注意障害について

 昨日の続き。「注意障害」についての記述をまとめてみる。
 「注意障害」は、脳の病気や事故から起きる機能障害「高次脳機能障害」の中でも、比較的多くのみられる障害で、脳が広範囲に損傷された場合に起こることが多い。また発症から6ヶ月以内の患者に比較的多く見られる症状。

●「注意障害」の主な症状
1.全体的にボーっとした感じになり、表情が乏しくなったり、反応が遅くなる。
2.べつの刺激(周囲の音など)に注意が向いてしまうために、本来注意すべき対象に集中し て取り組むことが困難になる。
3.逆に一つのことに注意を向けているため、周囲の状況に気がつかないため、行動へうまく 移れなくなる。
4.そのときの状況に応じた注意の転換がうまくできないために、同じ行動を繰り返したり、 同じことを何度も言ったりする。

 普通にいう「注意」には4つの機能があり、これは「注意機能」と呼ばれている。

1.注意の持続
 注意力や集中力を持続させながら、一定の行動を行うこと(一つの物事を長く続けること)。※ジグゾーパズルの完成。
2.選択性注意
 身の回りの様々な刺激の中で、一つの刺激を選択して、そこに注意を向けて行動を行うこと。※書店の本棚から自分が欲しい本を見つけ購入する。
3.同時処理
 一つ以上の刺激に対して、同時に注意を向けて行動を行うこと(一度に二つ以上の事柄に注意を向けることができること)。※コンロにやかんをかけながら掃除をしたりし、さらにかかってきた電話を取るなど)
4.注意の転換
 一つの刺激に対して行動をとっているときに、違う刺激に注意を向けて対応し、その後元の行動にうまく変換して戻ること。※文章を書いている時に電話がかかってきたので受話器をとり先方と通話し、電話を終わらせてから再び文章を書くことに戻る。