ScanBitを購入

うちの子どもはもう14歳である。授かったときは年いってできた初めての子だったし、それはそれは可愛がり、愛おしく思ったものだ。当然写真も沢山撮った。当時はまだデジカメなんてものは、たぶんあるにはあっただろうが画素数も低いうえに高価だったから、当然写真は銀塩フィルムである。しかしよく撮ったもので冊子体のミニアルバムの類はゆうに百冊くらいはありそうだ。
子どもが4〜5歳の頃にようやくデジカメを購入したのだが、そうするとなんか一気にプリントすることがなくなった。残念なことに最初の頃に撮った数百枚はパソコンの何回かの代替わりの際になくしてしまった。残念なことだ。きちんとCDに保存しなかった私が悪い。
しかしそれ以前の銀塩フィルムは鮮明ではあるのだが、いかんせん場所をとるので和室の天袋の奥深くにしまわれている。時々引っ張り出して、あの頃は可愛かったと、一人でつい涙目になっていたりする。最近の激しい反抗期を目の当たりにすると、もう本当にあの2〜3歳の頃に戻って欲しいと、ついどこかにあるかもしれないリセットボタンを探してしまう日々でもある。
銀塩フィルムもいいのだが、やはりデジタル化しておく必要もあるのだろうなと思うこともあった。スキャナーで一枚一枚プリント写真を読み取るという技もあるにはあるのだが、それもかなりの手間ではある。そんなときに探してきたのがこれである。

ScanBit FS-511

ScanBit FS-511

  • 発売日: 2010/10/01
  • メディア: Personal Computers
フィルムスキャナーFS-520 : YASHICA | 株式会社ドリーム・トレイン・インターネット・エグゼモード事業部
ようはネガフィルムを読み取ってデジタル画像を作成する、それ専用のスキャナーである。まあ5千円程度のものなので、おもちゃといえばおもちゃである。どこまで使えるかわからぬが、試しに購入してみた。
数十枚ネガを読み取らせる。画像は荒いがいちおうデジタル画像にはなる。この画像の荒さならプリントをスキャンしたほうがいいかなとも思うが、いずれにしろどっちもどっちもである。
読み取りは簡単である。専用のフォルダーにネガを挟み順繰りに読み取っていく。読み取り画像はパソコンで確認する。きわめてマニュアルモードというか、手動というか、ガッチャンガッチャンみたいな感じである。
数十枚程度であれば休日の午後のひとときの暇つぶしみたいな感じでいいが、うちのように数百枚、いやたぶんそれ以上となるとあまりにも気が遠くなるというか、老後の楽しみというか、ライフワークというか、いやはやなんとも的である。
そういえば以前、レコードをデジタル化するということで機具を購入したが、結局一枚一枚聞きながら取り込む、取り込んだ音源を専用ソフトで編集するというすさまじい労苦のあまりに挫折した記憶がよみがえる。たぶんあれに匹敵するような感じだ。結局レコードデジタル化は断念した。CD買い換えたほうが手間隙かからんというのがそのときの結論だった。
はてさて我が家の銀塩フィルムはどうなるのか、娘の一番可愛い盛りの記録のデジタル化の行方は。銀塩フィルムをデジタル化するサービスとか、ようは金かければいくらでも手際よくやってくれるところはあるのだろう。でも、千枚単位となるといくらくらいかかるんだろう。
ということでもうしばらくはシコシコ試みてみようかとも思う。しかしほんの12〜3年前のこととはいえ、我が子の可愛かったことよ。
ここ数日一言も口きいていない反抗期満開の娘を思うと、本当にきっとどこかにあるかもしれないリセットボタンを探してしまう自分がいる、小さな娘の写真を見るにつけ、目をウルウルさせている自分がいる。