ポーラ美術館「Modern Beauty」

Modern Beauty フランスの絵画と化粧道具,ファッションにみる美の近代 | 展覧会 | ポーラ美術館
 この企画展には6月4日にカミさんと二人で来ている。
日帰りでポーラ美術館 - トムジィの日常雑記
 なんだかんだでポーラ美術館の企画展はけっこうな頻度でリピートするのが割と普通になっている。

 企画にそってファッションや当時の風俗と絵画の連関とかにはあまり興味を示さず、展示された名画を楽しみ時を過ごす。美術館に入るとカミさんとも子どもとも別行動にさせてもらうことが多いが、今回もそのパターンで。
 最初に興味を引くのはアンリ・ルソーの3点の絵画。「エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望」「ムーラン・ダルフォール」「飛行船『レビュブリック号』とライト飛行機のある風景」の3点。作品数の多くないアンリ・ルソーの収蔵ではポーラ美術館は国内屈指ではないかと思っている。おそらく諏訪のハーモ美術館と双璧かなとも。
 アンリ・ルソーは、正式な絵画技術の教育を受けていない所謂素朴派、まあ今風にいえばヘタウマ系の開祖みたいな存在だが、彼とその他の画家、ボーシャンやボンボワとの大きな差異があると思っている。それはルソーの絵には抒情的な詩情が漂っているということ。南国の密林を描いた幻想的な作品にも通底しているように思ったりもする。
 ちなみにポーラ美術館の次の企画展は「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ―境界線への視線」だとか。これもまた観に行くことになると思う。
ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ―境界線への視線 | 展覧会 | ポーラ美術館
「飛行船『レビュブリック号』とライト飛行機のある風景」

 ルノワールではこの2点がこの企画展では一番気に入った。いずれもポーラ美術館を代表する収蔵作品なのだが、「レースの帽子の少女」が身に着けているバラ色のドレスと「髪飾り」で手前の少女が着ているドレスは同じものなのだとか。しかもおそらくそのドレスはルノワールが所有していたものらしい。当時の画家はモデル用の衣服も自前で揃えたり、保管していたりしたということらしい。
「レースの帽子の少女」

「髪飾り」

 今回一番気に入ったのはルノワールでもルソーでもモネでもなく、あるいはキース・ヴァン・ドンゲンでもなく、ピエール・ボナール。何かここのところ、ボナールがどんどん好きになっていくような気がする。
「浴槽、ブルーのハーモニー」

 
 そして色気よりも食い気のひととき。この時だけ家族が一堂に会する。