旧聞おくやみ系〜デニス・ホッパー

ここのところ忙しく、ここの更新もままならない。だいたい自宅のPCも仕事以外ではほとんど利用していない状況だからいたしかたない。
そうこうしている間にも旧知のスターが亡くなっていく。本当に人は放っておいても死ぬ。あるいは、ヴォネガット的にいえば「そういうもの」なのである。
http://www.asahi.com/culture/update/0530/TKY201005300105.html
イージーライダー」で一世を風靡し、ニューシネマの旗手とまでいわれた人だ。あの当時の風貌はなんだかデヴィッド・クロスビーあたりとかぶるようなイメージがあった。
なんとも異様な風貌なのか脇に回っても妙に印象に残る役柄を何度も目にしている。「地獄の黙示録」でカーツ大佐の王国の中で、彼のスポークスマンのごとく、道化のように振舞うジャーナリスト役をやっていたのを覚えている。
そしてなによりも中年から初老になってからの彼である。ドラッグやアルコール中毒の影響か、極端にやせ細った異形な風貌やしわがれた声。ほとんど怪優とでもいった方が正しいような感じである。
そんな彼の代表作はといえば「スピード」の老テロリストでもなく、私的にいえばもうただただデビッド・リンチの「ブルーベルベット」におけるあのサディスティックなギャングスターである。あの映画は庭先に落ちていた切断された人の指だか手だかとともに、ホッパーの怪演によって記憶される映画だったと思う。