桜巡礼その二 川越・新河岸川沿い

川越・新河岸川沿い夜桜 (3月26日)

 去年も行った小江戸川越、新河岸川沿いの桜である。川の両側の桜並木、散った桜が連なって川流れて行く様は花筏と形容される。

 去年、初めて来たのだがさすがに観光名所である。コロナ禍ではあったが人出も凄かった。

川越 花見散歩 (4月2日) - トムジィの日常雑記

 今年もと思っていたが土日の雨や風もあり行くことができなかった。そんな中、26日の日曜日、買い物と夕食を終えてから夜の10時近くに車で出かけてみた。遅い時間だったが、それでも若い人たちがちらほらといてそれぞれ写真を撮っている。まあ映えスポットではあるから。

 日中だったらとても車を止めるようなことは出来ないのだが、さすがにこの時間帯だと短時間なら路駐も問題はなさそうである。何台か止まっている車の一番先の方に止めて、車椅子を出してしばし花見。

 

 

川越・新河岸川沿い~花筏 (3月28日)

 そして今日はというと、午前中は地元で妻の定期通院。その後、昼食をとってから妻がもう一度川越の桜が見たいということなので行ってみることにした。

 ただしウィークデイとはいえ、観光地川越ではなかなか駐車場探しが問題。新河岸川の近くだと、まずは市役所前の駐車場をと思ったが、あそこはウィークデイは市役所に用のある人用で、建前的には観光利用は出来ない。それではより近くにある初雁公園の駐車場はというと、ここは市立美術館、市立博物館、もしくは本丸御殿の見学用である。入るときに係の人からそれを念押しされ、渡された駐車場利用券にそれぞれの施設で利用した印のハンコをもらうようになっている。

 なのでちょっとアリバイ的になるのだけど、市立美術館で常設展を観る。川越に所縁のある作家さんの作品がそこそこに。小泉智英、小村雪岱など。小林清親の弟子筋という井上安治なども。

 それから小一時間、新河岸川沿いを花見。ウィークデイでも若い人や外国人などでけっこうな賑わいである。特にアジア系の観光客を多く目にすると、コロナはもう終わったのかもしれないと思ったりもした。中国系の若い男女が着物を着て、写真を撮り合っている姿を見ていると、なんとなく嬉しくなってくる。

 桜の花はというとほぼ満開である。土日の雨や風もあったし、かなり散ってまさに川面は花筏という感じだが、もう少し花見はできそうな感じでもある。

満開の桜や色づく山の紅葉を

この先いったい何度

見ることになるだろう

『人生の扉』 (竹内まりや

 繰り返しになるけど、こうやって見事に咲く桜の花を見るたびに、この歌が浮かんでくる。六十代になり、その中盤にさしかかるようになってから、それまでさして興味のなかった桜の季節が待ち遠しくもあり、またそれを見るたびに花の散るのを惜しむ気になってくる。

 感傷的といってしまえばそれまでだが、あと行く度か目にしたいと思う。老人の細やかな願望の類といってしまえばそれまでだが。