計画停電は終了したのか

今日で一週間計画停電がない。毎日、昼過ぎに東電のサイトで翌日の計画停電を確認する。総務が館内放送で流す。そんなこんなの毎日を送っている。まだまだ寒い日が続いているのだが、節電の影響だろう、電力需要が抑えられているのだろう。電力供給はうまくいっているということでの計画停電中止のようだ。
実際、うちの会社とかでも館内の暖房をすべて切っている。鉄筋コンクリの建物だから午前中などは冷え冷えとしている。私のいる事務所なんかでもえらく寒くて、ダウンジャケット着てパソコンたたいてるなんてこともある。おそらくどの会社も似たり寄ったりなんだろう。その積み重ねがここ一週間の計画停電中止なのだろうと推測している。
計画停電はいちおう4月いっぱいを予定しているということだったが、おそらくこのまま一度も停電になることなく4月は終わるんじゃないかと思う。そして6月後半から7月にかけてまた始まるのだろう。月並みだけど、今年の夏が猛暑でないこと祈るしかない。
しかし今夏も相当な節電対策が行われることになるのだろうと思う。企業はみなオフィスの設定温度を28度、あるいはそれ以上にするかもしれない。しかしガラス、超高層ビルなどで、窓があかないところは、相当に苦しいぞ。低層の窓が開くビルのオフィスはみんな窓開けて仕事するなんていうことになるのだろうか。
だけど企業がみなエアコンをガンガンにかけるのをやめれば、へたすると都心の温度は2〜3度下がるんじゃないかとさえ思う。科学的根拠は一切ないけど。
そうなると喜ぶのは、各企業の総務あたりなんじゃないかな。電気量が大幅に削減できちゃうのだから。うちなんかでも単純に試算すると、簡単に一人二人雇えそうな感じもするもんな。まあえらくアラアラの試算だけど。
そして実は困るのはというと、電力会社なんじゃないかな。利用者がよってたかって節電に励むとなると、もろに売上げに影響することになるのだから。震災による補償や原発対策などなど、巨額な費用を今後捻出しなければならない東電としては、さらにこれに追い討ちをかけるような売上げダウンによる減益は相当な痛手になりそうだ。経営破綻、分割、それを防ぐための国営化みたいな話が、いよいよ現実化してくるのかもしれない。
しかし全国規模での節電、省エネは、全国の電力会社にも影響するような気もしないでもない。東日本が被災地を中心とした窮乏化状態にあり、首都圏も節電、節電といわれる中で、例えば関西や九州で湯水のごとくに電力使うというわけにもいかないだろう。結局押しなべて電量会社は減益となっていくのだろう。
これまであまり深く考えずにもいたけれど、そもそもなぜ電力供給が東電だの、中部だの、関西だのと、地域ごとのほぼ独占状態の民間企業によって運営されているのが当たり前のことなのかどうか。今回の大震災による影響を考えると少し疑問にもなってくる。電力=電気は市民生活の基盤となっているうえに、企業の活動を根底で支えている。それが民間企業によって担われているのである。
今回の福島の原発を巡ってのことでもそうだが、明らかに東電の対応にはブレがある。どう考えても福島原発の惨憺たる有様を見るにつけ、あれはもう廃炉だろうと素人目にも思う。それがなかなか言い出せない。電力供給に問題が生じ、需要に支障をきたす恐れがある。だからこその計画停電なのだが、できればそれを回避する方向で動いている。結果として前日なり当日発表で中止うんぬん。これらはすべて民間企業だからということなのじゃないか。
じゃあ国営化がいいのか。それでは社会主義国家じゃないかというつっこみもあるだろう。しかしいったん原発が事故を起こした場合、しかも今回の福島のような致命的な事故となった場合には、これはもう民間企業の力でどうにかなるものではない。国家が国土と国民生活を守るために前面に出て対応するしかないのである。原発事故がさらに致命的な形となり、放射能が飛散する状況になれば、これはもう一国の問題でさえなくなるのである。その最前線で対峙するのが民間企業なのか。
水は確か公営だったはずだ。ガスは民間か。電気も地域で独占的な、つまり国に認可権がある形で民間企業が運営している。でもこれらのライフラインに直結するものは、実は公的な形で行うべきではないのか。そう思わざるを得ないような事態が、今我々の目の前で起きている。