがあるので、脳の左側を疑われたようなだが、脳の左側頭部にはまったく問題はないという。

 レントゲンを撮った腰骨、背骨についても特に異常はなく、一番可能性を疑われた脊柱管狭窄症も特に問題となることはないという。なので、とりあえずのところは様子見、経過観察ということになる。そして痛みが治らない場合には、整形外科あるいは神経内科の方で精密検査を受けるかどうかということだった。

 そしてこの病院でも痛み止めとしてロキソプロフェンを処方される。しかし癌や脳の障害のような深刻な病気ではないということは一安心なんだが、痛みが続いていて、原因が判らないということも憂鬱にさせる。まあこちらは憂鬱ですむが、妻にとっては痛みという即物的な問題があるのだ。次はどこに診てもらいに行ったらいいのか。

妻の通院につきあう

 妻が前日から、腰痛、腹痛を訴える。聞けば数日前から痛みがあり、そのせいか歩くのも辛いという。歩くといってももともと片麻痺のため、装具をつけて短い距離を伝い歩きするだけなんだが。

 妻は部位からみて子宮筋腫や子宮癌を疑っているようなので、以前かかったことがある婦人科の医院に連れていくことにする。そこでは確か2年くらい前にやはり子宮筋腫と乳癌の検査を受けていて、いずれも問題なしだった。若くて明るい女医さんのため、妻も診てもらうとなにか安心できるみたいなことを話していた。

 場所的には一駅先くらいのところで、車だと10分足らずで着く。診療開始とほとんど同時くらいに行ったのだが、予約していないので30分以上待たされる。その後の診察や検査には妻が嫌がるので立ち会わず待合室で待機。

 一通り診察と検査が終わってから、医師の説明については妻と二人で受けたのだが、とりあえず子宮筋腫の兆候もなく、もちろん子宮癌もないとのことだった。痛みについては別の要因と思われるので、とりあえず痛み止めを処方され、もしも痛みが続くようであれば整形外科で診てもらうのがいいとのことだった。

 その後、スーパーに寄って昼飯の弁当を買い、妻を送り届けてから会社に行くことにした。

 帰宅後、妻に様子を聞くと痛み止めを飲んでいる限りはなんとかなるが、時間が立つとまたぶり返すという。痛み止めは明らかにロキソニンのようなので、これで一時的に痛みが治っているというのも問題かもしれない。