echo dot

Amazon | Echo Dot (第2世代) - スマートスピーカー
 アマゾンのセールで衝動買いした。スマート・スピーカーの廉価版。どんなものかと思いきや、意外なほど小さい。

 届いたパッケージには現物と電源コードくらいしかついてない。簡単な説明書はあったが簡単過ぎてインターネット接続方法すら書かれていない。仕方なくネットで調べると、スマホにアプリをDLしてアプリから設定するということ。そのとおりにやるとけっこう簡単に接続完了。すぐに音楽を聴ける状態になる。
 自分の場合、とりあえず物欲のためプライム会員になっているので、prime musicはすぐに聴ける。100万曲以上という触れ込みなのだが、何が聴けて何が聴けないのかはよくわからない。さらに有料サービスのmusic unlimitedになると4000万曲以上ということなんだが。多分、後者だと最近のヒット曲、あるいは新曲、新譜にいたるまで聴き放題ということになるのだろう。
 しかし、自分は古い人間だし、最近の曲には洋楽、邦楽問わず興味がない。新しいアルバムが出て触手が動くのは山下達郎とクレイジー・ケン・バンドくらいだろうか。まあその手は普通にCD買うかTSUTAYAに行けばいいだけということ。とりあえずprime musicだけで十分と判断した。
 最初に、アレクサと呼びかけて何をしたかというとまずはビートルズを聴いた。
「アレクサ、ビートルズをかけて」
 すると際限なくビートルズの楽曲がシャッフルされる。次はジャズと思い、
「アレクサ、ビル・エヴァンスかけて」
 まったく問題なく、エヴァンスのピアノが流れる。次には、
「アレクサ、ボサノヴァかけて」
 これも様々なボサノヴァがかかる。元々小さな個体で0.6インチの小さなスピーカーだけに音は悪いが、BGMとして聴くには十分過ぎるかもしれない。これはもう新しい世界だな、と正直思う。そしてだ、これではオーディオ機器はまったくいらなくなるし、CDをかけることもほとんどなくなってしまう。今、自分の環境だと音楽は、主要なCDをiPodクラシックに全部ぶち込んでいる。そのiPodクラシックが自室のオーディオに接続されているものが1台、リビングのオーディオに接続しているのが1台、さらに車のオーディオに接続しているのが1台、そしてお出かけのお供として1台。都合4台のiPodクラシックにそれぞれ平均して8000曲くらいの楽曲が入っている。なので本当にCDやレコード(一応プレイヤーもある)を直に聴くことはほとんどない。
 そこにもってきてこのスマート・スピーカーである。これではiPodすら使わなくなってしまうではないかと思う。これではCDが売れなくなるどころか、もうビジネスとしては成立しなくなってしまう。音楽業界はCDから音楽配信に完全にシフトしてしまっている。さらにいえば売れっ子ミュージシャンたちはライブとライブ中に販売するグッズ販売がメインの凌ぎになっているという話を聞いたことがある。時代は変わってしまったということだ。
 初代iPodが発売されたのが2001年、それからわずか17年で音楽業界はそれ以前とはまったく異なるものとなってしまった。CDがレコードを駆逐したように、iPodITunesは音楽業界のあり方を根底から買えてしまった。いまやレコードと同様にCDも好事家のコレクターアイテムになりつつある。
 スマートスピーカーや携帯端末により、音楽はクラウドにストレージされたものを聴くものとなった。自分のものとしてコレクトするのではなく、好きな時にネットに接続して聴くものということだ。
 それを思うと自分の持っている数千枚のCDをなんとなく恨めしく思ったりもしないでもない。このCDを集めるのにどれだけの金をかけたことかとも。
 とはいえecho dot、面白いガジェットではあるが、しょせんオモチャの部類かもしれないとも思う。多分、すぐに飽きて埃をかぶるかもしれない。そんなことを思いつつも、アントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲はまだまだ続くのである。