なんであんな記者会見させたんだ

中川財務相がG7後の酩酊状態(=朦朧状態)で記者会見し、その様子が世界中に配信された。本人最初は辞める気さらさらなかった様子が、ことの重大さ、非難の声が増すなかで結局お辞めになることになった。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090218k0000m010033000c.html
本人はあの酩酊(=朦朧状態)を風邪薬の副作用と強調していて、酒についてはやれ嗜む程度だったとか、「ごっくん」していないとか言い訳していたけれど、あの姿は明らかに酩酊状態。なんか1日中飲みっぱなしだったんじゃないかとさえ思えたね。
それにしてもだ、G7である。財務官僚や外務官僚など半端じゃない随行員がいただろう。実際G7に出席の蔵相などはセレモニー要員みたいなもので、実際は随行の官僚共が意見調整から共同声明(あるとすれば)などの作文まですべて行うはずだ。それこそ優秀な官僚ついていたはずだ。さらにいえば大臣官房とか秘書官とかも随行していただろう。なのになんであんな酔っ払いに記者会見をさせたんだろう。危機意識とか国益損ねるとかそういう判断が働かなかったのか。
単純に自分の立場、宮使いのサラリーマンから考えてみる。社長と同行してパーティに出た。社長が悪酔いして酩酊。悪いことにこれからスピーチが控えている。当然、体調不良とかなんとか言いつくろってスピーチ中止させるわな。場合によっては代行者たてるか、最悪自分が代わって行う。まあそういうものだろう。社長は会社の顔、それが満座の中で恥をかくということはまんま会社の恥になるということだろう。
今回のことについていえばG7の中川財務相はそのまま日本の顔なのである。あの酔っ払いは世界に向けて日本人がしょうもない酔っ払いのクズであると全世界に恥さらしてきたんだ。いわば国辱もの、非国民なんだよあの男はと、なんかにわか右翼みたいな言説になってきちまうわな。今回の件、ネット右翼の皆さんはどうお考えになっているのだろう。まさかマスコミがよってたかって針小棒大しているとか、薬の副作用だからしょうがないとか弁護する側とかに回っていないよね。
支持率低迷の麻生政権にとってはかなりの痛手だ。一番直近の世論調査でも支持率が10%の前半近くまで低下しているのである。今回の中川辞任によっては10%を割り込むことも予想される。完全に政権末期状態だ。こうなると麻生辞任、小泉復帰とか、小泉新党とかなんかそういう冗談みたいなことも現実化するかもしれない。そういうドラスティックなことがなければ、麻生はまず支持率がいくら落ち込もうが任期満了まで衆院を引っ張ることは間違いないだろうな、とそんな気がする。その先には民主党政権誕生か、政界再編か。まあいいや、それは。
今回の中川昭一の酩酊記者会見事件でもう一つ思ったことがある。中川昭一の政治生命大丈夫かということ。それはまんま彼の父親のようなことにならなければいいのだがという小さな危惧につながる。知っている人は知っているだろうけど、中川昭一の父親はかっての自民党の総裁候補の一人でもあった男である。バリバリのタカ派、コワモテ系だったが、総裁選に出馬して最下位になったこと、それにまつわる様々な要因から自殺した政治家なのである。
中川一郎 - Wikipedia
コワモテな風貌や言説とは別に内面はかなり弱いタイプだったのだろう。中川昭一にはその血が流れている。彼が日頃から深酒をすること、しばしば酩酊状態になった姿を人の目にさらすことがあるということは知られている。なんでそんなに飲んべいなのか。推測するに昭一も内面的にはけっこう細いというか、弱いほうなのでは。政治家の仕事は半端じゃなく激務が続く。それに伴って様々なプレッシャーやらストレスがあるだろう。まして彼はたたき上げじゃない。育ちの良い二世議員の一人なのだ。だからこそストレスやプレッシャーから逃れるために酒を飲む。ようはそういうことなんだろう。
 彼の周囲の方々は注意してもらいたいと思う。親子二代で悲劇の政治家なんていうのはシャレにもならないのだから。それにしても二世議員の弊害というものが、今回の事件の底流にあるのかなとも思う。