昨日、Twitterのタイムラインに流れてきた。
【9月13日まで】小特集 小村雪岱とゆかりの人々@川越市立美術館
— 東京美術館巡り【公式】 (@tokyoartmuseum) 2020年9月12日
2020.06.30tue−09.13sunhttps://t.co/5u8ocQxSMS
小村雪岱は聞いたことがある名前だけど、はてどんな画家だったか。で、さっそくウィキペディアで調べてみる。
川越出身で、坂戸の小学校を出てとかいう記述になぜか親近感がわいてくる。でもって、下村観山の教えを受けて泉鏡花の知遇を得る。ようは装丁家で挿絵画家、それも泉鏡花のものはほとんどという。戦前、日本画家の多くは装丁を手掛けている。橋口五葉や今福百穂なんかは有名だ。特に鏡花の書籍は独特で、独自の美を追求している部分があるとは有名な話だ。
雪岱が最初に手掛けたのは鏡花の作品は『日本橋』だ。
戦前の書籍は美術品といっても良いものが多数あるが、この装丁もほとんどその域にあるように思う。これ以降も雪岱は続々と鏡花の作品の装丁を手掛け、下絵を含めてそれが展示してあった。
さらに雪岱は当時雑誌の表紙絵も多く手掛けていて、そのタイトルが『処女の友』という。なんでも農山漁村の青年女子(未婚女子)の社会教育雑誌だったというが、これをの表紙絵の下絵が数点展示してあった。
その他では、小村雪岱が手掛けた連載小説の挿画も多数展示してある。だいたいが大衆小説の類で、長谷川伸、邦枝完二、鈴木彦次郎など、今では忘れ去られた作家も多かった。
展示してある作品で一番気に入ったのは「蝶」という美人画。この人もまた日本画特有の線の美しさに秀でた画家だったのだと思った。
川越市立美術館では川越に所縁のある洋画家相原求一朗のために一室を設けている。ほとんど初めて観る画家だが、風景画に独特の色合いがある。まあ抽象でもなく、写実でもない、画家の心象風景がキャンバスに投影されている作品という感じがした。
美術館の隣は同じく市立の博物館がある。こちらは川越の歴史を縄文から始め、中世、戦国、江戸から今日に至るまで系統だてて展示してある。展示品も多く、けっこうボリューミーな感じがした。