龍子記念館を後にしてから周辺を歩いてみることにする。最初に見つけたのがちょっとした公園。


日本の栄養学の父といわれる佐伯矩(ただす)が所有する土地を遺族から寄贈を受け、大田区が整備した公園なんだとか。芝生で赤ちゃんを連れた若いお母さんが、赤ちゃんにハイハイの練習をさせていて、その可愛らしさに思わず見とれてしまった。でも、こういうのってけっこう怪しまれるから気をつけねば。
デッキ風の階段を登るとまさに緑地という感じで木々の間に遊歩道がある。開けた展望スペースの前のベンチでは老婦人が読書をしていた。優雅な昼下がりという感じだ。
そういえば西馬込の駅を降りてすぐに地図を見ていると、この付近には池上本門寺があるらしい。展望スペースから遠くを見やると木々がうっそうと茂る小山があり、その間から五重塔が見える。やや遠目ではあるが歩いていけない距離ではないので、そっち方面に向けて歩き出す。
最初に本門寺公園を回ってから坂道を登り墓地の中を通ると五重塔のあたり着く。そこからすぐに本門寺の境内には入らずに、一度池上会館の展望台のあたり一休みする。


それからエレベータで1階に降り池上本門寺の正門に回ることにする。
そして長い石段を登ってから本堂へ。


まあこういう偶然でもなければ多分来ないところだろうなと思う。そもそも池上本門寺っていうのはというと・・・・・。
日蓮の入滅した場所で、日蓮の七回忌に建立されたお寺だということらしい。日蓮についてはというと、自分が小学生の頃に一時期父親が創価学会に入っていたこともあって、割と馴染のある名前である。もっとも父もすぐにやめてしまった。自分も一時、強制的に仏壇の前に座らせられて、父と一緒にお経上げたりとかそういうこともあった。
なので何となく日蓮は偉いという刷り込みみたいなものはないでもない。ただし、日蓮宗は創価学会を含めて分派活動が盛んなうえに、創価学会と一体化していた日蓮正宗はやれ身延派とかこの池上本門寺派を激しく糾弾していたと記憶している。今でいえばセクトだな、あれは。もっとも創価学会は日蓮正宗の信徒団体という位置づけだったのだが、日蓮正宗とも仲たがいして今に至るということらしい。
まあそのてのことはどうでもよろしいかと。本門寺の境内には日蓮の銅像も仰々しき立っている。
そういやこの前行った国立近代美術館に野田九浦の『辻説法』という日蓮が辻説法する姿を描いた堂々たる絵があったなと少し思い出した。