『チャイナ・シンドローム』

 1979年製作、原発の危険性をテーマにした社会派ドラマだ。とはいえ反原発とかっていうと、けっこうイデオロギー色が強かったりするんだけど、この映画はテンポの良いサスペンス映画に仕上がっている。このへんがハリウッド映画の奥深いところだ。公開当時にも思ったことだけど、日本でこの手の社会派ドラマを作ると、たいていの場合暗くて、糞真面目で、途中で主人公が号泣したり絶叫したりとかがあるんだけど、そういうのがないのよね。
 監督はジェームズ・ブリッジス、『ペイパー・チェイス』『ブライト・ライツ・ビッグ・シティ』とか、けっこう好きな映画がある。彼の小気味の良い演出と主役三人、ジェーン・フォンダジャック・レモンマイケル・ダグラスの演技力がこの映画をささえているね。
 ジェーン・フォンダはこの頃だと、『9 to 5』とかもそうだけど、同じようなキャリア・ウーマンぽいキャラを演じていたな。どちらかといえばこの映画のキンバリー・ウェルズはそれほど美しさが際立っているという印象はないけど。でも、この頃からだな〜、彼女の顔のアップを見ると親父の面影が濃くなってきているという印象が強くなったのは。今回観直してみて、いくつかのカットでほんとヘンリー・フォンダの顔とだぶって見えたよ。
チャイナ・シンドローム [DVD]