前立腺生検術を再び受ける

 前立腺腫瘍マーカーPSAの数値が高いため、前立腺生検術を受けた。前回受けたのは2018年のことなのでおよそ2年ぶり。今回、PSAの数値だけで癌の確率は37%とちょっと微妙な感じ。医師は同じ方なのだが、前回は術後の診察で癌の可能性は低いと明確におっしゃっていたのだが、今回はそれもない。どうもあまり良い方向ではないかもしれない。まあ前回は62歳、今回は64歳である。加齢とともに癌のリスクは高まる訳だし、前立腺肥大は確実に進行しているようなので、ある程度覚悟はしておいた方がいいのかもしれない。

 生検術については前回、割と詳細に記録しておいたのだが、ほぼそれと同じような流れでほとんど変わりはない。

  麻酔が効き始めてからすぐに肛門に超音波プロープが差し込まれ、その脇から生検針が刺されて前立腺の組織をとる。針を刺される際にはパチ、パチっという音が聴こえてくる。確か12箇所から組織を取ると聞かされていたような気がして、なんとなく数えていると確かにパチっという音は12回聞こえた。

 術後はこれも前回とまったく同様で、リクライニングの利いた椅子に座って麻酔がとけるのを待つ。前回はあまり覚えていなかったのだが、生検術を受ける際の処置椅子から移るときには麻酔が効いているため、車椅子を使った。車椅子に移るときには一応看護師の手を借りて立つのだが、足に力が入らない。そのまま車椅子に座って待機部屋に移動するのだが、ふだん車椅子を押す側の自分としてはなんだか不思議な気分だった。

 待機室では最初の30分くらいはずっとボーッとした感じ。それから採尿のためトイレに3~4回くらい行くのだが、最初は足取りも覚束ないし、尿の出も悪い。このへんも2年前の記録とほとんど同じような感じだった。

 処置室に入ったのは12時少し過ぎで、多分生検術は12時15分くらいからで5分程度だったと思う。それからはずっと安静待機みたいな感じなのだが、3時半くらいには尿も何度か出て、点滴が終わるのを待つばかりみたいな感じだった。

 術後は運転が出来ないので、今回も子どもに送り迎えをしてもらった。子どもはもう家を出ているので、今回は一人で電車で来て、帰りはタクシーと思っていたのだが、子どもは有給を取ってくれた。医者まで送ってくれてからいったん家に戻り待機してくれていたのだが、3時半頃に電話をして来てもらった。

 4時半頃には着替えもして医師の診断を待つばかりとなり、医師からは一週間後に結果が出るとだけ言われた。これからの一週間は判決を受ける囚人みたいな感じで過ごすことになる。なんとなく気持ち的には今回はあまり良い結果が期待できないような気が漠然としている。年齢の割に肥大が進行しているというのも引っかかるところだ。

 とはいえ前立腺癌の10年生存率は98.7%と高い。医者も言っていたが、高血圧や糖尿病よりも生存率は高いくらいだということだ。まあ転移がないという前提ではあるけれども。なのでもしも癌が見つかったとしたら、適切な治療を粛々と受けていくということに尽きるのだとは思っている。まあ気持ち的というか、頭ではそう理性的に考えてはいるのだが、いざそういう診断を受けるとなると、小心者だけに相当に乱れるのだろうなとこれも想像がつく。

 歳を重ねるということは、こういう病気のリスクが高まること、日常的にも病気の心配が付きまとってくるということ、そういうことなんだろうとは思う。出来れば苦しまず、経済的な負担も少なく、家族に迷惑のかからない形で病気と付き合っていければいいとは思っている。