新年早々政局雑感

新年早々、藤井財務相が健康上の問題で辞任することになり、後任に管直人が就任することになった。
http://www.asahi.com/politics/update/0106/TKY201001060361.html?ref=reca:TITLE
77歳と高齢のため今後の国会での論戦を乗り切れないということなのだろうが、だとしたらなぜそれほど高齢な方を激務が予想される財務大臣にしたのか。もともと大蔵OBだから、経済通だからとそれだけの理由か。いずれにしろ民主党の脇の甘さがまた一つでてきたという感想だ。昨年の選挙から政権交代までの流れでも、小沢や鳩山の政治資金の問題。なんか出るわ出るわという感じではあるが、政権を目指すのであればそのへんのこときちんと整理しておくべきだろうと思うのだが、どうだろう。
もっとも藤井氏の辞任の本当の理由は、実は民主党幹事長小沢との確執のためということもあるようだ。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100107ddm002010071000c.html:TITLE
確かに10年度予算案への重点要望を申し入れは、財政規律を維持したい藤井氏からすれば、かなりしんどいプレッシャーになったはずだ。今や民主党の実験を握った小沢から直接要求され、しかもそれを小沢は国民の声だとまで言ってみせた。自らがある意味作った民主党内閣を支えるのではなくあえて対立図式にしあげて内閣に圧力をかける。そこに藤井は嫌気をさしたのかもしれない。
そして後釜となったのが総理兼国家戦略担当相の管直人である。もともとはノンセクト系の学生運動のリーダー、市川房枝の選挙運動のサポーターから市民派政治家としての一歩を歩みだした男が、内閣の要職である財務大臣に就任する。隔世の感があるな〜。
この先、そつなく財務大臣をこなしつつ、小沢一郎との関係をうまく保てばポスト鳩山の第一人者の地位を確立するかもしれない。もともと短期でイラ管の称号をもち人望厚くない。弁はたつが失言も目立つし、どことなくおっちょこちょいの印象もある。この人の目があるかどうか、その前に小沢一郎が政治資金疑惑を乗り切って御大出馬みたいなことになるのだろうか。
小沢の権勢が強まりつつある中、鳩山内閣VS小沢民主党による権力抗争みたいな流れになりつつある。その中での鳩山側のスマッシュヒットとみられる人事がこれか。
首相補佐官枝野幸男氏起用>
http://www.asahi.com/politics/update/0107/TKY201001070232.html:TITLE
事業仕分けで連舫とともに名前を売った感のある枝野は、もともと民主党きっての論客だ。国交相の前原誠二とはほぼ同格のはずだが、小沢一郎から敬遠されているため、政権交代後も内閣の要職につけなかったともいわれている。いわば民主党内では反小沢の急先鋒的な立場となっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100107-00000013-maip-pol:TITLE
とはいえ事業仕分けで露出度が高く、国民的認知度も高いため、同じく小沢とは距離感のある仙谷由人行政刷新担当相の補佐役を務めることになったというわけだ。今後、鳩山は小沢と距離を保ち管や仙石とともに政府として小沢民主党に対峙していくのか、あるいは小沢民主党に対して政府内の反小沢グループとを拮抗させて、その上でバランスをとりながら政権運営を行っていくのか、みたいな流れになるのだろうか。でも、あの小沢一郎がそんなことを許すとも思えないのだが。
しかし民主党も野党時代の仲良しグループから脱皮していくのだろう。やっぱり権力を奪取した以上、その権力をいかに拡大していくか、あるいは維持していくかみたいなことにエネルギーをつかっていくのだろう。いわば政権党として内部的にも権力闘争を行っていくということ。そういうのは、経世会出身で権力の中枢にいた小沢一郎の得意技なのだろうけど。
本来、反小沢派であるはずの民主党内グループ凌雲会の中でも小沢に擦り寄る人間もでてきているという。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%8C%E9%9B%B2%E4%BC%9A:TITLE
この仙石由人を会長とする前原・枝野グループの中でも細野豪志なんかが小沢に今一番可愛がられて登用されているのだとも。
http://facta.co.jp/article/200607006.html:TITLE
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20091217-00000000-sbunshun-pol:TITLE
もっとも細野の場合その能力を買われたという部分もあるようで、幹事長室に一元された各団体からの陳情等から政策にまとめたという話もなにかで読んだことがある。
まあ結局政権交代になっても、かってと同じように権力闘争が繰り返されるということなんだろう。そしてその手の政局の展開とかが実はけっこう大好きだったりするわけなのである。