高次脳機能障害の解説

 アマゾンで3冊脳梗塞関連の書籍を購入。そのうちの1冊が『理解できる高次脳機能障害家庭でできる脳のリハビリ「注意障害」編』(ゴマブックス刊)。B5判128頁のドリルっぽい本。イラストが多く、活字も大きい。90頁あまりがIQテストのようなリハビリ問題集になっている。最初の30頁ぐらいで簡単に脳の機能や障害、特に注意障害についてまとめてあるのがけっこう分かりやすい。素人にもわかるようイラストたっぷりで表されている。

・高次脳機能
 人間は目(視覚)、耳(聴覚)、口(味覚)、皮膚(触覚)から刺激を受けて脳に情報を送っています。
 そして脳は送られた刺激に対して言葉にしたり、学習したりします。さらに記憶した知識や経験を元にして判断をくだしたりもします。このような脳の機能を「高次脳機能」といいます。

 これをより専門的な説明するとこんな風になる。

 脳は大きく大脳、間脳、脳幹、小脳の4つに分けられ、大脳はさらに大脳皮質、大脳辺縁系大脳基底核に分かれる。大脳皮質は脳表面の平均2.5mmの厚さの層で、その層には脳細胞が約150億個あり、左右2つの半球となっている。各々が前頭葉、側頭葉、頭頂葉後頭葉の4つに分かれている。
 そして、痛み(痛覚)、触った感触(触覚)、熱い、冷たい感覚(温冷覚)などの体性感覚は頭頂葉、音の感覚(聴覚)は側頭葉、目で見た情報(視覚)は後頭葉にまず伝達される。いずれも、中心溝、外側溝より後方である。手足を動かす指令(運動)は前頭葉から出る。このような体性感覚、聴覚、視覚、運動の機能は専門的には要素的機能と表現するが、人間の外部から入ってくる情報は後方(頭頂葉、側頭葉、後頭葉)に、人間の内部から出す指令は前方(前頭葉)から出る。
 このような要素的機能が脳に占める割合はヒトの場合、他の動物に比して小さく、その逆に白く残っている部分の面積が大きい。この領域が高次脳機能と命名されている。
 高次脳機能の代表的なものは、自発性、知的判断力、記憶力、行動プログラミング、言語、身体と空間の認識などである。