今度は紀伊国屋と凸版か

朝日朝刊31面社会欄にひっそりと載っていた。
http://www.asahi.com/business/update/0601/TKY200906010260.html
せっかくだからこっちも全文引用。

凸版印刷紀伊国屋が業務提携 出版界 新たな対抗軸
 印刷業界最大手の凸版印刷と書店最大手の紀伊国屋は1日、大学向けサービスの開発・提供で業務提携すると発表した。印刷・書店業界では大日本印刷丸善ジュンク堂図書館流通センターを子会社化しているが、今回の最大手同士の提携は新たな対抗軸となりそうだ。
 提携では、凸版の持つ情報技術と紀伊国屋の大学への強い営業力を組み合わせて生かす。IC学生証による学生の出欠、施設利用の管理や、ICタグを用いた図書館の書架管理などを大学側に売り込む。
 両社は2年前から一部のサービスを実験的に提供してきた。「大学以外の分野でも新事業を展開できないか積極的に検討していく」として、さらに提携を強める構えだ。(久保智祥)

30日の大日本と大手出版社3社によるブックオフ株取得に次ぐ記事である。いよいよ出版業界が再編されることになるのだろうか。30日の記事を読んでいて印刷大手大日本印刷が大手書店である丸善ジュンク堂を傘下に治めたとなると紀伊国屋の動向も気になるなとは直感的に思ってはいたのだが、やっぱりこういう形で出てくるんだなとは率直に思った。
同業他社が業界最大手の印刷屋と手を組んだ以上、二番手の印刷屋と組まざるを得ないということだ。でも業界再編のための枠組み作りをなぜ書店と大手印刷屋が先人きって行うのか。前回も書いたけれどやっぱりICタグの導入に伴う市場シェアのせめぎあいということなのだろう。
ICタグが出版物に導入されることによって、出来るだけノウハウ、実績を早期に作り上げて市場シェアを独占したい。しかしICタグとその周辺に関しては初期コストが様々な意味で膨大になる。そのために大手書店、それもナショナルチェーンが大手印刷屋と組まざるを得ないということなのだろう。
ブックオフ株取得によって大手出版社、講談社小学館集英社が大日本、丸善ジュンクと協調していくことになる。いやその可能性が高まっている。そうなると紀伊国屋、凸版グループがどういう形で協業他社を取り込んでいくか。音羽一ツ橋グループがこのまま大日本グループとの協調関係を深めていく、もしやそういう動きが生まれれば、当然紀伊国屋=凸版グループも動きを早めるだろう。