去年の暮から話題になっていたホンダと日産の経営統合がどうやら破談になったとのこと。今週はそんな記事が新聞の一面にもあがっていた。もっとも暮に経営統合協議の予定との大見出しで報道されたときにも、破談の可能性も指摘されていたので、協議開始から一か月半で頓挫したのも、ある意味予定調和的なのかもしれない。
2月7日の朝日にも詳しく破談にいたる経緯が報道されていた。
(時時刻刻)「対等」すれ違い、破談 日産、ホンダと統合協議打ち切り:朝日新聞
記事によれば破談にいたる両社のすれ違いは大きく二つの認識の違いだという。
1.「対等」を巡る認識の違い
- 日産はどちらが上、どちらがしたではなく、あくまで対等であるとの認識
- これに対してホンダは、株価時価総額で5倍、自動車販売台数も圧倒的に上回るなど、業績の差が明白
2.両社の意思決定のスピード感
- 米テスラや中国BYDと伍していくために、意思決定のスピード感が必要だが、ホンダのスピードに日産はついていけない
- ホンダは御隻悪化の日産と統合する絶対条件として、日産にリストラ内容を1月末までに求めていたが、日産社内では調整が難航
業を煮やしたホンダは今回日産を子会社化する案を打診。日産は対等関係ではないことから反発したということのようだ。
改めて自動車業界での世界シェアを記事内容からピックアップしてみる。

このランクからみると弱者連合的だが、ホンダは二輪事業などもあり業績は好調。一方日産は北米で販売実績が低迷しているため、2024年9月中間決算では自動車事業だけで1430億円の営業赤字を出しているという。
結局、カルロス・ゴーン時代に大幅なリストラ、コストカットを行い一時的に業績を回復したが、ゴーンを追放してからはまた悪化の一途を辿っているようだ。まあ感覚的にも日産の車で好調な売れ行きを示しているのってなにかあったかと思う部分もある。一時は5ナンバーミニバンではセレナが人気だったが、あとは何かあったか。というよりも自動車業界は国内シェアなどあまり業績には関係がなく、世界市場、北米と中国でのシェアが問題なんだということだ。そしてそのいずれでも日産は低迷している。
しかし改めて世界販売台数ランキングを見ていると、トヨタの一人勝ちという部分もあるが、韓国の現代・起亜グループが大きなシェアを得ていることがある。そして中国のBYDも躍進している。
先日、家電業界の凋落と韓国、中国メーカーの席巻事情について、ちょっと感想を述べた。家電業界に比べればまだ日本にはトヨタという巨象がいるので安心かもしれない。でも今後の電気自動車への移行を考えると、このランキングはいずれ違ったものとなっていくかもしれない。
このランキングには出てこないが、イーロン・マスクのテスラの2024年の販売台数は178万台余りという。でも株価時価総額ではテスラはトヨタをはるかに上回っている。
- テスラ:6,958億ドル(約9,300億円)
- トヨタ:2,638億ドル(約3,500億円) (2024年1月)
今後の両社の動きはどうなっていくのか、特に日産の立て直しはどうなるのだろうか。おおかたの予測では、日本の自動車業界も家電業界と同じ道を歩むかもしれないという悲観的な見方がでてきている。ようは東芝やシャープ、三洋のように中国や台湾の企業に切り売り・買収されていくのではないかという。
現に記事中にも日産の大株主であるルノーの日産の持ち株を台湾の鴻海精密工業が買い上げる可能性が示唆されている。ひょっとしたら中国系のメーカーも関心を示すかもしれない。
こういうマクロ的な形での自動車業界事情に対して、思い切りミニマムな感慨を少しだけ綴る。
自分はこれまでに10台車を乗り継いできた。まあ庶民も庶民なのでほとんどがファミリー車だ。その内訳はというと日産車が3台、その後三菱車を一度経由してそれからはずっとホンダ車を乗り継いでいる。トヨタ車は一度もない。理由はとくにない。まあしいていえばだけど、最初に日産車を乗っていたときは横浜に住んでいた。そしてかれこれ30年近く前に埼玉に引っ越してきた。たぶん理由のほとんどがそれのようだ。
バカバカしい話だが、横浜に住んでいるときは日産に追浜工場があった。小学生の時に工場見学にも行った。その頃の横浜の小学生はみんな一度は社会見学で日産追浜工場を見に行く。そして住んでいた家の近くには大規模な日産の社宅があった。ある意味、日産は身近な存在だった。
埼玉に引っ越して車を買い替えたときは三菱のRVRだった。しかも真っ赤な色の。多分、当時浦和レッズのファンだったからとか、一度は四駆に乗りたいとかそんな理由だったのだろう。シートにはレッズの8番、小野伸二のユニフォームを着せていた。まあどうでもいい話だ。
そのRVRを2年くらいで手放した。燃費が恐ろしく悪くて、街乗りだとリッター5キロとかそんな世界だった。そして初めて新車でホンダのストリームを買い、以後はずっと新車でステップワゴン2台、フリードを3台乗り継いでいる。ホンダの工場が埼玉にあるという多分、そんな理由だろうか。
実際、埼玉に住んでいるとホンダ車を見る比率は他所よりも高い、多分圧倒的に高いのではないかと思ったりもする。なんとなくだが、車は地元車に乗るみたいな感覚だ。なのでもし名古屋に住んでいたらずっとトヨタ車だろうし、広島に住んでいたらマツダなんだろうなとか思ったりもする。もしテキサスに住んでいたらトヨタ、オハイオだったらホンダだろうとか、まあそんなものだ。
とりあえず自分の車の所有歴からすると、ホンダと日産の経営統合というのはなんとなくインパクト強かったりもする。でも結局破談となった。今後は自動車業界はどうなっていくのだろう。新聞記事のなかでもホンダの三部社長の言葉として、「自動車会社には規模が必要だ」という言葉が紹介されていた。おそらく今後の電気自動車にシフトする過程で、さらなる経営統合があるかもしれない。
ヨタ話的にはテスラが株価時価総額を背景にトヨタを買収するとか、その逆にマスクが手放してトヨタが買収するとかなんとか。またフォルクスワーゲンとホンダが今後のEVバッテリーの提携からさらに経営統合に進むとか、諸々あるかもしれない。でもその中に日産が入る道はないだろうなとは思ったりもする。イーロン・マスクが日産に関心を示すなんてまずあり得ないだろうし。
なんとなく年末年初にかけて経済面のちょっとしたマクロ的なことに少しだけ反応してしまった。といっても経済事情はだいたいにおいて興味もないし、知識も少ない。なのであまり関心も実はない。でもなんていうか、自分の車遍歴を少しだけ遠い目をして思いながら、今回の経営統合とかその破談とかのことについてちょっとした思いを吐露してみた。