家族三人で上野へ行く

 個人的には毎年最初に行くミュージアムは西洋美術館と決めているのだが、子どもやカミさんはどちらかというと博物館系が好きなので、まず最初はトーハクへ行くことにする。ここは一昨年だったか、黒田清輝の回顧展を行ったのが最初だったが、それからが一年に一回くらいの頻度ではあるけど常設展に行く。中々興味深いものがあったりする。
 とはいえ企画展の場合はえらく混むので、それはだいたいパスしている。一番近い企画展は昨年末に運慶展をやっていたが、これも大盛況だったと聞いている。
 トーハクの後は上野公園の広場でやっている屋台をのぞき、夕方で安くなったジャンクフード系を家族三人で食す。佐世保バーガーとかが半額になっているとこれはこれでお得感がある。
 その後、6時過ぎくらいだったが西洋美術館に行くことにする。ここは自分にとっての一番ベースとなっているミュージアムだ。とくに目新しいものがある訳ではないのだが、常設展を堪能。
企画展の「北斎ジャポニスム」展にも一応顔を出す。こちらのほうは相変わらずかなりの人手だ。なんだかんだでこの企画展も三回目だ。浮世絵、北斎に影響を受けた印象派の画家たちの絵という見立ても中々に楽しい。
確かに印象派の画家たちは浮世絵の構図に大きな影響を受けたのだと思う。画面をぶったぎるようにして大きな木を描くといった奇抜な構図は、西洋絵画にはありえないものだったのだから。
 それとは別にゴーギャンからナビ派の面々は、浮世絵の平板な表現に大きな影響を受けた。べったりと塗った色面と輪郭線などなど。そういう意味ではこの企画展は西洋絵画史を実地で勉強できるような、たいへん得難いものだとつくづく感じてしまう。